もう8月も終わりだってのに、ここに来てこの暑さは異常だよねぇ。コロナでなかったとしても出かけたくなくなる。オリンピックとパラリンピックの間に、あんな梅雨に逆戻りみたいな涼しさが来たのに、熱く戦うなら暑い方がいい、ってことか?ちょっと選手がかわいそうだよね。
そのパラリンピックだけど、こんなにちゃんと観るのは初めてと言う気がする。ちゃんとと言ってももちろん全競技を観てるわけじゃないんだけどね。やっぱり自国開催で時間帯が合うのがいいよね。深夜や早朝にがんばって観るまでのモチベーションはこれまであまりなかったし、多分だけど、そもそもTV放送もそんなにたくさんはやってなかったし。てことで今日はパラリンピックの話。
まずは24日の火曜日、朝ニュースを見ていたら、その日のブルーインパルスの飛行コースを紹介していた。この日は午後からうちの会社の渋谷パルコビル上のオフィスに行く予定だったので、お、ちょうど観れるじゃんと。
13時からの会議を終えて、14時頃に会社のオフィス最上階、17Fのフロアの西側の窓際に行ってみる。15Fのフロアでは結構人が集まっていたようだが、17Fでは誰も見ていない。パルコの商業ビル部分の屋上に当たる、10Fのオフィスビルが立ち上がっている残りの人口庭園には、一般の人たちが多数集まっていたので、17Fの社員はみんなマジメなのか、情報に疎かったのか。もともと出社人数が少ないのもあったけどね。
14時になっても何も起こらないので、ホンマに来るのかいなと思っていたら、14時ちょい過ぎごろ、西側にそびえるアベマタワーの方角から、小さな点のようなのがみるみる近づいてきて、パラリンピックカラーである青・緑・赤のスモークを6機編成の2機ずつで噴射しながら、パルコビルのほぼ真上で2機ずつの編隊に別れ、北に旋回して行った。あっという間の出来事だ。
スカイツリーの方とかを回って、もう1回渋谷上空を飛ぶのはわかってたけど、後に入っていた打ち合わせに自宅からリモートで参加するためそこで帰路についたが、センター街辺りを歩いていたら、また今度は南の方から、6機編隊で3色のスモークを吐きゴーっと飛んでいくのが見えた。最初に見た時はビル内からだったので音は聞こえなかったが、一瞬のことながらなかなかの迫力だ。センター街にいた多くのブルーインパルスのことなんて興味ないと思しき若者たちが、なんだなんだ?って顔をしていた。
今回は開会式は観なかったのだけど、水曜日から始まった競技で、やっぱり面白いのは車いすバスケと車いすラグビーだ。
バスケはオリンピックで女子代表があれだけ活躍して刺激されたのか、初日から始まった女子は素晴らしいスタートを切ったね。カナダ戦はちょっと調子悪かったけど。そもそも車いすからシュートをするので入りにくいってことがあって、ボールを取られても普通のバスケットほどの確率では点が入らないので、やられたと思っても大丈夫だったりして、展開が読めない。逆にすごいスピードでゴール下を走り抜けながら両手で投げ上げるシュートが決まるのもすごい。
車いすでのため普通のバスケよりブロックが確実になるので、止められたらどうやってパスを出すかとか、また味方がブロックして作ったコースに入って行ってシュートするとか、そういう局面ごとの動きが、普通のバスケのノールックパスとか、ゴール下に敵を集めてから展開し3ポイントを狙うのとかと同様に面白い。
男子も滑り出し好調だけど、こっちはよりスピード感が加わってさらにエキサイティングだ。日本代表の素早いパス回しは、よっぽど合宿とかでやり込んだんだろう、時々ミスもあるけど、決まるとお見事!と言いたくなる。今日の大逆転もすごかった。
一方の車いすラグビーは、大会前から特集番組とかを観ていて期待はあったのだけど、実際に観るとこれはハマった。まず誰もが思うだろうけど、パラスポーツで唯一、車いすごとタックルしていいという、そのぶつかり合いの迫力がすごい。車いすを使うという性格上、バスケとの類似性が高いが、タックルが許されているのはラグビーのみなので、よりエキサイティングになる。
あとルールがよくできている。まだ誕生して40年ほどしか経ってないらしいけど、障害度合いに応じたポイント制度(これはバスケも同様)もそうだし、12秒以内に相手コートに入らなきゃいけないとか、10秒以内にスローインしなきゃいけないとか、攻撃側が相手陣から自陣に戻ってはいけないとか、そういうルールがあるために、それに追い込んだり、時間が足りなくなってタイムアウトを取るとか、いろんな作戦が生まれている。
女子が入ってもいいというのもいいよね。女子が入ると最大ポイントが8.5に増えるというのも面白い。これによって出場メンバー構成にいろんなバリエーションが生まれる。そういうことも含めて、かなり頭を使うストラテジックな競技になっている。
日本代表初の女子、倉橋選手のキャラも素晴らしい。いつもニコニコ笑っていて、チーム全体が明るくなっているし、キャプテンの池選手が、倉橋はちょっとおかしいと言ってしまえる、そういう雰囲気がチームの結束を高めているのもいい。
予選をがんばって格上のオーストラリアも破り全勝で突破。準決勝は残念ながらミスが出て負けちゃったけど、明日の3位決定戦はなんとか勝って、メダル取って欲しいなぁ。
あとは昨日から始まった車いすテニス、レジェンド国枝選手、女子世界ランキング2位の上地選手は共に初戦順調に勝ったようだけど、これは期待だよなぁ。てかTVで放送しろよ!それと明日から始まるブラインドサッカー、6月に行われた大会ではけっこういいとこまで行ったんだよね。母国開催だからね。どの競技もがんばって欲しい。
てことでここんとこ、また今月初めと同様に、TVにかじりつく時間が長くなってます。まぁオリンピックよりは観たい競技は多くないんだけども、一方で民放はあまりパラリンピックを放送しないため、いつも見ているドラマやバラエティが、休止になったりしないんだよね。なのでそっちもこっちも観るとなると大変だ。
コロナで学校連携観戦の多くが辞退されてしまっているようだけど、この障害者の皆さんの活躍は、健常者の生徒・児童にはぜひ観て欲しいなぁ。共生社会に向けての教育的効果は大きいと思うよ。オリンピック開催前と同様、批判する声が多数挙がってたようだけど、これまた同様に、明らかに前向きな効果に対する想像力が足りてないと思う。何度同じことを繰り返すんだろう。
批判好きの人々は、自分たちが批判したからあの暴挙が中止になったという効果が生まれたと主張するけれども、それが本当に無謀であったかどうか、それによって獲得できたはずなのに失われた効果がどのくらいのものだったかは、中止になったらわからないからね。反対意見はとんがってる分鋭いから、必要以上の影響を及ぼすことをちゃんと考えたうえで、効果とロスとを、想像力を十二分に働かせて吟味してから、表明して欲しいもんだ。
こういうことになったらどうするんだ、責任取れるのか?って論理は、「今と変わらなければ責任を取る必要はない」という前提がある。パラリンピックを観に行かなかった子供たちは、将来障害者の方に電車の中で席を譲ろうとしないかもしれない。でもそういう若者が多いのは今も同じだから、それは責任を取るようなことではない、と。それでいいとはぼくには思えないし、そういう考えが事なかれ主義に繋がって、変われない日本を生んでると思うんだけどね。
競技会場に行けなかったとしても、視聴覚室でみんなで観るとか、家で観ることを推奨するとか、そういう取り組みはあってもいいんじゃないかなぁ。
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