絢香がやたらテレビに出ている。もちろんバセドー病治療に専念するため、音楽活動を休止する前の大活躍だ。しかし今年いっぱいやるはずなのに、こんな早い時期にこれだけPushするって言うのは、紅白を有終の美に、しかもあわよくばトリでも狙ってるんじゃないかっていう、エイベックスにやられっぱなしのワーナーの、あざとい戦術かもね、って勘繰ってしまう。
いや、ベスト盤が出たタイミングってことか。そりゃそうか。
だけどレーベルの商売がどうあれ、あれだけあらゆる音楽番組を総ナメにし、音楽番組のみならず来週は今評判の「A-Studio」みたいなバラエティにも出てしまう、出られてしまう彼女は、 やっぱすごい歌姫なんだよね。そういう意味では、そんな戦術ももしかしたら無謀とは言えないのかもしれない。
Superflyの時に書いた、シルバーウィーク中に見た「いいとも」でやっていた、 『歌がうまいと思う女性歌手ランキング』の20代~40代で、吉田美和と共に1,2位を寡占していたというのは伊達ではない。
なにせ--前週末の「Music Lovers」をいつも金曜の夜に観るんだけど--、「A-Studio」の予告を観て、その「Music Lovers」を観て、「ぼくらの音楽」を観たら、ずーっと絢香が出ずっぱりだったのでね。
でもどの番組でも、デビュー曲「三日月」を歌うんだよね。前に書きましたが、彼女のよさはあれとか「I Believe」みたいな曲より、コブクロとコラボした「Winding Road」をはじめとした、アルバム「Sing to The Sky」に入っていたいわゆるR&B系の曲たちだと思うんだけどね。
その「ぼくらの音楽」でのミスチル桜井との対談も面白かった。同世代のミュージシャンで、自分と近い歳の人がすっげーうまいと、悔しい、って思わない?ってので、絢香がものすごく同意して、逆に桜井に同じ質問を訊き返したら、スピッツのアルバムが出るたびにそう思う、と言っていた。なるほど。
それを聞いた絢香が、「そういうことをさらりと言える自分になりたいです」ってなことを言ってたけど、あれって、Superflyのことを意識してなんじゃないかね。
しかし彼女は、玉の輿に乗ったよね。いや、超イケメンを、とか金持を、とかってことじゃなくて、ホントに内面的にリッチなダンナを捕まえたって意味でね。だってあの記者会見、ここ何年かの芸能人の結婚会見の中で、一番カッコ良くなかった?同性の我々から見ても。
さらに今日の「ぼくらの音楽」では、以前の同番組でやった絢香と上原ひろみの共演を偶然、過去映像として再放送してくれた。これがまぁすげぇ演奏だ。去年録った時はまだ地デジ対応してなかったんで、ハイビジョンじゃなかったはずだから、こいつは嬉しいや。
上原ひろみはやっぱすごい。彼女はほんとに、ただのテクだけじゃなくて、いろんな意味でバックがリッチと言うか、音楽と言う学問に対する知識や造詣の深さっていうバックグラウンドもすごいと思った--さすがバークリー音楽大学ジャズ作曲科首席卒業!--し、このときの演奏のバックミュージシャンもカッコよかった。
曲目は「おかえり」という、サビが基本的に能天気な4コード回しのシンプルなR&Bなのだけど、彼女が入るや、歌のバックでは目立たずにオンタイムのリフを弾きながらちょっとしたオカズで存在感を表したかと思うや、ソロパートではテンション使いまくりで、あっという間にJAZZになる。単音のソロでも、ものすごい指の力の強さで、圧倒的な迫力だ。
ドラマーは坂田学さんと言う、あの狂気のサックス奏者坂田明を父に持つ若手実力派で、時々スネアがため気味?でも、上原ひろみのソロと共に盛り上がって行く場面では、これまたすんごいテクで彼女とシンクロしていく。
ソロが終わって、いわゆるDメロがあって、それからサビのリフをピアノとボーカルだけで聴かせる場面が来るのだけど、ここでところどころ、絢香とアイコンタクトしながら見せてくれる4コード以外への展開が、これまた適度でかつカッコいい。
この曲は、昨年の「FNS歌謡祭」でライブ演奏された映像も以前に「ぼくらの音楽」で放送されたけど、客席で見つめるミュージシャンたちがみな大盛り上がりしていた。なんかこういう、もはやまさに世界的と言えるアーティストとかアスリートが出ると、ホントに日本人として誇らしい、ってな気持ちに勝手になってしまう。
今週の「A-Studio」は総集編で、コメンテータとして水嶋ヒロがビデオ出演していたけど、来週のゲストが絢香ってことは、おそらく彼女が知らないところで彼が何かコメントを言ったりする場面があるのかな。彼女が大粒の涙を流してるシーンが予告編で放送されていたのでね。ちょいと楽しみです。なんかおいらもミーハーだなぁ。
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