ついにこの日が来てしまった。半世紀生きたかぁ。孔子は「50にして天命を知る」って言ったけど、天命なんぞまったくわかりまへんなぁ。困ったもんだ。
まぁしかし、40代の10年間は、体が何かと弱ってきただけでなく、かつてほどの「ツキ」もなくなり、強気が保てなくなったカンジで、ぼくのこれまでの人生の中で、残念ながらあんまりいい時期ではなかったように思うので、仕切り直しになってくれると嬉しいやね。
けど、それって別に「50代だから」っていう、たまたま人間が使いやすいから使っている10進数に則ってのアニバーサリーってだけの話なので、ぼくのいつもの論理から言うと、そんなもんで"運"やら"天命"やらってのが左右されるわけないじゃん、ってことになっちまうんだけどね。
さて今日は、いい天気って言う予報だったので、カミさんの美容院の予約を夕方にずらしてもらって、珍しく少し早起きをし、2人で紅葉を見に出かけた。
紅葉情報サイトによると、埼玉で紅葉の名所というと、奥秩父の中津川渓谷が圧倒的No.1なのだけど、 同じ埼玉でも秩父は遠いし、中津川渓谷はもう紅葉のピークを過ぎているという。そしてサイトにもよるけど、第2位は我が家のすぐ近所で、ここんとこ毎年行っている平林寺。へぇ~、そうなんだ。でもここのピークにはまだ1,2週早い。
そして第3位が、今日行った有間渓谷だ。有間川は、荒川の支流入間川--上流は名栗川とも呼ばれる--の最上流にある支流で、分かれてすぐに有間ダムという洪水防止を主目的としたダムがあり、名栗湖という湖ができていて、カヌーと、さらに上流は渓流釣りの名所になっているらしい。
名栗川上流は名栗渓谷と呼ばれていて、埼玉県南部の小学校の遠足の行き先としては超メジャーらしく、カミさんはその昔行ったことがあると言う。ぼくは小学校は埼玉ではなかったので、 遠足では行かなかったけども、多分6年生ぐらいのころに、珍しく家族で出かけて、山の中に異様にそびえる白亜の観音様、鳥居観音に行った記憶がある。
この観音様は、確か、小林信彦さんの「オヨヨ大統領」シリーズという、子供のころ大好きだったドタバタミステリーの、後期の大人向けシリーズの中に、恐らくここが想定された舞台だろうと思われるシーンがあって--いやこれはぼくの勝手な思い込みかもしれないけど--その宗教法人の信者集め、資金集めの異様さと結びついて、ぼくの中で記憶が刻み込まれている。
この鳥居観音も、埼玉の紅葉の名所としてベスト10に入るそうで、有間渓谷のすぐそばにあるので、ついでに行くことにした。
さて、早起きといっても8時過ぎに起き、9時過ぎに家を出る。名栗渓谷は飯能や青梅から車で1時間弱の場所にあり、我が家からだと下を走っていけば距離的には多分50Kmほどだが、時間的には関越-圏央道で行く方がずっと速い。10時半ごろには有間渓谷に着く。
名栗湖北側沿いの車道の湖側の土手に、断続的にモミジが並木状に植わっており、ピークはちょっと過ぎたカンジではあったものの、湖の南側から照らす日光に映えて、なかなか美しい。ただ今年は気温の高い日が続いたためなのか、赤が深くなりきらないうちに色あせてきちゃったみたいで、8割がたの木がちょっとうすい赤だったのが残念だったかな。
今日はかなり寒いという予報だったので、今年初めてのダウンパーカーを取り出して着て行ったのだけど、日差しが強くポカポカして、日陰は寒いけど、日向はダウンを脱いでちょうどいいくらいだった。いやぁしかし、空がきれいだったなぁ。ススキも久々に見た気がする。
有間ダムから車で5分ほどで行ける鳥居観音は、観音様が立っている山の頂上まで車で登れるのだけど、そのためには拝観料500円を取られる。でも車で5分、歩いて40分と言われると、やっぱり日和って車で登った。途中にかなりきれいなカエデの大木があり、頂上付近にもきれいな赤の木があった。
観音様まで5分ほどの道を歩く。山の中にメインの観音様のほかにいくつか、地球儀の上に乗ったものとか、メインの観音にはステンドグラスやら中東風の柱が立っていたりして、かなり変わっている。開祖である平沼彌太郎さんという方がデザインされたようだけど、これはいかがなものなんだろうなぁ。やっぱり「オヨヨ大統領」の怪しげな宗教団体のイメージと重なっちゃうんだよな。
12時半ごろになり腹が減ってきたので、何か食べようと飯能の町に向かう。飯能にはなんだかカミさんが知り合いに教えてもらったという、ファームにレストランが併設されているおいしい店があるって言うので、スマホを取り出して検索しようとしたのだけど、なにしろその店の名前も、どういうものを食べさせるのかもわからない上に、もう買って4ヶ月経つのに、いまだに使いこなすことができず、半分猫に小判状態のままというリテラシーレベルでは、当然行き着くことは不可能だ。
しょうがないので、昨日観たTV番組の影響を受け、ラーメンが食べたかったぼくが、飯能市内にあるラーメン店を検索して、食べログで比較的点の高かった住田屋食堂という渋いレトロ日本家屋のラーメン屋でつけ麺を食べた。100円違いで大盛りを頼んだら、これが普通盛の倍以上の量があるとんでもない大盛りで、かなり腹に応えたけど、なかなかおいしゅうございました。
3時ごろには帰ってきて、カミさんは美容院に行ったが、ぼくはつい眠くて、スタジオのリクライニングソファーで1時間弱居眠りをしてしまった。気持ちよかった。
うちの家族は誕生日と言っても何もくれない。娘は「人生のターニングポイントだね」と、棒読みでまったく心のこもっていないおめでとうを言ってくれた。そんなもんだわな。ってのと、そういう娘の退廃的センスに、なかなかやるな、っていうのと。
てことで誕生日にカミさんと紅葉狩りプチデートドライブでした。
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