この正月休み、28日が第4金曜日で、TsutayaのWカード特典で新作も半額で借りられる日だったので、あんまりこれだ!という目的の作品はなかったけど、5枚のDVDを借りてきた。その中の1枚が「The Bucket List」(邦題:最高の人生の見つけ方)だ。
この映画、気にはなっていたんだけど、余命宣告された老人の話と言うことはわかっていたので、せつない恋愛要素もないし、ぼくの嫌いな、死ぬことで安易に感動に一翻つける、いわゆる「死に物」式のお涙頂戴ではないのか、という疑いがあって、借りずにいた。
ところがこれが、見てるとずっと、かなりの回転率で借りられている。つい最近新作ではなくなったんだけど、そうなる前も後も変わらず、残り枚数がほとんどないくらいの盛況だ。漏れ聞く評判もなかなかいい。まぁじゃあ、あまり借りたいものもないし、観てみるか、てことにした。
ぼくは海外の俳優や映画監督にはあまり造詣が深くないので、ジャック・ニコルソンと言う名前は知っていたけど、出演作も観てるはずだけど記憶になく、モーガン・フリーマンという人は「ドライビング・ミスデイジー」という映画で名を成した名優だと初めて知り、ロブ・ライナー監督が約30年前に「Stand by Me」の監督をした人だと言われれば、ほー、そうだったんだ、と感心し、という体たらくなんですが、とにかくこの映画は『名画』だと思う。
以下ちょいとネタバレです。これから観ようって言う人は、この後3段落は見ない方がいいかも。
話としてはまずあり得ない内容なんだけど、でもこの脚本は実によくできている。展開に無理がなく、伏線と言うほどでもないけど、前半の仕込みが後で生きてきたり、老人同士の、互いに譲らない部分は頑固に残しながら共感するところはする、独特のコミュニケーションの感じが、見事に描けている。
キャラクターもものすごく立っている。自動車修理工なのにものすごいインテリの老人と、超セレブでものすごくセコい老人との、最悪な出会いからの友情の芽生えへのいきさつは、すごくテンポよく描かれ、双方とも余命いくばくもないにも関わらず、観てる方はなんとなく幸せな気分になる。
その後世界を旅する映像はこれまたすごく美しく、オチに至るまでのカメラの素晴らしさは、本当によくできている。死を扱った話なのに、展開が想像できるエピソードの積み重ねなのに、最後までほんわか暖かい気分にさせてくれる。
いやいや、この映画は観るべきだと思うね。いい映画が正当に評価されて、なかなか借りられない状態になってるってことは、なんか日本人に対して安心するね。
と言うわけで、みなさんもこの映画、観てみてくださいな、って話でした。
コメント