今年は15日が月曜と言う、お盆休みが分散するパターンの日取りで、震災のための一斉休み等もあり、ピークが予想しづらいなか、息子の休みに合わせて、17日から3日間の夏休みをもらって、志賀高原に行って来た。娘が受験なのと、カミさんが仕事を入れてしまったことがあって、1泊だけの小旅行だ。
とにかくなるべく標高が高くて、緑の中を歩ける場所に行きたかったんだよね。1,000mくらいではまだまだ暑さから逃れられないので、1,500mは欲しい。そのくらいの標高があって、近場で高原らしい森や湿原がある場所っていうと、結構限られてくる。奥日光か尾瀬か美ヶ原か、そしてここ志賀高原くらいしかない。
前日に「健康」のリハがあって、帰りが遅かったのもあって、朝は普通に7時半ごろ起きて、ゆっくり出かけたんだけど、事故で数キロ以外はほぼ渋滞することなく、上信越道の碓氷軽井沢で降り、旧軽井沢から白糸ハイランドウェイ、鬼押ハイウェイと走って、12時ごろには鬼押出しの入口にあるひなびた蕎麦屋で昼食にする。
そこから万座鹿沢口駅横を通り、万座ハイウェイから強烈な硫黄臭の万座温泉--学生の時スキーに来て以来30年ぶりくらいだ--を通り、日本一標高の高い場所を走る国道、292号線に出る。このルートは有料道路ばかりを走るので金はかかるが、軽井沢の街中以外はほとんど混むことがなく快適だ。
2時ごろには志賀高原の基点、蓮池そばの信州大学自然教育園に着き、靴に履き替えて、森の中を歩く。いやぁ、涼しいし、湿度は低くはないんだけど、 森の中特有のさらっとした感じの湿気で、標高差100mほどの登りで汗だくになっても、すごく気持ちいい。やっぱ年に何度かはこうして自然の中に身を委ねないとね。
今回取った宿は東舘山のゴンドラ駅のすぐそばにある、発哺温泉のホテル東舘。古い宿だけど、ベッドルーム+10畳の和室+ソファーベッド2台を置いたリビングルームという広さの和洋室に、リーズナブルなお値段で泊まれるっていうので予約した。 トイレはウォシュレットだし、ネットは部屋からだとうまくつながらなかったけど、ロビーに行けばフリースポットが自由に使えて、もちろん露天風呂つきの大浴場の温泉があり、なかなか快適な宿だ。
ある女子中高の合唱部かなんかが合宿で泊まっていて、女風呂はものすごく混んでいたらしいけど、男風呂はシャワーが20基くらいある広い施設を最初は独り占めだ。天気がいまひとつスッキリせず、露天風呂からは本当なら北アルプスが望めるそうだが、残念ながら見ることができなかった。
かなり大量の旅館メシ--まずくはないんだけどこれは改善の余地ありだね--を食べたあとは、ホテルの支配人自らが運転するマイクロバスで、石の湯というところまで20分ほどかけて行く蛍鑑賞ツアーに出かける。10年ほど前に志賀高原に来た時観に行った蛍は、もっと近くまでたくさんの飛んできたような記憶があるんだけど、今回は確かにたくさんいるものの、光がちょっと遠く淡い感じだったな。
だけど行き帰りのバスでの支配人の蛍ウンチクがなかなか楽しい。志賀高原の蛍は、日本で最高地点にいる特殊なものなのだとか、世界で2,000種いる蛍のうち、幼虫時代を水の中で過ごすのは6種類しかおらず、そのうち2種が日本の源氏ボタル--志賀の蛍は源氏ボタル--、平家ボタルなんだとか、いろいろ教えてくれる。
いつものように我が家ルールのUNO勝負をして、翌日は朝比較的早くから、ゴンドラに乗って東舘山の山頂にある高山植物園に行く。ここのゴンドラは歴史が長いらしく、卵形でかなり古い感じで、中が狭いのだけど、スピードは速い。 高山植物園では、ちょっと季節は遅めなのだけど、かなり多くの種類の花が咲き乱れていた。
ゴンドラを降り、車で蓮池まで行って、バスで木戸池というところまで登る。ここから蓮池に向け、5Kmほどのハイキングだ。基本的に国道に沿って歩くのだけど、道路から10mも離れるともう深い原生林や湿原の真っ只中に入れる。
田の原湿原という広い湿地帯から、国道を渡って入った森は、広葉樹の下から針葉樹が生え、トトロが住んでいそうな木のウロがあったり、見上げると白樺やダケカンバの丸い葉に日があたり、すごく気持ちのよい場所だった。そのところどころに沼や池があって、こういうのって最高の贅沢だという気がしてくる。
ホテルで作ってもらった弁当を長池と言う池のほとりで食べ、 午後からは雨かもと言われていたので、早めに立ち寄り温泉に浸かり、家路につくことにする。ところがこの判断が失敗でねぇ。
志賀高原から山越えルートではなく普通に上信越道の中野インターから帰るルートには、途中に有名な温泉地がいくつもある。その中で最も有名な石畳の由緒ある温泉地、渋温泉に寄って行こうと、山を、標高差にして1,000mほど降り、ついでに渋温泉のそばにあるサルが温泉に浸かりに来ると言う地獄谷というところに行って車を降りてみると---なんじゃこの暑さは!!
地獄谷は駐車場から15分ほど歩かないとサルに会える場所には到達しない。途中まで行ってみたものの、暑いのと、そこから先は階段になった山道を登って行かなきゃならんという。
結構歩いて足が疲れていた上に、この暑さではもうとても耐えられないと、駐車場代500円はドブに捨て、温泉なんかに浸かる気にもならないので、協議の結果、そのまま帰ることにした。
今日は打って変わって涼しくなったけど、昨日の気温は異常だったよね。途中疲れて息子に運転を代わってもらったりしながら、NEXCOのサイトの予想よりもちょっと長かった渋滞をついて家にたどり着いてみると、これがもう灼熱地獄だ。体の疲れにこの暑さが重なり、相当疲弊して、夜更かししながら半分、居眠りしてました。
いやぁ、もうちょっと高原にいたかったよなぁ。年に何日かはこういう命の洗濯をしないとね。カミさんも仕事なんか入れるんじゃなかったと、ずいぶん後悔しておりました。
まぁこの涼しさならあまり高原にいる意味はなかったかもだから、1泊でちょうどよかったのかもしれないけど。
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