今週は月曜日に、延びていたトイレのリフォームと、もともとこの日に予定されていた蓄電池の設置が、一度に行われた。
蓄電池導入の経緯を、あまり細かくなりすぎない範囲で書いておくと、そもそもは、我が家に太陽光発電を導入したのが9年前の8月末で、「FIT制度」ってやつの買取価格は、まだそんなに下がっていない37円/kWhだったのはよかったものの、その単価で買い取ってくれる期間は10年間だから、来年の9月までになる。それを過ぎるとまた新たにどこかの電力業者と買取契約を結ばないといけないんだけど、単価は7~9円程度に下がってしまう。
なのでその対策は考えないといけないとは思っていて、その有力な対策の一つが蓄電池導入だった。で、そろそろまじめに検討しなきゃなぁと思っていた今年1月、もう名刺とかも捨てちゃったんで業者名も忘れちゃったんだけど、飛び込みで地元の蓄電池業者が来たので話を聞いてみた。蓄電池とそのコントローラー(パワーコンディショナー=パワコン)にどんな機能があって、見積りももらったので大体いくらくらいかかるとか、各種情報をゲット。この段階で、昨今の電気代の上昇で、来年を待たずに今導入しても、どうやらメリットがありそうだということがわかって来た。
その後この業者にいきなり決めることはせず、この家のメンテナンスを建築した工務店から引き継ぎ、今回のリフォームも担当したM社に連絡して、相見積りを取ったのだが、この担当の大宮支店のS氏が、埼玉では蓄電池業界でそこそこの権威で、講演なんかも依頼されることがある人らしく、割愛するがもっと詳しい情報をいろいろ聞くことができた。また見積りもこちらの方が安かったので、それをさらに値切ったが、最終的にM社に発注することにした。
ちなみにネットで調べると、この手の業者の見積りよりも2割ほど安い金額が検索されるが、導入時の工事の質とか、その後の保守とかを考えると、ぼくはネット業者に頼むのは怖くてできない。工事を伴いその比率が高いものは、ネット最安値ってのは難しいよね。まぁこの辺の判断は人それぞれだとは思うけどね。
電気代の値上がりについては、近頃ニュースでも頻々と取り上げられているし、皆さんも身につまされていると思うのだけど、我が家は太陽光発電を入れたのとほぼ同じタイミングで、「半日お得プラン」という、購入単価が昼は高いが夜は安くなるプランに移行した。昼に家にいることが少ない家庭では、その方が圧倒的に有利で、我が家の電気代は一時、売電との差し引きで年間3万円前後まで下がったが、その要因は、太陽光発電導入だけでなく、この時間帯別料金制への移行による比率がかなり高かったと思われる。
このプランがその後東電本体から切り離され、「PinT」という新電力子会社が作られ引き継がれてからも、この購入単価は長いこと安定していたが、昨年から上がり始め、コロナを契機に在宅勤務が増えたことも手伝って、昨年には差し引き電気代が年間15万円台まで膨らんできていた。さらに今年4~6月ごろに向け各社から値上げの申請が行われて、東電は結局それほど大きくは上がらないことになったものの、「PinT」は、実際には蓄電池導入を契約した後に知らせが来たのだが、8月請求分(6月下旬使用分)から、約40%以上上がると言うことになった。
今回の値上げ以前は、昼間(9~21時)は段階料金制のため少しややこしいが、一番安い0~70kWhまでの使用分が、kWh当たり28.42円だったのが、今後は41.86円になると言う。そうなると、37円の単価で売電する意味は完全になくなってしまう。自分の家で発電した電気は、極力自分の家で使うべきだと。もちろん太陽光の発電分だけで家の電気全部は賄えないので、電気を買いはするが、それはなるべく夜間にするべきだと。夜間の料金も上がってはいるが、まだ売電単価よりは安いしね。
費用対効果を、本来はもっと細かい計算が必要なところおおざっくりだが、日中の電気を蓄電池で賄うものとして計算すると、今回の値上げがなければ投資回収に18年ほどかかるが、値上げ込みで計算すると約13年になる。さらに国から数万円と市から10万円の補助金が出る--県からも出る制度があるのだが、発表が去年より1ヶ月ほど遅れやがって、我が家は間に合わなかった--ので、それらも含めて計算すると12.1年だ。
太陽光パネルの寿命は25~30年、パワコンは10~15年、蓄電池本体は15年程度と言われる--パワコンおよび蓄電池の場合は、公称値の70%程度まで容量が落ちてしまう時期、ということのようだが--ので、今から12年で元が取れるのであれば、投資する価値はある。
それに加え、社会資本で発電する電気をなるべく使わないようにすると言う意味で社会貢献にもなるし、災害等で停電した時も、天気にもよるが最低1日くらいは自前の電源で電気を賄えるという、ディザスタリカバリーの意味もある。そんなことで蓄電池導入を決断した、というわけでね。導入するのは、オムロンのOEMで、我が家の太陽光パネルと同じ長州産業という会社が販売している、CB-P65M05Aという機種だ。
月曜日は朝8時過ぎからトイレの方で2人、蓄電池の方は5人ほどのお兄さんたちが来て、1日中バタバタと大変なことになったが、蓄電池では、1Fの玄関横にピロティー状になっている駐車場の一番奥に、電池本体--6.5kWhの容量で幅約50cm、高さ85cm、厚さは15cm弱しかない--とパワコン等3つのユニット、さらに1Fの納戸にもともと設置してあった太陽光発電のパワコン位置に分電盤を設置し、かなり複雑な配線接続が行われて、最後に小一時間接続変更のため電気が止まった後、夜7時ごろまでかかって工事が終わった。
火曜日にこれらの状況をモニタリングしたり設定を変えるサイトのアカウントを取り、マニュアルを読み込んで、一部設定を変えたりした。この設定--充放電の開始・終了時刻とか、最低・最大充電容量とかその他もろもろ--はなかなか奥が深く、まだ数日しか経っていないためどうするのが最適なのかよくわからないので、毎日ちょっとずつ設定をいじっていろいろ試してみている。
その過程で、なんか一部の設定値が勝手に変わっちゃったり、AI制御ってのがついていて、翌日の天気予報を元に夜間の蓄電量を調整するはずなんだけど、それがうまく働いてないように見えたりするので、もうちょっと様子見て初期不良なのか確認してもらうようお願いするかな。
ただ、晴れた日には昼の時間帯はほとんど買電はしていない様子はよくわかり、これはなかなか気持ちよい。今週はこの実績グラフを何度も眺めて過ごしていたので、節電しなきゃと言う意識が高まって、ぼくの書斎であるブースのエアコンを、何年かぶりに洗浄スプレーで掃除してみたら、なんかやたら冷えるようになった。時々はやらないとダメだね。
トイレの方は、1Fと3Fは本体の交換だけなので順番に古いのをはずし、途中何度か水道を止めながら、新しいのを設置して行ったが、2F(冒頭の写真)はカウンターや壁紙も交換するので、1Fに取り掛かる前にまず本体と旧カウンターをはずし、壁紙屋さんが来て壁紙を貼り直し、1Fの交換の後、カウンター等と本体が設置された。こっちは夕方5時過ぎごろまでで工事完了。
1Fと3FはTOTOのGG3、2Fは同LS1と言う機種で、いずれも除菌水やらなんやらで汚れが着きにくくなっているのは気持ちいい。まだ掃除はしてないのでどのくらいやり易くなったかはわからないんだけどね。水が飛び散らないように、流す時に蓋が閉まってから流れるよう設定を変えたが、こう蓋の開閉とか流すのとか自動化されてこれに慣れちゃうと、そうじゃないトイレに入った時に、流すのを忘れてしまいそうで不安になるね。
風呂が給湯器と連動できておらず、浴槽洗浄→お湯はりの連携がうまく行かない問題については、もう1本線を繋いでおかなきゃいけないのをできていなかったってことで、トイレ設置と並行してこの線を--後付けなので細いパイプを1本裏の壁に這わせることになり、ちょっとダサくはあるのだが--新たに繋いでくれて解決。
この給湯器と風呂の連動はM社ではそれほど施行事例が多くないらしく、やむを得ないところはあるのだが、それにしてもTOTOは、自分のとこはメーカー工事としてちゃんとやった、の一点張りで情報を出してくれず、給湯器のメーカーであるNoritzが、ひょっとしてその線を繋いでないんじゃないかとヒントをくれたためできたとのこと。なんかTOTOという会社の体質が見えたようで、ちょっと残念な気持ちになったなぁ。責任分界点を明確に定めているという意味では、マニュアル通りの対応なんだろうけどね。
火曜日には朝から足場屋さんがやってきて、1時間半ほどの作業で足場を撤去して行った。これにて今年の3大投資のうち2つ、足かけ2週間と1日かかった水回りリフォームと蓄電池導入が完了。いやいや、風呂もトイレもキッチン水栓も気持ちいいし、昼の買電は少なくなったし、よかったんじゃないでしょうか。
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