うちのバンドのベーシスト、みのりんが、自分のブログで、「健康」の各曲でどのベースを使ったとか、エフェクターをどういうセッティングにしたとか、詳細に書いているのを見て、一念発起して新しいシリーズを立ち上げることにした。題して「ドラムのシクミ」シリーズだ。
そもそもバンドをやろうってなって、誰しもまず手にする楽器はギターだ。それと、子供のころからピアノやエレクトーンを習っている人は多いので、何ができる?となった時に、キーボードを選ぶというのも自然な流れ。必然的に、バンドマンで人口が少ないのは、ドラムとベースとなる。
とはいえベースも弦楽器の1つ、スラッピングとか独特の弾き方はあれ、弦だとかピックアップだとかネックだとかヘッドだとか、基本的な構造はギターと変わらない。つまりバンドにはほぼ必ずいて、面積を最も取って、音も一番うるさいドラムという楽器が、素人にもバンドマンにも、その仕組みや構造を、一番理解されていない楽器なのです。
てことで、このシリーズは、ドラムのいろんなパーツとか、細かなしくみとか、調整の仕方とか、そんなことを書いてみちゃおうかという、とにかくディープな、一体誰が読むんだろうという内容になること請け合い。これを読んで、バンドマンの皆さん、そしてバンドをやってない皆さんが、少しでも「あー、そうなんだ」「へぇー」って思ってくれれば幸いです。なにせ「健康」の連中だって、昔自宅にドラムセットを持っていたみのりん以外は、ドラムのことなんてほとんど何も知らないしね。そんな実は日蔭者であるドラムをわかってくれる人が、少しでも増えてくれますように、ってことで。
でもぼくだって、ちゃんとドラム教室とか通ったこともないし、サークルの先輩や前に書いたいとこから、断片的に教わったことを、自分なりに組み立ててやっているだけなので、もしかしたらウソを書くかもしれない。なにしろ最大の問題は、昔はYD9000という当時の名器を持ってたとはいえ、今は生ドラムを持っていないってことだな。それじゃ言いたいことを写真で示そうにも困ってしまうじゃないか。まぁいいや、やってみましょう。
ということで、第1回はチューニングキー。
ドラムってのは、バスドラとかタムとかスネア、シンバルでできてるんだけど、実はドラムセットを買う時に、その価格のたぶん3,4割を占めるのが、ペダルとかシンバルスタンド、タムスタンド、ハイハットスタンド、椅子などのハードウェア類だ。これらがないと、ドラムは形を成さないし、これらの使い勝手の良さが、ドラムの叩きやすさに大きく影響する。
そして、タムはだいたいメープル(カエデ)かバーチ(カバノキ)で、スネアになると銅や真鍮なんかの金属素材もあるけど、そういう材料とか、大きさ、深さや作り方は昔からあまり変わっていない。ところが、これらハードウェアは、ぼくがドラムを始めた30年前からこれまでの間に、結構進化している。
なのでこのシリーズも、日蔭者のドラムの中でも輪をかけて日蔭者の、そのハードウェア類のことが多くなると思うんだけど、まず知っとかないといけない基本中の基本が、このチューニングキーという存在だ。
ドラムの調整は、タムやスネアの皮(ヘッドと呼びます)を締めるときも、ペダルなんかのハードウェアの各種調整をするのも、大きく場所を取っても問題がない部分に使われる蝶型のネジを除けば、全部この四角いネジで行う。
この四角いネジは、ドラム以外では使ってるところを見たことがない。普通ボルトとかってのは6角形で、なんでかって言うと多分だけど、角が多すぎると力をかけて回す時に引っかかりがなくなって滑っちゃうし、少なすぎると回す道具をはめる時に、はまる位置を探しにくくなる。そのちょうどよいバランスが取れてるのが6角形なんでしょう。んでドラムの場合は、見えない場所にネジがあるってこともないし、はまりやすさより締めやすさを優先して四角形になったんでしょうね。
このネジを締めたり緩めたりするのがこのチューニングキーで、ドラマーならチューニングキーを常に持ち歩いているのは当然だし、これがないと何もできない。チューニングキーって、だいたいドラムパーツを買うとタダでついてきたりして、ぼくは買ったことがないので、いくらするのか知らないけど、まぁせいぜい300円とか500円とかでしょう。こんな安いただの四角い穴があいた金属器具が、ドラマーの命運を握っているわけです(サクッと調べてみたら、こんなおしゃれなチューニングキーも売ってるんだね。ちょっと欲しいなぁコレ。ヘビメタの人用かなぁ?)。
ということで、もう長くなってきたので、第1回はこのへんで。次回はこのチューニングキーを使って、ペダルの調整ってどんなことができるの?って話になる予定です。
最近のコメント