今日はまず昨日来た道を戻って、黄金崎からスタートだ。ここはその名前のとおり、夕暮れ時、赤岩の岬が金色に染まる時刻が一番美しいそうだけど、車を降りてすぐの場所から見える景観は、その岩と、岩に囲まれたエメラルドグリーンの海が、なかなかすばらしい。昨日の恋人岬ほど遊歩道は長くはないが、少し歩いて階段を65段上った先にある展望台まで行ったり、駐車場そばにある見晴台から海を覗いてみたりした。
混雑のため無料だけど駐車時間は1時間以内にしてくれと言われたこともあり、今度はここから安良里(あらり)の港の方向へ南下し、昨日の三滝と似て情報がなかなか取れず、車でどこまで入れるかよくわからなかった宣洞滝という滝まで行ってみた。
昨日の三滝とは違い、行く道の途中に採石場があり、ダンプが細い道を行き交う。その採石場を突っ切ってさらに上っていくと、昨日と同じような赤い欄干の太鼓橋があり、そこからハイキングコースが始まっている。
まだ車で行けそうだったので、橋を渡らずそのまま川のこちら岸をずんずん登っていくと、いきなり左側に大きな滝が現れた。ここはギリギリ1台分だった道幅が少し広がっており、1度の切り返しで車の向きを変えられるくらいの広さがある。
昨日同様、人っ子一人いないこの滝の滝壺のちょっと下流には、昨日とまったく同じ仕様の吊橋がかかり、これを渡っていくと滝のすぐ下まで行くことができる。滝はちょっと水量が少なかったけど十分な豪快さで、水量が多いと見事だろうなと思わせる。
カミさんに車を回してもらって、欄干の橋まで娘と2人で歩いて降り、そろそろ昼時となったので、採石場のほこりっぽさの中、車に乗って今度は田子に向う。
そして今日一番残念だったのは、楽しみにしていた田子の天狗寿司さんに行ってみると、店が閉まっていたこと。電話をしてみると老婆が出て、息子さんが亡くなったため続けられなくなって店を閉めたのだと言う。20年前に亡くなった祖父が贔屓で、そのころと、10年ほど前にも一度来て、親子で握ってくれた。最初に来た時とにかく美味しく、2度目の時は残念ながら鼻風邪をひいていてあまり味がわからず、今回は楽しみにしていたのになぁ。
仕方なく堂ヶ島の洋食屋さんで昼食にしてから、「蘭の里 堂ヶ島」の駐車場に停めて、 本日のメインイベント、船に乗ってのクルージングだ。堂ヶ島近辺と、洞くつの中に入ると一部天井に穴が開いている天然記念物、「天窓洞」だけを回る普通の遊覧船ではなく、伊豆半島をかなり南下して、西南部の絶壁や、大岩に大穴の開いた絶景、千貫門を海から眺められる高速船が、2時間に1本ほど出ている。
1時間ほどハイキングコースを歩いて時間をつぶし、いよいよ出航だ。 堂ヶ島付近の仙台松島のように小島がたくさん浮かぶ風景を抜けると、一気に加速する。最高時速55Kmほど出ると言うが、海上でこのスピードを出すと飛ぶような勢いに感じられ、最後部のデッキに座っていたのだけど、細かな水しぶきがはじける。
千貫門はその絶景に千貫払う価値があると言われその名になったとのことだが、この辺の陸地はかなり高い断崖なので、陸からはこんなに近づいて見ることができない。その絶壁も、映画で有名になった赤壁になぞらえて同名で呼ばれている場所は、船から見上げるとかなりの迫力だ。
またいろんな奇岩が無数に海上を彩っているのだけど、男女それぞれの性器に似ていることから、一対でご神体になっているというこの岩は、男性のほうはいまいちだったけど、女性のほうはかなりリアル。まぁありがちだけどね、こういうの。
サルで有名な波勝崎まで行って戻ってくると、今度は「天窓洞」にも入ってくれて、 50分ほどのクルージングが終わる。普通の遊覧船の倍の値段するけど、これはなかなか価値あると思うよ。
ソフトクリームを食べ、まだそのまま宿に帰るには早い時間だったので、宿のある浮島海岸から岬ひとつ越えた向こう側の、ここもダイビングの名所、田子瀬浜海岸まで行ってカミさんと娘を下ろし、ぼくは宿に戻って車を置いて、両側からハイキングコースを進む。
わずか1.7Kmのコースなんだけど、これが特に浮島海岸側からの登りがものすごくきつい。向こうからゆっくりとやってきたカミさん&娘に出会うころには完全に汗みずくになってしまった。 だけどこのコースも、随所で海岸の景色が素晴らしい。途中の小さな岬の突端で写真を撮りまくり、宿に戻って貸切露天風呂に浸かった。
いやいや、滝1つと、あとは思い切り西伊豆の海岸線を満喫した1日でした。長袖Tシャツの袖をずっとまくっていたら、腕がすっかり日焼けしちゃいましたですよ。
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