珍しく久々に仕事がらみというか会社がらみの話題になるけど、昨年12月に新築の「代官山デジタルゲートビル」に移転したうちの会社の9Fに作った大会議室、これが予想外の人気で、総務担当としては嬉しくもあり大変でもあり、なかなか複雑な心境だ。
この大会議室、普段は9つの会議室に分かれて普通に会議や応接に使われているんだけど、この9部屋の壁がすべて可動間仕切りになっていて、壁を動かすことで、2部屋続きキャパ60席から、100席、200席、そして9部屋全部をつなぐと300席の中~大会議室になると言う仕掛けになっている。
この可動間仕切りはオカムラ製なんだけど、ありそうで意外にないこの仕掛け、オカムラさんでもこれだけ大規模な可動間仕切りはほぼ例がないということで、その設計には専門のエンジニアがついて、社内でもそこそこ注目のプロジェクトだったらしい。
可動間仕切りといっても、もちろん電動で動くわけではないから、大会議室にして使うときの設営は、それなりに手間がかかる。最近はだいぶ熟練してきたので、時間は短縮されたけど、各会議室のホワイトボードとかの設備をバックヤードに片付け、椅子を引き出して設置し、という時間も含めると、300人の部屋 の設営には、やはり1時間はかかる。
社内だけで大会議室にするケースは、全社会議とか顧客をお呼びしてのセミナーとか、まぁ平均的には月に4,5回程度なのだけど、その他に関連企業からも要望があるので、有料でお貸ししている。価格をかなりリーズナブルに設定していることもあってか、こっちがまた月に4,5回ほどあるので、平均月に10回ほど、設営してはバラし、を繰り返している。お手伝い要員を出していただくことを条件にしているとは言え、総務担当としてはなかなか大変だ。
そんな大会議室を利用した、ちょっと珍しい催しが、昨日の夕方行われた。ウチの社長と昔から付き合いの深い映画&ミュージックビデオ監督である、中野裕之さんが、デビュー30周年を記念して発売する「美しい惑星」という短編映画の鑑賞会だ。
中野監督は、昨年は小栗旬主演の「Tajomaru」を発表したが、もともとはCMやミュージックビデオ出身で、今井美樹の「Pride」をはじめ、ミスチルやドリカム、サザンなどのPVを手がけた名匠だ。
「Tajomaru」は興行的にはいま一つだったけど、ぼくはDVDで観て、これはなかなかすごい映画だと感じた。昔の黒沢の「羅生門」のノリを濃厚に残し、ダイナミックな殺陣を加えた、懐かしくも新しい時代劇エンタテインメントだった。
この中野さんは、ウチの社長との関係から、わが代官山ビルの中に、Open N/W Lab Creative Roomという形で拠点を持ち、ここは“見る側にピースな気持ちにさせる映像の追求”を目的に立ち上げた団体ピースデリックの本部も兼ねている。
社内でちょっとしたPRビデオを作ったりするときも、少しちゃんとしたものが作りたいときは、中野さんにお願いして作ってもらう。「Tajomaru」をはじめ多くの作品に出資したり、一部のマネジメント業務というかお金のやり取りの管理的なものも、うちの会社のスタッフがやっていたりする。なので週に多分2,3日は、テンガロンハットを被った姿を、ぼくの働くフロアでお見かけする。
そういう関係の中野さんが、10年来撮りためたハワイやタヒチなどの太平洋の島々の大自然の映像をまとめたのがこの「美しい惑星」で、その映像の上映会と、30周年記念パーティーを合わせた催しが、その大会議室で行われたわけだ。
ぼくは他の仕事で行けなかったんだけど、もれなくその映画のBDをおみやげにつけて5,000円のその上映会には、芸能界の方をはじめ、スタッフのご家族や、申し込んだうちの会社の社員が多数参加した。この映像はぜひ観たかったぼくは、ちょいと裏から手を回してこのBDの試供品を入手し、家の大画面で観ることができた。
これがねぇ、ジャンルにはめるとしたらいわゆる環境ビデオ、BGVというヤツなのだけど、そんな枠にはまらない、すばらしい映像なのだよ。後ろで流すと言うよりは、すごく積極的で、中野さんの美意識が詰まっている。幅数キロにわたりいっせいに打ち寄せる波とか、信じられないような高さの滝とか、六角形の光芒を放つ夕日とかが、次々と空撮で映し出される。
これだけ説得力があるのは、ハイビジョンだからかなぁ?
いやいや、音もいいんですよ。テイトウワさんとか岡野弘幹さんとかの音楽が、48KHzのPCM音源で入ってるんだけども、これがいい音なのよね。昔(っつーか今でもか)BS放送でBモードステレオ放送って言うのを48KHzでやっていて、これがめちゃめちゃ迫力ある音だったことを思い出させる。なんで通常のCDの44.1KHzと大した差はないのに、こんなにいい音になるんだろう。すんません、知識不足のため、どなたか知ってる方教えてください。
いやだけど、こういう映像を撮る監督と、親しく付き合っているうちの社長の審美眼が嬉しくなる。芸術家だけに、事前に打ち合わせた会場のセッティングを、当日まるっきり変えてしまったりして、ぼくの部下がほぼ1日、つきっきりでいろいろお手伝いとかをせざるをえなかった、ってのはあれね。
このBD、普通には売ってないのかしら。っていうかその辺のことはホントは仕事上知ってなきゃいけないのよねワタシ。すんまそん。入手できるのならぜひ入手してください。その価値あると思うよ。コチラのTrailerを観てみてね。
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