昨日今日といい天気でしたねぇ。気温もそこそこ上がって、久々に残暑らしい陽気だった。でも朝夕は涼しいし、空の青も薄く、秋の雲って感じじゃないけど少なくとも夏空ではなかった。今年は地球温暖化が叫ばれながら、なんだか夏が来ないうちに終わっちゃった感じだねぇ。こりゃあんまし紅葉の美しさは期待できないかな。
珍しく早く寝たので、午前中に目が覚めた昨日、近くの図書館までチャリンコで出かけた。日差しがまだみずみずしく気持ちがいい。
朝霞というこの街は、ご存知の通り自衛隊の駐屯地で有名で、年に一度の観閲式には、総理大臣がやってきて、その日ばかりは軍用機が編隊で空を飛んだりする。
その朝霞駐屯地は、朝霞駅から見ると幹線道路である川越街道、いわゆる国道「254」を挟んで反対側、東京都との県境付近に広大な土地を有しており、254沿いにある自衛隊広報センターと言う見学施設の住所は、明らかに朝霞市内であるにもかかわらず公には東京都練馬区大泉学園町となっている。
この朝霞駐屯地は、元米軍の朝霞キャンプ、通称「キャンプドレイク」の跡地に造られた。キャンプドレイクは、254の南側の広大な土地の他、254北側にもかなりの土地を持っており、これらは70年代に返還されたが、この北側の土地、まさに朝霞市の中心部となるこの地域には、一部に高校や公園や野球場、陸上競技場、体育館、図書館などが建設されたものの、まだほとんど--16haもの土地--が手つかずで残されている。
我が家のすぐそばから朝霞市役所の脇を通って大泉方面に抜ける県道108号は、このキャンプドレイク跡地を貫くケヤキ並木で、そのまま254を横切り、 自衛隊駐屯地のド真ん中をまっすぐに突っ切って大泉学園の高級住宅街の裏側まで達している。カミさんの実家へ行く時には、いつもこの道を通う。
この道は夜はナトリウムランプのオレンジの光に照らされ、個人的にお気に入りなんだけど、昼間も両側のケヤキの他、その手つかずのキャンプドレイクの雑木林、というかほとんど森と言っていいグリーンが気持ちよい。もっとも現在立入禁止のため、まったく手入れされていないので、ただボウボウに木が繁って、少し恐ろしくもある。
地元ではこの跡地利用を巡って、市民から選んだ100人のメンバーによる基地跡地利用計画市民懇談会が発足し、いろいろな議論が交わされてきた。最近はやってないけど以前にはこの地域から立候補した議員の公開討論会を行う会の代表なんてやっていたうちのカミさんは、この議論にも参加したりしていた。
その答申では、「自然を体験するための場所として活用」「防災の場合の避難地」などの意見が出て、せっかくの緑を生かした形での利用を求める声が多かったが、結局は市が国の意向に押し切られた形となり、高層の公務員宿舎が造られることとなった。青山の一等地で家賃数万円ってどういうこと?と批判にさらされた宿舎も、朝霞の家賃相場であれば批判をかわせるってことだろうか。
というわけで、金網フェンスに囲まれたこの雑木林を、何枚か写真に撮ってみた。午前中の日差しに照らされた明るい広葉樹林は、中には入れないけどなかなか悪くないでしょ。こんだけの緑が中心部にあるのって、東京23区に隣接する街としては多分唯一だよね。
首都圏は我らが北西部と常磐線沿線の北東部がただ2方向、比較的不動産価格が安くて住みやすい地域だけど、他にあまり自慢できるものもないこの街で、この緑はやっぱり貴重な財産だと思う。
公務員宿舎がどこにどんな形で建てられるのかは知らないけど、やっぱこの緑は極力残して欲しいなぁ。
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