「まぁまぁの出来だったんじゃないの?」なんて先週、軽口を叩いてしまったライブだけど、実際観てみないと、本当に出来がよかったかどうかはわからない。ライブ当日、帰ってきた深夜にも、ちょっとだけ観たけども、当日はテンションが上がってるから、正しく評価できないだろうしね。
ライブ明けの翌日、Twitterでみのりんにほめられた。30年以上一緒にバンドをやっていて、たぶん初めてのことだ。だけどこれとて、ライブ翌日だとまだテンション引っ張ってるからなぁ。気持ちを緩めてはいかん。
というわけで昨日夜、極力客観的に、冷静さを保って、先週のライブを観てみた。
演奏云々の前に、まず気づくのは、今回のライブのハコ、赤坂のMOVEは、着席だと50名くらいかな?ライブハウスというよりはスタジオの少し大きいの、っていうのに近い大きさで、ビデオカメラの設置場所がPA卓のステージに向かって左端にあるぼくの身長ほどの木の台くらいしかない。
従ってやや左からステージ全体を捉えてるんだけど、事前にアングルを決めたときに、お、これだと通常センターのボーカリストの陰に隠れてほとんど見えないドラマーがけっこう映るかも、と期待していたら、なんと!みのりんの愛機、オーダーメイドの5弦ベースMinorin Customのヘッドが、ちょうどぼくの顔の位置に来てしまい、結局みのりんが通常位置から動いたときだけしか映っていないじゃないか。うーむ、まぁこれが、ドラマーの宿命だよね。
さてさて、そんなことより演奏だけど、みのりんが「気持ちよかった」と言ったテンポが、やっぱどうもちょっとずつ速いですな。これがステージの魔力だねぇ。全然そんな風に思ってなかったのに。でもいつもみたいに突っ込みまくってるカンジはないから、まぁよしとするのかな。曲の途中でテンポが変わっちゃったりする箇所も、あまりなかったしね。
今回はテンションが上がり過ぎないように、いつもは飲んでいたリポビタンシリーズとかユンケルとかにんにくの力とか、そういうのを飲まずに臨んだからねぇ。これでもテンポアップしちゃうとしたら、あとは酒を飲むくらいしかないけど、殊に老境に入って弱ってきたリズムキープのこらえ性が、酒飲むとますます吹っ飛んじまうからなあ。
そして音だけど、まぁ楽器間の音量バランスは全体的に悪くはないんだけど、家庭用ビデオカメラSONY HDR-CX370Vの貧弱なマイクで録ってすら、低音がかなり強めに出ている。ブーランが途中であまりにもベースがでかくて歌うのをやめ、やり直した「またね」という曲があったくらいだからね。
狭いハコだけにドラムはバスドラに1本の他は、トップのマイク1本だけで拾っており、これだとさすがに、バスドラの音が強調されちゃって、それ以外の音、特にタムが聞こえにくいし、ハイハットやトップシンバルで一生懸命やっている小技が、あんまりわからない。
先々週買ってきた新兵器、8インチSprashシンバルも、バラードとか静かなところではいいけど、そうじゃないとあまり聴こえない。これは何とかして欲しかったなぁ。
あと、これはやりながらもちろんわかっていたんだけど、やっぱけっこうミスってるよね。まぁ元々オリジナルなんだから、ミスったところで誰にもわからないんだけど、リハのときは意識せずに普通にやれてるのに、本番になると思いもしなかった場所で、やるべきことが頭から飛んだりするんだよね。
しかも顔に出さなきゃいいのに、失敗した瞬間に「しまった!」って顔するので、あ、ミスった、とわかってしまう。Minorin Customのヘッドに隠れてあんまし映ってないにもかかわらず何度もやってたから、実際は相当な回数ヘクってたんでしょうね。
これはぼくに限らずブーランもそういう場面が何度かあった。やっぱライブのときは、もっと常に楽しそうにやらないとダメだよね。学生のころは人から「ホントに楽しそうにドラム叩いてるね」ってよく言われてたのになぁ。取り戻さないとね。これは。
まぁでも、次の年男は還暦って言うわれわれの年波にしては、相当元気な演奏してるよね。特に最後のコピー曲「I Saw Her Standing There」、これは実は、学生のころの「健康」がアンコールでやってたアレンジをそのままにやったんだけど、30年経ってる割には、かなりの勢いを感じられる。なんか自分たちの体力とかに自信持てるよね。いやこの歳になると、そういうことって大事なのよ。
てことで、いろいろ気になることはあるけども、全体としては悪くないライブだったんじゃないかな。「健康」が6年前に復活し、3年前の末からライブを始めて4度目だけども、その4度の中では、間違いなく一番よかったと思う。
特にブーランの学校の学生たちを中心に、70名ほどのお客さんが、半分くらいはスタンディングで申し訳ない状況だったにもかかわらず、ものすごく盛り上がってくれたこと。これが嬉しかったなぁ。ステージの後ろにいるドラマーからはよく見えない・聴こえないことも多いんだけど、一緒に歌ってくれたり、手拍子したり、「手」の身振りをしてくれたり、そういう様子がよくわかって、あらためて感動。なんかプロのステージにちょっとだけ近づけた感じ。
なにせ彼らにとっては、いつもすまし顔で--なのかどうか知らんけども--授業をしているブーラン先生やマキゾエ講師が、こんなアホでファンキーなバンドをやっている姿が、ものすごく斬新なんだろうね。そりゃそうだよね。自分が高校の時とかの先生たちって、いまのぼくらの年齢くらいの人が多かったと思うんだけど、その先生たちがこんなバンドやってたら、そりゃ盛り上がるでしょ。
バンドのみんなが、またすぐやろうよ、今度はもうちょっと大きいハコで、って言ってるってことは、やっぱみんな楽しかったんだよね。
というわけで、現在次のライブの日程を調整中。8月か9月ごろにやる方向で考えているので、今回来られなかったみなさん、ぜひ来てくださいませ。
今日はメンバー全員分、DVDを作り、100均で封筒とスリムケースを買ってきて、夕方メール便で送った。5枚ほど余計に作ったので、次回来てくれようと思っている、ぼくの知り合いの方先着5名様にお譲りしましょう。このブログにコメント書くか、メールかTwitterでメッセージいただければ。なんちゃって、全然欲しいっていう人いなかったりしたら寂しいなぁ。
>Minorin Customのヘッドが、
>ちょうどぼくの顔の位置に
そうか。それはすまんことをしたが、こればっかはどうにもならん。やっぱ、奥さんとか来れる日にライブやらんとね。
>やっぱどうもちょっとずつ
>速いですな。
そりゃあそうでしょ。新陳代謝が上がれば世の中のテンポが遅く感じる(=自分のテンポが早くなる)のだよ。だから、……
>いつもみたいに突っ込みま
>くってるカンジはない
これがいちばん大事だ。
練習では突っ込むか、モタるかっつー両極端の感じがあったんで、ちょっと危機感抱いて例のCDを送りつけたんだが、ブーラン出張中とかにずいぶん鍛錬してたらしい成果がはっきりと感じられて、非常に嬉しかったよ。
DVD到着が待ち遠しい。
>なんか自分たちの体力とか
>に自信持てるよね。
小生も、病み上がりだけに、とくにそれが嬉しかった。次回も元気でいきましょう!
投稿情報: みのりん | 2010/05/30 01:54
わずか10日ほどだったけど、下半身を鍛えたのと、あとは自宅
での汗だくの練習、そんなに長い時間ではなかったけれど、
今回はいい感じで上げてって、ライブ本番にタイミングを合わせ
られたみたいだね。
みの先生にご満足いただけたことが、何よりすばらしいっすよ。
普段なかなか厳しく辛辣な影のバンマスだからねぇ。
投稿情報: Tacovo | 2010/05/30 03:32