ここんとこ毎週ドラムの話ばかりでスミマセン。今回はドラムをいじったことがない人には本当に、てかドラマーですらもしかしたら、なんのこっちゃ?の内容ですので、どうぞ読み飛ばしてくださいね。
ライブまでまだあと3週間あるから、準備を始めるのは本来ならまだ早すぎるんだけども、教育界の重鎮メンバーたちは多忙なのでね。リハの時間が合わなくて、もうあと2回の準ゲネ、ゲネプロだけになってしまった我々「健康」。
ゲネプロってことはもう個別の楽曲ではなく、こないだ決めたライブの曲順で、通し練習中心にやるんだけど、ここ何年か我々「健康」は、個別楽曲リハの時はサウンドスタジオNoahの渋谷1号店で電車で運べる範囲の機材を持っていって行い、ゲネプロになるとNoah駒沢店に車で行って本番に近い機材を運んで行ってやるんだけどもね。
渋谷Noahでやる時は、ぼくが持っていくのもやや大型のリュックで運べる範囲で、ドラム叩き用のシューズと、小さなエフェクトシンバル2枚と、それを設置するためのシンバルアタッチメント1本、その他スティックやら楽譜ファイルやらを持って行って、ツインペダルとか足りないシンバルスタンドとか10インチタムとかはいずれも無料なので、Noahのレンタル機材を借りる。
ゲネプロの際には、シンバルは全部じゃないこともあるし、10インチタムは借りてもあまり変わらないので持って行かないこともあるけど、ツインペダルもスネアも、ほぼライブ本番で使う自分の機材を持っていく。たくさん持っていくとセッティングにすごく時間がかかるんだけど、本番に近い状態でやらないとゲネプロの意味がないし、本番に向けていろんな機材のコンディションを確かめる意味もあるのでね。
んで来週の2日に行われる準ゲネのために、この週末は練習もさることながら、スネアとかスティックとかのチューニングやセッティングを行った。
今回、スネアは、こないだ書いたM先輩の形見の中深胴メタルのを使うんだけど、これには近ごろ流行のウッドフープ--ドラムのヘッド(皮)を締める輪っかのことね--がついていて、ぼくはウッドフープって使ったことがなかったので、「健康」では割合多用するサイドスティック--スティックを寝かせて、その腹でフープを「カッ、カッ」って叩くやつのことね--があまりいい音がしないんじゃないか、メタルのフープに換えないといけないんじゃないか、と思っててね。
実際試してみると、確かにメタルのフープみたいにヌケの良い高音は出ないけども、これはこれで十分いい音じゃん、ならこのままM先輩おススメのセッティングで行こう、ってので、スナッピー--スネアの裏の皮にくっつけてスネア独特のジャラ、 って言う音を出す、金属の針金を巻いたのが二十本ほど並んだ奴のこと--のテンションを調整しヘッドのチューニング--フープに、スネアの場合は一般に10個ついた四角ネジを、なるべく均等になるように締めること--をやってみると・・・
おお、金属深胴のシャープな深みとウッドフープの柔らかい音がいい感じに組み合わさって、とても上品な音になったぞ。これは「健康」でいつも使ってる金属の薄いピッコロスネアとは、ピッチを同じくらいにしても全然違うな。今回のライブで35年ぶりにやる大曲には向いてるかも。
ミュート--ヘッドから出る余計な倍音を押さえるために、フェルトを当てたり厚手の紙をテープでヘッドに貼ることで、ぼくは通常キッチンペーパーを折りたたんで布ガムテープで貼る--をしようと思ったら布ガムテープがなくなってたので、雨が降りだす前に近所の100均まで買いに行ったりした。
それから今度はスティックで、通常はスティックは別にセッティングなんて必要ないんだけど、去年のライブで対バンだったPantographのドラマーYukariちゃんが使っていた、スティックに巻いて滑りを止めるゴムのアクセサリー--一般名称が定着してないんだけど、グリップテープとか呼ばれるらしい--を、真似して使ってみたら、これがよくってね。
寄る年波に握力が弱って来て、木のスティックをそのまま握ってると、すっぽ抜けたりすることがあるんだけど、このグリップテープを巻いているとそういう心配がほとんどなく、余計な力を入れなくて済むので、特にライブ本番では疲れ方が全然違う。
んで、ライブの時の予備スティックにもこいつを巻いておこうと、最初に試しに買ったPromarkというメーカーのStick Rappという商品よりちょっと安い、VaterというメーカーのGrip Tapeというのが、最初に買った黒とは違う色の在庫があったので、これの赤と白を、4セット分発注、これを巻くと言う作業が発生したわけね。
ぼくは同じPearlというドラムメーカーの「Shuichi "Ponta" Murakami」モデルで2種類出ていた、型番で言うと106X、127X--最後のXには材質を表す文字が入る。Hだったらヒッコリー、MだったらMapleとかね--というスティックを両方使っていて、これらの違いは太さだ。"ポンタ"村上秀一さんも、歳を重ねて握力が弱って来たのか、太い方の127は後から発売された。
写真左が太い方の127、右が細い方の106なんだけど、この写真だとほとんど違いはわからないかな。実際握ってみると全然違うんだけどね。やっぱ太い方が、よりパワーヒットできるような、ヘッドやシンバルの反発力に負けないような気がして、ぼくは両方を使い分けていたのね。
ところが、この太い方のモデル127は、後から出たくせに2年ほど前に廃番となり、仕方ないので市場から消える間際のを4セットほど買っておいた。
今回これらにさらにグリップテープを巻くので、握った感じとしてはさらに太くなる。そこまで太いと127では叩きづらいかと思ったら、これが意外にそうでもない。
そもそもこのテープを巻くと、テープ自体にもある程度重さはあるので、少し重心が手元側に移り、その結果、上記の「よりパワーヒットができる」という要素は少し薄れて、基本的には握りやすさと、一方で細かな動き--素早く同じ方の手で2回叩く「ダブル」とか--のやりやすさのトレードオフになることがわかった。なので細かい動きが必要な曲では細い方の106を、それ以外では127を使う、っていうのがよさそうだ。
試し買いの黒いのを127と106に巻いちゃったら、型番の刻印を隠しちゃうため区別がつきにくく、しょうがないのでテープの外側に白マジックで型番を書いたりしたんだけど、今回の赤と白は、127を赤、106を白で巻いて区別することにした。これだったらステージ上で暗い中スティックケースから拾い上げても間違えることはない。
でも今回のVaterのやつは、Promarkよりもちょっと厚さがあるんだよね。この方が丈夫だとは言えるのかもしれないけど、こりゃかなり太くなっちゃうぞ。って言うのと、こっちの方が問題なんだけど、表面の材質が、Promarkのは普通のゴムに近い感じだったのが、ちょっと艶があるコーティングみたいのがされていて、これだとステージ上で手汗をかいた時に滑っちゃうんじゃないかな?家で練習する分にはそれほど問題はなかったけども。
これからもうちょっとほかのメーカーも試してみるか。メーカーごとにいろんな色や模様のが出ていて、必ずしもメーカー間で同じのがなかったりするので、127と106を見分けるバリエーションが増えちゃって、憶えていられなくなるのが問題なんだけども。あと、廃番になった127の在庫がなくなったらどうしようかなぁ。三十何年ぶりに他のモデルを試してみるかなぁ。
てことで、この辺にはやはり言われるほど影響がなさげな台風をにらんで家籠りの週末は、ライブの準備に余念ございません。
コメント