15日は前日までの雨がやっと上がり、日本3大花火の一つと言われる、正式名称・諏訪湖祭湖上花火大会を観るために、予定通り朝9:20頃ペンションを出て、茅野に下る街道を走っていたら晴れて陽がさして来た。計画では最寄の上諏訪駅から3駅甲府よりのすずらんの里駅の駐車場に停めるつもりで、時間的にはぴったりに着いたのに、30台ほどのキャパがなんといっぱいだ!
みんなが花火大会に行く訳じゃないのかもしれないけど、なんてこったい。でもこんな時のために、ちゃんと次の候補が調べてあるのさ。って訳で、2駅上諏訪に近づいた茅野駅の、駅から10分ほど歩くので候補第2位にしていた茅野市運動公園の駐車場に移動。ここはキャパがでかいので予想通り停められる。
午後からは臨時電車が増発されるんだけど、午前中は1時間に1~2本ほどしか走らない通常のダイヤなので、予定の列車に乗り遅れると痛い目に合う。運動公園から茅野駅まで、道もわからずGoogleのナビ頼りで歩いて行ったら、たまたま電車が遅れていたこともあり、11:01発の松本行に間に合う。
もちろんまだまだ時間が早いのでいきなり上諏訪の花火会場に行くわけではなく、いくつか候補を用意して、カミさんに提示した中から、時間つぶしとしては割合質の高い映画鑑賞を、こういう機会でもないと絶対に行かないザ・地方都市(在住の方スミマセン)、上諏訪から2駅先の岡谷でやらかしちまおうってプランだ。
上諏訪からの帰り、人波の中で切符を買うことなんてほぼ不可能なので、乗り越すと少し損になるけど、臨時販売所で茅野から上諏訪の往復切符を買い、この辺では他には松本とか飯田まで行かないとない映画館、岡谷スカラ座に向かう。
極めて希少な体験である地方都市での敢えての映画鑑賞だけれども、今結構面白そうな映画がいくつかある中で、娘が佐藤健の大ファンなので家庭内でフォローしておく必要があり、かつ一作目もなかなかの出来でぼく自身も結構お気に入りの、「るろうに剣心」の2作目が、うまいこと11:55分開始の会があったのでね。
岡谷スカラ座は、駅から10分近く歩くのだけど、なかなか嘗めたもんではないシネマコンプレックスで、1室ごとのキャパは少ないものの、7室ある映写室で、今かかっているメジャーな映画は間違いなくカバーしている。11:55分の映写開始にきれいに間に合って、だけど花火までの暇つぶしと言う、同じ考えの人も多かったようで、結構混んでいて、開始10分ほど前に買ったチケットでは、ちょっと右の隅の方の席になってしまった。
映画の感想は置いとくとして、お盆だからか花火の日だからか、街中に人影が少なく、とにかく食いもの屋が軒並みお休みと言う中、やっと見つけた駅前のショッピングセンター内の店でそばとソースかつ丼のセットを食べ、今度は1駅戻って下諏訪駅で降りる。
ここにある諏訪大社の下社秋宮に行くためだ。諏訪大社は、6年に1度、急坂を、ハッピ姿の力自慢の若者たちが太い木に競って跨って豪快に滑り降りる御柱祭で有名な神社だが、下諏訪駅近くに下社が2宮、上諏訪駅近くに上社が2宮、計4宮あり、この下社秋宮が一番大きな規模らしい。
ここでお参りして、その御柱を見てから、そばのセブンイレブンで花火見物用のおにぎりやビールを買い、いざ上諏訪駅へ。花火会場の目の前の、全国販売されるものは@3,500円する石彫公園自由席に17:30ごろ着くと、もう開場時間の14時近くから席を取っていたらしい人たちが、みんなビニールシートを広げて、寝転がったりトランプで遊んだりしながら待っている。
細い間隙にピクニックシートと持参した車のシートクッションの古いの--かさばるけどこれは持っていってよかった!--を敷いて座る。このブログを書いたり、簡易トイレの長い列に並んだり、ビールを飲み干して追加を購入したりして待つうちに、いよいよ19時、花火が始まる。
湖上の左右かなりの長さにわたり、簡易桟橋のようなものを置き、そのあちこちからある時は順番に、ある時は一斉に上がる花火は、恐らくプログラムがかなり高度に組まれていると思われ、見事な調和が取れている。また1発1発の大玉も、あまり他の花火大会では見ないような模様を描くものが多く、湖上で上げているので、火の粉がかなりの低さに届くしだれ柳の大玉も、遠慮なく上げられる。
しかもそれが眼前の仰角60度から80度くらいの近さに続けざまに上がる。各企業が提供するセットを、アナウンスとともに順番に披露していくのだけど、どれも本当に素晴らしい出来で、50万人の観客から、やんやの拍手歓声が上がる。これは、渋滞や人ごみがいくら嫌いでも、3,500円取られても、観に来る価値あるわ。確かに。
残念ながら開始1時間後くらいから雨が降ってきて、風向きもぼくらが観ている浜の方向に変わったのか、それとも雲が下がってきたせいなのか、上がった花火が煙って見づらくなってしまったのだけど、約2時間のショウは、最後に諏訪湖名物の湖上スターマイン--桟橋の低さで、つまり湖上に半球状に広がる花火を連発する--と、長さ2Kmに及ぶナイアガラで幕を閉じた。
雨で途中で帰った家族連れとかが多かったのか、上諏訪駅のそばまでは割合スムーズに到達し、そこで入場制限待ちとかはあったものの、ぎりぎり21時台の電車に乗れ、茅野駅から運動公園まで、車を運動公園に置くという同じ作戦だったと思しき何組かと前後しながら歩く。
それから、深夜になる帰りの長距離ドライブは老体には危険だってので、花火に行くことに決めてから取ったペンション、原村の「サインポスト」に電話をかけ、カミさんの運転で向かう。防水ヤッケと足元に置いた傘に守られた上半身と膝から下はそうでもないんだけど、斜面を流れてくる水流を吸った座布団から伝った水でぐしょぬれのハーフパンツのため、座席にビニールの袋とかを置いて座る。
23時ちょうどごろに着いてみると、満室の客の半分以上が諏訪湖花火流れという深夜活況状態で、ちょっと待って風呂に入り、湯船にお湯を張って、濡れて冷え切った体を温める。
格安の夕食なしプランがあり、事前の問い合わせ電話で深夜到着OK、深夜の入浴OKを出してくれたこの「サインポスト」は、できて1年と言うのもあって選んでみたが、要は古いペンションを買い取ってそのまま開業した模様で、建物や設備は古く、洗面所は共同、共同トイレの数も少ない昔ながらの作り。ただトイレがウォシュレットになっていたのはありがたかった。
16日朝は晴れ間も見え、八ヶ岳山麓標高1300m前後の原村は、雨上がりの高原の気持ちよい湿度に満ちている。この日は帰って、電車で夕方16時から錦糸町で行われる「すみだ・ストリートジャズフェスティバル」に出演する息子を観に行くだけが予定だ。
渋滞の多い中央道を避け、敢えて清里から野辺山の気持ちよいドライブを経て佐久南から高速に乗り、帰路に着くと、天気が悪くみんな早目に帰ることにしたのか、「ドラぷら」の予想よりも早く始まった渋滞につかまり、やばいこれは間に合わないかもという時間になってしまう。
レストランで飯を食うのを諦め、途中の藤岡にあるハイウェイオアシスのコンビニで食料を買って走りながら食べたりしたのに、タッチアンドゴーで出かけた朝霞駅の準急は、無情にも目前で扉を閉める。錦糸町駅からタクシーを飛ばして10分遅れくらいで着いたが、あとで、観られなかった1曲目に息子のソロがあったのにと言われた。
そして帰って朝霞駅内のイタリアンで早目の夕食にし、なんじゃかんじゃの片付けモノをする。とにかく今回濡れてしまった服や靴だらけだったので、とりあえずこれを洗ったり乾かしたりするのが大変だ。特に花火の時はいていたハーフパンツの尻ポケットに入っていた財布と、中に入っていたお札を乾かさないと。お札ってこんなに弱っちくよれよれになっちまうんだって言う、日常あまり遭遇しない状態。
しかし今回の2回の旅に行った活動的な夏休みは、駒ケ根旅行で娘に彼氏ができたことを白状させ、息子のジャズフェスで、同じバンドのトロンボーン吹きである奴の彼女を初めて紹介され、そういう意味でも我が家史に残るものとなった。
写真は絶対に見せないと言う娘を、その彼の所属するサークルのサイトをカミさんに付き合ってからかって探したりしたものの、実はオレもあんまり見たくない、心ひそかに、娘よ、お前のその対応は正解だと思ってみたり、
息子の彼女の方は興味津々だったのだけど、これがなかなかかわいくよく出来たお嬢さんで、今日は演奏よりもご両親にお会いするって言うんでずっと緊張しっぱなしだったんです、なんていじらしい発言をするのもなんだか照れくさくて、かつ自分が旅の疲れで怖い顔してやしないかなと気になって、まともに眼を見れなかったり。
ホントに困ったバカ父だ。
いやー夏休みも終わったな。ずっと天気が悪くて残念だったけど、今年は盛りだくさんだったなぁ。よく水に濡れた夏休みでした。
8/13にかみさんと諏訪大社上社に行ってきました。車で行ったのだけれど、最寄駅は茅野みたいよ。
投稿情報: タコ兄 | 2014/08/17 20:40
あら、ニアミスですね。
そうか、最寄り駅で言うと茅野か。
投稿情報: Tacovo | 2014/08/18 00:49