毎週Tsutaya朝霞店が旧作半額になる火曜日、今週は火曜日に旅から戻って、しかも前回書いたとおり体調がボロボロだったので、行くつもりだったのにDVDを借りに行けなかった。まったくDVDを借りない週末って言うのは、実はけっこう久しぶりだ。週末これといった予定がなければ借りてくるのが普通なので、今日は珍しく何しようかなー、という時間ができた。
一昨日と月曜日、続けてリハがあって、その次はもう本番前日と言う、やむを得ず大胆なスケジュールとなっている我がバンド「健康」。一昨日はとにかくノリよく、重くならず、をテーマに、スネアをためずに、自分の感覚で言うと「容赦なく」叩くことを心がけて練習して、まぁまぁそれなりにできたのではないかと思え、前回よりちょっと気持ちよかった。
んで昨日の夜、ふと思いついて、シンバルがもう1枚、欲しくなった。一昨日のリハは、ブーランが副校長を勤める音響関連の専門学校が、新たに改装して作ったミニライブスタジオで行われたのだけど、そこに設置してあったLudwig(ラディックと発音する)のドラムセットについていたシンバルが、高いものではないのだけどやけに鳴りのよいのが揃っていて、その中でぼくが使っている安物のミニチャイナシンバル--後で説明しますね--の音が目立たなかった感じがしてしまった、ってのがあってね。
そう言えば明日は時間あるから、ビデオカメラの少し大容量のバッテリーをどうせ買わなきゃならないことだし、シンバルを買うならついでに行けるやと、珍しく池袋まで出かけることにした。
シンバルって一言で言っても、いろんな種類がある。大きさ、厚さ、形、材質、成型のしかた--そんなに詳しいわけじゃないけど解説すると、金属のカタマリを叩いて延ばしたものと、針金を蚊取り線香みたいにぐるぐる巻きにしていって、くっつけて固めてこれを叩いたものと、大きく2種類ある--などが様々で、主な世界的メーカーはZildjian(ジルジャン)とPaiste(パイステ)とSabian(セイビアン)くらいなんだけども、それぞれがいろんなタイプを出してるから、とにかく多品種少量生産の代表選手みたいな代物だ。
形、ってさっくり書いたけど、通常は正円形のシンバルなのだけど、珍しい8角形のタイプがあったり、大きな穴があいてるものがあったり、小さな穴に短いビスが10本ほどぐるりとはめてあって、叩くとこれらが振動によってしばらくシンバルを鳴らし続けることで、サスティーンを長くするヤツがあったりする。
上で書いた「チャイナシンバル」って言うのは、シンバルの縁の部分が途中から折れて逆に反っていて、叩くと派手な"ガシャーン"というインパクトの強い音がするタイプで、ぼくはこれの10インチくらいの小さなタイプを、ここぞと言う強調箇所に使っている。ぼくのドラムを特徴づけていると勝手に思っている、どうしても必要なアイテムだ。
今はそういうものが楽器屋で簡単に手に入るからいいんだけど、学生のころはそんな変わったタイプはなかなか売ってなかったし、金もなかったので、縁が割れたシンバルを、割れた部分の内側が残るように金切りバサミでがんばって切って、これを金槌でがんがん叩いて、なかなか素敵なインパクトの音が出る一品を、自作したりしたものだ。
上で「目立たなかった感じ」って書いたけども、実はそれは普通のライブハウスにあるような一般的な製品のドラムセットの中でならそんなことはないだろうと言うことは、過去の経験からそれなりに自信があるからいいんですよ。もう1つ買おうかと思った理由があって、それは、チャイナのようなインパクトはなくても、すごくハイピッチでサスティーンの短いクリアな音を出すシンバル、一般に8インチ以下の小さなもので、「Splash(スプラッシュ)シンバル」と呼ばれるタイプの音が欲しいなぁと思ってしまったってことで。
ちなみにシンバルの用途は大きくは3つあり、普通のドラマーなら物理的な1枚1枚のシンバルごとにその用途を分けている。製品もその用途ごとに作られている。その3つとは、主に縁を叩いて、Aメロ、サビなど曲の構成要素の最初の一拍目に、"ジャーン"っていう音を出す「クラッシュシンバル」、スティックの先でシンバルの上を連続して"チンチンチンチン...."と鳴らす「トップシンバル」、それと2枚のシンバルを重ねて開いたり閉じたりしながら鳴らす「ハイハット」の3種類で、通常のクラッシュは16インチ前後、トップは20インチ前後、ハイハットはほとんどが14インチだ。
Splashはもちろん「クラッシュシンバル」の一種だけど、その小ささと音色に特徴があるので、敢えてそういうジャンル名称で呼び習わされている。Chinaも同様で、形が際立っているので、これも敢えて、のジャンル名称持ちだ。
「健康」が約2年前に作ったCDのレコーディング時、よっぽどの人でないと気づかないと思うけど、実は2種類のミニシンバルを、同時にではなく曲ごとに別々に、使っていた。1枚は上記のチャイナで、もう1枚は、同じチャイナでもここ何年かで出てきたもので、反り方が鋭角ではなく中心から全体に反っているタイプ。こいつは、ブーランの学校のスタジオのドラムセットの補修を依頼されたときに、予算に少し余裕があったので買わせてもらったもので、普通のチャイナより澄んだきれいな音を出す。チャイナとSplashの中間みたいな性格のものだ。
んで、やっぱこういうきれいな音を出すヤツが、今回たまたまバラードやファンキー系ではない曲が多め--特に「大きな歌」っていう「健康」では数少ないアップテンポでふざけてない曲で、使いたい箇所があってね--なこともあって、ライブでも欲しくなってしまった、ってわけだ。
久々に池袋のP's Parcoの7Fにあるイシバシ楽器に行ったんだけど、シンバル選びって、いろんなのを叩かせてもらっているとだんだん訳がわからなくなってくるんだよね。
Splashにもいろいろあって、軽くて抜けのよい"シャン"、っていう音を出すものと、もう少し金属を、というか極端に言えば鐘を叩いたときのような、"カーン"っていうような音の要素があるものとがある。これらは多分、厚さによるところが大きいように思う。んでまた、そういう生音を間近で聴いたカンジだけでなく、ライブとかで通りがいいかとか、他のシンバルとのバランスはどうかとか、ってのも気にしなきゃいけないので、ますます訳がわからなくなってくる。
結局、ZildjianのZBTという廉価版のラインナップのヤツが、もともと想定していたのよりは"カーン"っていう音の要素が強いのだけど、いいカンジで際立ってくれそうだったので、これを買うことにした。5,145円だから、一般的な製品の半額弱ってところだ。これをセットするための、シンバルスタンドのアタッチメント(地面から立ってるシンバルスタンドの途中に取り付けて、枝分かれさせて別のシンバルをセットできるようにするものね)も一緒に買う。
店では同時には叩いてみることはできなかったけど、家に帰ってから所有しているミニチャイナと並べて叩いてみると、まぁまぁ悪くない組み合わせではないかと。あとはぼくのもう1枚の個人所有のお気に入り、Zildjian A Customの16インチThin Crashシンバルとや、その他全体とのバランスがどうかなだな。月曜日のリハで確かめてみよう。
なんてやってると、またセッティングの時間が長引いちまうんだよなぁ。これだけはスタジオ入りするときのドラマーの宿命だよなぁ。バンドの皆さま、少しお待たせする時間が伸びてしまいますが、ご了承くださいませ。
この記事、久々にドラムのちょっとマニアックな話に触れたので、長らく書いてなかった「ドラムのシクミ」にカテゴライズさせていただきますね。
ラディックはLudwigだよ。(笑)
投稿情報: みのりん | 2010/05/09 06:15
あらま。大変失礼しました。
投稿情報: Tacovo | 2010/05/09 16:34