今月に入ってから、カミさんに、先月休日出勤した分の代休を消化しなきゃならず21日を休むからその前後に旅行を入れて、と言われ、いちご狩りなんかもいいわねと言うので、以前行ったことがある伊豆市のいちご狩りセンターに行くかってことで、急遽20日から2泊3日で伊豆旅行の旅程を組んだ。
伊豆はもともと35年ほど前に亡くなった母方の祖父の故郷が下田で、子供の頃から年に1度正月休みに、祖父が従妹たちと共に下田の東急ホテルに連れてってくれていたのに始まり、ウチの子供たちが小さい時から、過去に散々行き尽くしていて、コロナがあったので今回は約6年ぶりにはなったが、行ったことがない場所をほじくり返すのが大変だ。
で、東海岸中南部の稲取温泉のそばに、「細野高原」というところがあり、ここは行ったことがなかったので、ここのハイキングを中心に旅程を組み、宿も過去泊ったことがない稲取温泉の、中心街から少し山を登ったところにあるプチホテルを取った。
20日は「どらトラ」によると渋滞はほぼないというので、比較的ゆっくり8時半に出て首都高から東名に入る王道ルートで行こうかと考えていたが、直前に交通情報を見ると東名も中央環状も随所で渋滞している。なんだよー嘘つきと、仕方ないので関越から圏央道で厚木に出るルートに変更したが、これも結構混んでおり、11時すぎには伊豆の国市韮山に着いているはずが、足柄SAで昼食を食べ、予定より1時間半ほど遅れてしまったので、結局いちご狩りはパスして、「伊豆パノラマパーク」の駐車場に直行した。
ここは以前からゴンドラで葛城山の山頂に登れるようになっていたが、この手の観光地でありがちなリブランディングを行い、麓と頂上にきれいな設備を整えて、「碧(あお)テラス」と名付け客を集めている。ここのゴンドラはその下を何度も車で通ったが登ったことはなかったので、行ってみることにした。
今回の旅は天気に恵まれ、この日も富士山は少し雲がかかっていたものの、この「碧テラス」から観る富士山とその下の海岸線や街の光景はまさに絶景だ(冒頭の写真ね)。「フォレストウォーク」と名付けられた散歩道には木床が設えられており、景色を背景にきれいな写真を撮れるスポットが用意されている。
ここにけっこう長くいたこともあり、その後「韮山反射炉」と重要文化財「江川邸」(幕末の有名な幕府砲術師範、江川太郎左衛門(代々襲名)の旧家)に行く予定だったが、「江川邸」はパスして、「韮山反射炉」に行く。世界文化遺産の構成要素であるここも、「鉄腕Dash」でも何度も取り上げられ、あるのは知っていたが行ったことはなかった。
反射炉自体は江戸末期の遺跡ってことで、はぁこういうもんか、って感じだが、ここは周りに反射炉の「ガイダンスセンター」があり、ここの映写や展示がなかなか充実していて興味深い。また反射炉の裏手では吊るし雛--伊豆では稲取温泉の名物のはずだが--の制作販売をしていたり、裏山の茶畑を登って行くと反射炉と富士山を併せて写真に収められるスポットがあったりして、まぁまぁ楽しめる。
ここを出て伊豆中央道の入口がよくわからず多少行ったり来たりしたが、中央道から浄蓮の滝、天城峠、河津--もういわゆる河津桜は終わって葉っぱになっているが、それでも種類が違うのかいくつかきれいに花が咲いた木があった--と通り抜け、海岸線の国道135号を少し北に戻って、今回の宿「プチホテル稲取リゾート」に着く。
ここはじゃらんの口コミ総合が4.6点と高く、特に夕食が高評価なのだが、確かに温泉は絶景の露天も含めよかったし、フルコースの夕食は美味しかったし、部屋も広かったけど、ちょっと全体に設備が古い感じなのが残念だったな。部屋のトイレは温水洗浄どころか暖房便座でもないし、風呂のシャワーの水圧は低いし、部屋のコンセントは少ないし。まぁお値段も@12,650円とリーズナブルなので、なかなか設備投資にはお金が回らないのだろうね。
2日目は朝、コンビニでおにぎりを買い、細い道をうねうね登って「細野高原」に向かう。細野高原第一駐車場に車を停め、ここからいくつかの小湿原とススキ野原を巡って、標高差400mほどある三筋山の山頂まで行って戻って来る、2時間半ほどのハイキングの始まりだ。
基本コンクリ舗装された車1台がギリギリ通れるほどの遊歩道を、途中まではほぼ直線で、途中からはつづら折りの急坂になり、延々と登って行く。振り返ると伊豆の山地と別荘地やゴルフ場、その向こうには海が広がる。伊豆はこの山と海が近接した風景がよい。
やっとこさ「三筋下」という簡易トイレが置かれた園地に着き、ここからさらに15分ほど土に木枠が埋められた階段を登って、標高821mの三筋山山頂を目指す。三筋山山頂とそこから連なる尾根には、発電風車が並んで設置されていて、けっこうブンブンと大きな音がしている。この風車たち、こんなとこまでいったいどうやって運んできたんだろうね。遥か下には出発点の駐車場が小さく見える。
いくつかの絶景スポットで写真を撮って、「三筋下」まで降り、今度は行きと違うつづら折れを降りていく。駐車場までもうすぐという場所に「芝原湿原」という小さな湿原--というか水たまりとほぼ乾いた原っぱ--があり、ここのほとりで昼食にする。昼食を終え車まで戻ると、腿とふくらはぎが痛み汗が冷え、なかなか悲惨な状態だ。この足の痛みは今日になってやっと収まってくるほど尾を引いた。いやだねぇ歳取ると。
それから車で、これも行ったことがない、というかかなりマイナーで知る人も少ないと思われる、河津の「佐ケ野渓谷遊歩道」というところに行く。ここは片側1車線だが立派な県道の小さな橋の脇を降りて行くと、そこにいきなり滝や渓谷があるという場所で、渓谷脇の遊歩道を往復40分ほど歩いたが、なかなか捨てたもんじゃない美しさだった。
それから一昨年できたばかりの伊豆縦貫道の一部、「河津桜トンネル」をくぐり、下田に出て、かつてペリーが泊まった国の文化財了仙寺の、もう16年も前に永代供養ということにして、いつ壊されてもおかしくない祖父の墓を見に行ったが、まだちゃんとあった。でもそのすぐそばでは小さな重機を入れて別のお墓を取り壊す工事なんかもしていたから、次に来る時にはもうないかもなぁ。
車を少し移動して、ここは前にカミさんと来たことがある下田公園を散策する。そしてかつての定宿、下田東急ホテルに行ってここの庭から大浦海岸の美しい風景を観て、今度は海岸線を通り、夕方、稲取の宿に戻って来た。
3日目はまず稲取の「アニマルキングダム」--かつては「バイオパーク」と言って、子供たちが小さい頃2度ほど来ている--の脇を通り抜け、「浅間山(せんげんさん)展望台」というところに向かう。ここは前日行った三筋山よりはだいぶ海寄りで標高も500mほどと低いのだが、車で行ける場所からちょっと階段を登ると頂上に着け、ススキが多く見晴らしは悪いが一番端まで行くと伊豆高原の大室山から下田の手前の爪木崎まで、美しい海岸の風景が観られる。
そして車で伊豆高原まで移動し、2000年にできたというが行ったことがなかった、「野坂オートマタ美術館」に行く。ここは18世紀ごろから時計技師たちによりフランス中心に発展したという機械仕掛け人形の美術館で、数々の人形の展示のほか、11時からは実際に人形が動く様子を見せてくれる実演もあったりして、けっこう楽しめた。
最後に向かったのは城ケ崎海岸沿いにできた「ニューヨーク ランプミュージアム&フラワーガーデン」だ。ここはステンドグラスのランプの展示館とフラワーガーデンを組み合わせた施設だが、要は元「伊豆海洋公園」だった寂れ切った階段状の花壇を再整備し、そこにランプ展示館やレストランなんかを増設して、通路を少し整え、流行りの写真映えスポットをいくつか用意した、ということのようで、これであれだけ観光客が呼べれば、入場料もけっこうお高いこともあり、なかなか効率のよいリブランディング再投資だ。
まぁランプはきれいだったし、アジサイ園はまだ全然だったけども花もいろいろ咲いていて、カミさんが喜んで安売りしていたその中の一つの花を3株買ってきて家のプランターに植えたりできたんで、よかったんだけどね。
それからいつも伊豆高原ではいく立ち寄り温泉「伊豆高原の湯」に行ったのだが、カミさんが、暑いし髪の毛乾かしたりするの面倒だから私は家で風呂に入ると言い出したので、ぼく一人で入って、その後伊豆高原駅近くのショッピングセンターにカミさんを迎えに行き、いつもの伊豆スカイライン→箱根新道→小田原厚木道路のルートで、厚木近くで渋滞したがそれ以外はほとんど混むことなく、圏央道から関越に出て、新座駅の中にある「餃子の王将」で餃子を食べて帰って来た。高温で大量飛散したスギ花粉との戦いの旅だった。
このブログが1日遅れたのは、今度の土曜に孫たちがウチに来る予定で、4月3日生まれの孫2号の誕生会をするってことで、そのために昨日日曜日には北戸田のイオンモールまでプレゼントを買いに行ったりしてたからでね。てことで来週は孫たちの話になる予定ですが、また月曜日になっちゃうかもです。
あら、まだお墓あったのね。
投稿情報: タコ兄 | 2025/03/26 22:07