先週書いた通り、年賀状の印刷をすべて終えた先月29日になってから、新たなプリンタを発注し、年内は無理かと思っていたら、大晦日の31日に届いた。
なんでこんな異常な行動に出たかと言うと、一昨年の暮れに前のプリンタが急に故障して、急遽買い替えたCANON TS8230の写真印刷画質があまりにも酷くて、去年と今年、2年分の年賀状は仕方ないとして、これ以上は無理!ってなったから。なにしろ印刷画質なんてこれまであんまり気にしなかったカミさんですら、この自分が写ってるダンスの写真、なんか顔がはっきり見えないんだけど、って言い出したからね。
それだけじゃなく、プリンタドライバの設定から「印刷濃度」がなくなってしまい、デフォルトの設定で印刷するとやけに薄くなってしまう。仕方ないのでシアン・マゼンタ・イエローの全色をプラス方向に思い切り振って、やっとまともになるような始末で。互換インクを使ってるから、ってのはあるかも知れないけど、ここまでいくとそれだけのせいではないよね。
家庭用インクジェットプリンタって、本体は価格競争でものすごく安くなって、インクの販売で元を取る収益構造になってるんだけど、その分本体の仕様を劣化させて、少しでも収益を改善させようって言う方向に動いていてね。このTS8230は、1年落ちで買ったこともあって、値段が15,666円と確かに安かったんだけども、一般用途の機種の中では一応フラッグシップと言えるマシンを、こういう風にグレードダウンさせるって言う戦略は、ユーザーフレンドリーとは言えない。そんなら写真印刷品質は下げました、ってちゃんとアナウンスしろっつーの。
確かに一般用途とは別に、その上の印刷品質のグレードが新たに設定されたのはCANONもEPSONも同じで、TS8230を買った時に、そっちをちゃんと検討しなかったのが悪いと言われればその通りなんだけどさ。
特にCANONは、そういう基本性能だけではなく、周辺ソフトのバンドル状況とかもどんどん寒くなって行って、自分のライブ映像を収めたBDを作るぼくにとっては重要なディスクレーベル印刷用のソフトも、1つ前のMG7130には一応ついてはいたものの、ずいぶんと使い勝手が悪くなったなぁと思っていたら、TS8230ではバンドルすらされなくなった。仕方ないので「かんたんデザイン工房」というフリーウェア--印刷時に広告が入ったりしてウザいんだけど--を使っていたりした。
そんないろんな鬱憤も溜まっていたので、年末にいろんなプリンタ評価サイトとかを眺めて、本当に写真をきれいに印刷する目的の、インクカートリッジを10色とか11色とか使う、8万とか10万とかするプロ用プリンタはさすがにランニングコストとかを考えても重すぎるので、CANONみたいに黒の顔料インクは使わず染料インクだけだけども、代わりにマゼンタとは別にレッドのインクを加えた6色のカートリッジを使い、発色や微細表現の評価が高かったEPSONのEP-10VAという機種を発注した。
この機種、発売されたのは6年前の2015年で、もう製造されておらず、後継機種が既に2機種発売されているのだけど、評価サイトによると、印刷品質では、使うインクカートリッジもヘッドも変わっていない後継機種と比べても変わりなく、かつA3印刷が可能--後継機種ではA4以下になった--ってことで、それがEdionのネットショップで36,800円で売っており、後継機種よりも価格的には安かったので、これは流通在庫が尽きる前に買っとかないと、ってことでね。
EPSONのプリンタを買うのは20年近くぶりだ。その間ずっとCANONを使い続けていた--両面自動印刷機能が出始めた当初は、CANONの方が優れていた、と言うかEPSONはオプションで両面印刷機構を追加購入しないといけなかったからなんだけど--のに、こういう太客をも失う製品戦略は、いかがなものなんですかねぇCANONさん。
ちなみにSDG’sのこの時代、最近のプリンタのトレンドは、使い捨てのカートリッジをどんどん消費するタイプから、インクを継ぎ足して使えるもの--EPSONは「エコタンク方式」と呼んでいる--に変わってきているらしい。そのためランニングコストは下がっているのだが、その分プリンタ本体で稼がないと商売にならないため、本体の値段は高くなっており、写真高画質用途ではない一般用途のフラッグシップ機、EPSON EW-M873Tは、価格com最安値でも6万円近い。うーん、時代は変わるもんですなぁ。
TS8230も壊れたわけではないので、ブースのマンテンファングルで組んだラックの上段に、2台のプリンタを並べなくてはならず、かつ今度のEP-10VAはA3機のため、設置面積が大きいんだけど、隣のラックにもう使うことはない1cm厚のディスク用プラケースの在庫が高さ約30cm×3つほど山になって積んであったのとかを断捨離し、アナログレコードをそちらにずらすことでスペースを作った。
大晦日に届いたのを、山のようについている保護テープを外して設置する。冒頭の写真の通り、2台のプリンタは高さはほぼ同じだが、TS8230(写真右)では前面トレイが1段である一方、EP-10VA(左)の方は2段ついており、多くの種類及び枚数の紙をセットしておける。
そして、ポートが不足するため併せてAmazonで買っておいたUSBハブとUSBケーブルも前日に届いていたので、メインPCと接続し、セットアップする。この防音室にはメインPCの他にも、使っているものとしては音楽用PCとSurface Goもあるので、それぞれこちらは無線LAN経由で使えるようにセットアップする。スマホにも印刷用アプリをダウンロードする。
EPSONは今でもバンドルされてくる周辺ソフトがCANONよりはだいぶ充実していて、特にディスクレーベル印刷用ソフト「Print CD」がついているのがいい。また、クラウドとの連携機能が進化しており、SCANデータをクラウドに直接保存できるのも便利だ。家で会社のPCにSCANデータを取り込む機会が毎月あってね。今まではいったんメインPCに取り込んでからクラウドにコピーして、という手間をかけていたのでね。
実際に年賀状印刷をしてみると、いやぁびっくりだ。全然違う。まず色の再現性が、最近はWYSIWYG(What you see is what you get)という言葉はあまり使われなくなったけど、これまでCANONのプリンタでは画面で観るのと印刷結果が全く違う前提で調整していたのが、印刷して確認の必要がないとまでは言わないが、かなり近くなった。
細かな部分の表現力も段違いだ。また空のような単色ベタの表現を中心に全体的に、TS8230で見られた粒状感がほぼ感じられない。TS8230は印刷解像度が4,800×1,200dpiである一方、EP-10VAは5,760×1,440dpiだが、その差以上の歴然とした差がある。カミさんが着ていた鮮やかな青や、娘が着ていた水色の、それぞれニットのカーディガンが、質感も色も格段に自然に表現されている。
うーんしまった、これならやっぱ一昨年の暮れにちゃんと検討して、印刷品質のグレードが高い機種を買っておけばよかった。これだとTS8230のアドバンテージは、顔料インクの黒を使っている--黒がくっきりして乾きが速い--ことと多少印刷スピードが速いことくらいだ。今後は写真系の印刷にはEP-10VAを使い、TS8230は文書系や、とりあえず品質はどうあれWeb画面のハードコピーが取りたい場合とかに使う、ということだな。EP-10VAはインク使用量もそれほど多くはないようなので、当面純正インクを買うことにしよう。
てことでプリンタ購入顛末と、一般用途のフラッグシップ機では印刷品質が下がっているけど、それなりに高級な機種ではちゃんとメーカーの矜持は保ってるのね、ということがわかりました、って話でした。今年我が家からの年賀状が届いた皆さん、スイマセン。
今週はこの他、昨日金曜日朝に突然、このぼくの居室であるスタジオ&ブースの入り口の防音ドアが、ノブを下げても開かず、部屋に入れなくなると言う事件が起きた。びっくりしてGoogleで検索して近所の建具屋さん--材木屋さんが建具修理も行っている西平木材工業という有限会社--の人に、午後一に急遽来てもらった。
開けるの自体は結局バールでこじ開けるに近かったけど、特に大きな傷がつくこともなく、ノブ周りを分解してみると、ノブを捻ると連動してラッチが出るようになっている、そのラッチを収容したシリンダー状の金属が割れてしまっていて、ラッチが引っ込まなくなっていたらしい。
このラッチシリンダーは割合一般的な部材らしく、多分店に在庫があるってことで、いったん戻って取ってきて、交換してもらったら直った。7,000円也。よかったー。ほんとにこの防音室に入れないとぼくはほとんど何にもできないと言うことがよくわかった。焦りました。
さて、明日はまた孫に会いに茨城に行こうかと言っていたのだけど、この感染数に緊急事態宣言が出たとなると、やめといた方がよさそうだってことになった。カミさんは悔しげだが、ちょっとこの状況はどうにもならんよね。みなさんもご自愛くださいね。
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