ねぇねぇ、そういうことでいいことにしてよ。みんな頼むよ。じゃないとボク、徒手空拳じゃ看板下せないんだよ。みんながウンって言ってくれれば、なら宗旨変えもしょうがないって、許してくれるんだよ。みんなエライ人たちだからさ。この辺で宗旨変えしとかないと、ボクたぶん、クビにされちゃうんだよ。お願いだよ。
こないだ昔の部下C代と飲んだとき、なんでブログに政治的なこと書かないの?って言われたんだけどね。まぁ別に意図して書いてないわけじゃなくて、エネルギー系の話とかは結構書いてるつもりなんだけど、なんか気ィ遣うんだよね、この手の話って。いろんな考えの方がいらっしゃいますのでね。
だけど安倍さんのサミットでのあのなりふり構わなさは、あまりに浅ましくて、日本人としてホントに恥じ入るばかりだよね。んでサミットが終わったと思ったら、あっという間の消費増税延期発表だ。浅ましくしても、広島でオバマさんがインパクト残してくれれば、そこは忘れてくれるって言う計算もあったんだろうね。なんてちっちゃいんだろう。
全世界の核兵器廃絶と、方や参院選に向けての選挙対策--しかも世界中の誰から見てもあからさまでカッコ悪すぎる--って、そんな較ぶべくもないことに、ボクのマインドシェアは持ってかれてるんです、ってのが、より一層際立っちゃった、非常に残念な状況になってるってことが、彼にはわかんないんだろうか。
だってオバマさん、日本でも、たぶん世界でも、思い切り株上げたじゃないですか。謝罪がどうとか米国民感情に配慮とかノーベル平和賞もらった割に何もしてねーじゃんかとか、いろいろ言う人はいるけど、そういうことは置いといて、ぼくも含めてほとんどの人が、大いなる好感と尊敬の念を抱いたよね。そういう凄みのある17分間だったよね。
「政治」という言葉は明治より前の日本では一般には使われていなくて、「周旋」という言葉が使われていたらしい。吉田松陰は若かりし伊藤博文を評して、「俊輔、周旋の才あり」と褒めたそうだけど、そのころの「周旋」という言葉の語感は今とは違うかもしれないけど、つまり政治の本質とは、意見の異なる、しかも主義主張の強いオッサン、オバサンたちの間をうまく取り持って、一つの方向性にまとめていくってことなんだと。
そう聞いちゃうと、なんだかずいぶん卑小な感じがするけど、これって実際にはホントに大変なことなんだって話だろうし、その「一つの方向性」ってのが、その周旋屋の意志であり、その意志の気高さ、崇高さ、それを持つに至った視野の広さが問われるってことだと思うんだよね。
そういう意味で、政治家としての質と言うか格と言うか、それが段違い、月とスッポンなんですって、全世界に示しちゃった。そういうことが、彼にはわかってるのかな。わかってるけどもうそれはしょうがない、ボクはボクの道を行くのだ、って開き直ってるのかな。
日本にも--品性については多少の課題はあれ--人としての格がもうちょっと備わっている総理大臣が、過去にはいたと思うのよ。吉田茂とか田中角栄とか小泉純一郎とか。彼らの政治的信条に必ずしもすべて賛同するわけではないけども、少なくとも彼らの意志は気高かったし、世界に物を言うにも説得力があったよね。
なんか姑息なんだよなぁ。まぁ民進党も同じ土俵で相撲を取ってるから、お互いさまなんだけども、今回のこと以外にも、あまりにも説明不足な安保関連法案の通し方とか、例の「日本死ね」だって、「匿名だから事実かどうか確認できない」ってのはそりゃそうなんだけども、確認できない、ってことを述語にするんじゃなくて、多くの方がそういう状況であることを重く受け止めている、ってことを持って来れば、全然印象が違うのにね。単に不器用なのかなぁ。本当に人の気持ちがわからない人なのかなぁ?
一方の民進党。結局地震の影響で審議が延期されたTPPの件。甘利さんをスキャンダルで辞めさせといて、いざTPP審議に入ったら、甘利さんを参考人として招致しようみたいな、なんか優先順位がまったくわかってないんだよね。
いやいや、罪は罪として罰せられなきゃいけないんだよ。だけども、TPPって超重要法案じゃん。それを実質的にちゃんと審議するんだったら、その交渉の最前線にいた甘利さんを、その審議の前に辞めさせるってのは、完全に国益に反すると思うんですよ。
そういう趣旨で国会議員の不逮捕権ってのがあるんだろうけども、結局「世の中をお騒がせした」とか「道義的責任」とか、そういうレピュテーション起因で辞めさせられるんでは、そんな趣旨はどっかに吹っ飛んでいる。ちゃんと議論して、結論出して、それから甘利さんを辞任させるって順番にしない?何が本質か、重要かって価値観が、どうもおかしいんだよね。のり弁文書とか西川特別委委員長が書いた著書がどうのとか、どーでもいいじゃんそんなの。
それは国民のせいなの?最近はやりのポピュリズム?確かに「出る杭を打つ」のが大好物の国民性はあって、それは情けないとは思うけどね。でもスキャンダルで足元掬うって言うのは、しかもその掬い合いをしてるってのは、どうなんでしょう。芸能人と政治家では、やっぱ自ずから違うと思うんですよ。違わなきゃダメなんですよ。
まぁ難しい政治課題だよね、TPPって。中期的に世界にとって益があるとしても、短期的には痛手を蒙る人が具体的にいる状況って、推進すれば選挙でマイナスになる公算が高いし。だけど国内の世論は58%が賛成で、反対は21%(昨年10月の朝日新聞調査)なのよ。個人的には極めてまっとうな国民意思だと思うなぁ。こういうのを進めてこそ「政治(≒周旋)」だよね。北海道5区の衆院補選を意識して曖昧にしときたいとか、もうやめようよそういうの。
政治家は小市民であってはいけない、ってのは、公費で贅沢したりすることじゃないんだよ。態度だけデカくて、何が本質か、日本にとって重要なことは何かってのがわかってない、示せないバカ者は、とっとと議員辞職してください。そんで議員定数半減くらいのことは、サクッとやってください。定数変更議論の、いつの国勢調査を基にするとか何減何増とか、もうそんなセコい政治はたくさんなんですよ。
以上、ぼくにしては珍しい政治的主張でした。
※写真は日経電子版よりお借りしております。問題がありましたらご連絡願います。
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