昨日から一日早くお休みをいただいて、信州上田とその近くの別所温泉に、一泊ででかけてきた。カミさんの両親の金婚式を記念して、多分初めて、カミさんと義弟2人で宿泊代を負担してのご招待旅行だ。
ところがねぇ、この3兄弟が揃いも揃ってみごとに、旅行の計画を立てたりだの、宿やら食べるところやらを調べたりだの、予約したりだの、ってことがまるっきり不得手な人たちなのよね。温泉旅行に両親を招待すると言うことと、末弟が長野の上田で仕事をしており離れられないので行き先は上田だということを決めたっきり、あとはぼくがやってくれるだろうとタカをくくって、出発2日前になってもまるで何もしない。
末弟の方はまだマシで、自分の地元の上田に招くのだから、何を見せてあげようとか彼なりにいろいろ考えていたり、店探しで大した店じゃないけどあそこに行こうかとか言ってくれるんだけど、次弟の方はひどいもんで、自分はその場でアドリブで盛り上げる役と割り切って、事前の計画にはまったく加わらず、とにかく明るくその場を仕切る。
しかも小憎らしいことにその盛り上げ能力はさすがで、おいしいところを全部持っていく。これだけははっきりしてるけど、世の中には「させる人」と「させられる人」がいるよね。往々にして才気煥発な人ってのは後者なんだけど、偉くなったり名をなしたりする人は前者であることが多い。「よきにはからえ」「ハッ」ってやつね。"殿"の代表選手TVのプロデューサーは、ああでなければ勤まらない。
今回は最初の宿の予約はじゃらんNetでぼくがしたものの、あとは絶対に手は動かさないぞと心に決め、2日前にカミさんが「ねぇ、どこで待ち合わせるの?」と、それも次弟のカミさん--これまた絵に描いたような組み合わせのしっかり者--に問い合わせを受け、ぼくに訊いてきたんだけど、だって君たち兄弟がご両親をご招待するんでしょ、今回はオレは何もしないぜ、と突っぱねてやった。
それでも何もしないばかりでなく、お父さんが意地悪言うと娘に訴えたりするので、仕方ないから結局、食べログの上田・別所温泉地域のランキングで3位、"間違いない"と食べログ編集長自身が言うラインである3.6点ちょうどのそば店、「草笛」で待ち合わせすることに決めてやり、宿代の精算のための各家負担額を計算してやって、これをメールで送れ、とメモって渡してやった。
ちなみにこのメモは、結局事前には伝えられることはなく、当日行きの車の中で、両家--というか末弟の方はまだ未婚なのでソロなのだけど--に、カミさんが携帯メールでその内容を伝えようとして家に忘れてきたことに気づき、仕方ないのでその場でぼくが覚えていた総額を言い、娘が携帯の電卓機能で再度計算し、それを送ると言うテイタラクに陥る悲しい運命をたどった。あまつさえカミさんは、なんでメモで渡すのよ、メールで送ってくれれば画面で見れたじゃん、とオイラをなじる。ひどいと思いませんかこれ?
関越道-上信越道の、カミさんがこれまた無駄にごちゃごちゃいちゃもんをつけた事前調査による渋滞ナシ予測の通り、最終的には予定の12時半より15分ほど早く「草笛」に着いた。車で5分の距離に住む末弟を、これまた忘れてて着く寸前に呼び出し、義父母、次弟の家族4人、末弟、うちの家族4人の総勢11名様がやっと揃う。
この店のそばは確かに美味いのだけど、もっとちゃんと食べログの書き込みを見ておけばよかった、軽い気持ちでとろろそばの大盛りを頼んだら、普通のそば屋の大盛りの、少なくとも4人前くらいはある大量だ。末弟は当然この店の量がハンパじゃないことは知っていたようだが、なら注文前に言ってくれよ。息子に1/3ほど食わせ、死ぬ思いでとにかく全部胃袋に収めたが、この日は夜もご馳走だったのに、その時まで異常な満腹感にさいなまれることとなった。味はよかったのはいいんだけどね。何せ地元の、常連と見える家族連れは、この大盛りを3人がかりくらいで食べてましたから。
宿はこれまたじゃらんNetで口コミ評価最高点だった、「玉屋旅館」という温泉宿だ。ここに決めるのだってひと悶着あったんですよ。今度はその3兄弟に「させる人」の血を供給した、これまたそうでないと勤まらない映画監督を生業とする義父が、この宿は前に泊まったけど、風呂場までの通路が寒くて云々と横槍が入り、じゃあ他のとこを選びますかと候補を挙げ、結局やっぱ「玉屋」が別所を代表する宿だからと、そこでいいと言うことになり。
んで実際に宿についてみたら、あれ?あの宿と違うなこれ、建て替えました?引っ越しました?と問い詰めていった結果、実際には前に泊まった宿ってのは別の場所で、今回の「玉屋」のほうがその前に泊まったとこより今や1ランク上の宿だったってことで、なんだ、よかったじゃんと言うことになり。
ぼくってずいぶんひどい仕打ちにあってるよね?客観的に見て。
この宿は@16,500~17,000なのだけど、きれいだし、風呂もいいし、飯もいいし、かなり申し分ない宿でございました。昼のそばの満腹が癒えないままに、牛ステーキや生牛肉のすし握りやふぐのてんぷらやといったご馳走に突入し、もう死ぬかと思うほどの胃袋になった。いわゆる旅館飯よりはよほど上品で量も少なかったんだけどね。いやしかし味は本当に申し分ない。
それから11人で大UNO大会だ。"ドボン"ありの我が家ルール(裏磐梯旅行の記事参照)でやるんだけど、さすがに11人も参加すると、普通にカードを出し切って上がることなんてほとんどなく、とにかくいかにドボンで上がるかの勝負になる。しかも上がった時点での他の10人の持ち札の合計点が、上がった人間に一人勝ち状態で加わるため、一発上がれば大逆転の可能性のある、一番下が中学生の姪っ子のいる場とは思えない、すっげーギャンブル性フル満タンの大勝負だ。
25戦やって、義父がトップ、義母は一度も上がってないのに、やはり一度も上がってない、ここでもやはり「おみそ」のカミさんを大きく引き離してブービーメーカーと、それなりに今回の主役である義父母が際立つ結果となった。
今日は朝風呂に入り、チェックアウトして、別所温泉そばの国宝、安楽寺にある三重塔や、常楽寺にある重要文化財、石造多宝塔などを見て回る。地図を見ながらの道案内はすべてワタクシ、後ろからただぞろぞろついてくる集団の中心でしょーもないことを言って盛り上げる次弟。
時間が前後しますが昨日別所温泉に来る前に、満腹の腹を抱えて上田城を観に行った。ここは言わずと知れた真田家の本拠地、幸村ばかりが"歴女"にモテモテだけども実際にその際の戦闘の指揮を執った父昌幸が、2度にわたる徳川の大群襲来を退けた、伝説の城だ。
だが義父と、わずかに地元民である末弟意外、そんなことを知る由もない3世代は、由緒いわくもわからない石垣の大石やら、数々の見所の前に並び、意味もわからない記念写真を撮って歩く。幸村+真田十勇士の計11人の「顔入れ記念写真ボード」に、全員がぴったりと納まって撮った写真は笑えたけどね。
別所温泉の名所旧跡はそれなりに厳かなもので、チェックアウトを遅めにしてダラダラ歩きで観て行ったら、12時半くらいにすぐなってしまった。しかも時折晴れ間も見えたものの、朝から舞っていた粉雪が、昼ごろにはそこそこの降り方になってきた。
なので末弟が時々行くと言う、別所温泉から上田市街への帰り道にある中国人経営の四川料理屋で昼食にし、2時半ごろにはお開きにして、雪が斜めに降りつける上信越道を帰ってきた。眠いので関東側に降りてきて空っ風のピーカンになってから、息子に代わってもらった。こういう時は息子が運転できるってのは便利だ。
夕方6時前には家について、今日は早い時間からまったりできました。あーあー、ワタクシは幸せでございます。ちなみに冒頭の写真は、「玉屋旅館」の、女子には浴衣を自由に選んでもらえるサービスを利用し、左から次弟の嫁、中学生の姪っ子、ウチの娘、カミさんが並んだ風呂上り記念写真でございます。
てことでいろいろと言いたいことはある、でも考えてみればもう20年以上も続けてきてしまったこの各々の役回りは、もう一生変わることはないであろうことを痛感した、義父母の金婚式記念温泉旅行でございました。長くてスミマセヌ。
お蕎麦、おいしそう‥!
投稿情報: まーこ | 2011/01/07 23:27
おいしいのはよかったんだけどねぇ...
投稿情報: Tacovo | 2011/01/07 23:31