親孝行 したい時には 親はなし、てなことを申しますが、と古典落語のマクラ風に書き始めてみたが、4年前と昨年と、カミさんと行った伊豆河津桜を、今年はウチの両親と娘を連れて、金曜日1日お休みをいただいて、観に行ってきた。去年は同じこの週末に行って、突然気温が上がり、ホントにすっかり春だったのだけど、今年は寒かったなぁ。
いつものように家を出る時間が20分ほど遅れ、なおかつ娘が、家を出て10分近く経ってからiPhone忘れたというので取りに帰ったりして、実家に迎えに行く時間が、それでも中央環状ができて渋滞が緩和され、志村料金所から先はまぁまぁの流れの首都高5号線を使って、予定の9時より15分ほど遅れてしまったものの、護国寺インターから乗った平日の首都高は、竹橋・大橋両ジャンクションでもほぼ引っかかることなく、東名に入ってからは、もう見事に気持ちよく空いている。
リニュアルした足柄SAでちょっと休憩して、新東名に入り、沼津長沼インターで降りると、そこからは先月伊豆中央道の入り口である函南塚本ICまで開通したばかりの、東駿河湾環状道路に入る。沼津インターを降りてから、沼津市街や国道1号の渋滞に悩まされてきたのがウソのような快適な道だ。函南から一瞬一般道を走るが、すぐ伊豆中央道、修善寺道路に入れ、なんと11時半ごろには修善寺に着いてしまった。画期的だ。
湯ヶ島の道の駅で食事をして、天城トンネルをくぐり、ループ橋を降りると、そこはもう河津だ。これまでは海岸近くの川沿いのメイン会場付近しか観なかったが、今回は河津川上流方向から来たので、もう少し上流の峰温泉会場と呼ばれる地域で車を停めた。まだ2時過ぎだ。素晴らしい。
河津桜は、研究によると開花は12月ごろからの積算気温に、葉が出るのは日照時間にリンクすると言われているようなのだが、今年は1,2月結構寒かったと思うのだけど、満開になったのが先週の半ばと、去年より1週間近く早かった。だけど簡単には散らず、2週間ほどは満開が続くのが特徴のこの桜、花の方はまだまだ見事に咲いている。
ただ残念ながら、去年もこの時期には少し出てきてしまっていた葉っぱが、今年はさらにもう少し育ってしまった感じで、出方は木にもよるけど、完全に葉がない木はほとんどない状態。まぁでも川の両岸にずらっと並んで咲いている様は、本当に美しい。初めて観た娘が、ソメイヨシノより濃いピンクがかわいいと、写真を撮りまくっていた。
今週は天気が良いのもよかったね。一番見頃だったと思われる先週末は、土日とも雨だったのでね。特に今年は去年よりだいぶ早い時間に着いたので、青空を背景に日差しの当たる花がとてもきれいだった。翌日行った青野川沿いの桜は、たまたま行った時間が曇りがちでちょっと惜しかったんだけどね。
実家に温室があり蘭が趣味の親父も、その趣味に長く付き合ってきたお袋も、我が家よりはずっと植物好きなので、峰温泉でポツンと出ていた露店で、実家の築山の枯れてしまったカエデの代わりに植えるんだと、さっそく河津桜の苗--と言っても2年物かなんかで高さは結構2mくらいはある--を購入。苦労して車に斜めに載せ、移動してメイン会場に行っても、たくさん出ている露店--ほとんどはまんじゅうとか芋スティックとか食べ物を売ってるんだけど--で、たまに桜以外にも苗や鉢植えを売っていると、いちいち引っかかって覗いていく。
夕方になりけっこう冷えてきたので、車に乗って河津を後にし、下田の了仙寺にあるお袋の親父さん、つまりぼくの祖父の墓--前に書いた通りもう永代供養ということにして檀家ではなくなっているのだけど、まだ墓は残っている--に寄ってお参りし、今年も宿は下田の南の吉佐美というところの、碁石が浜別荘地の中にあるペンション、ベイ・ベリーだ。
去年同様痒い所に手が届く設備・調度類と、丁度よい温度に調整された予約なし貸切の2つの温泉風呂、和洋折衷のほんとに美味しい食事、どれをとっても文句なし。今年は親父とお袋がツインの部屋で、我が家は3人だったので和室を、と予約しておいたのだけど、我が家の方はベッド2つに6畳ほどの畳の部屋がついた和洋室を提供してくれた。しかも2つの部屋は隣り合っている。素晴らしいホスピタリティだ。相変わらず携帯の電波が--機種変でLTE対応したのにLTEは一切、3Gも非常に--入りにくかったのが残念だったけどね。
翌日の昨日は、朝風呂に入り、これまたおいしい朝食の後、親父とお袋は別荘地の中を散策したりしてゆっくしり、このペンションからさらに少し南に下った、もう1か所の桜の名所、青野川沿いに向かう。こちらも見事に咲いているが、やはり去年よりは少し葉が出てしまっている。去年はこの辺の駐車場は無料だったが、さすがにもったいないと気づいたのか、1か所で払えば他でまた停めてもOKの共通券を発行したうえで、河津同様500円を取ることにしたようだ。
上で書いたように桜を観ているときはたまたまタイミングが悪く日が陰ってしまっていたが、南岸の山の陰に隠れがちなあたりは、まだまだ葉が出ずきれいに咲いている木もある。 少し戻って国道が西伊豆方向に曲がる交差点のあたりにある一面の菜の花畑に行ってみた頃には、雲が晴れて日差しが戻り、見事な黄色が日に映える。
それから渋滞を避け早めに北上して、そばを食べてから、4年前も去年も行った稲取の吊るし雛祭に向かう。去年同様3月3日は過ぎてしまったので、展示会場以外は地味なひなびた温泉町に戻ってしまっていたけど、去年は入らなかった展示会場は、ものすごい数の吊るし雛で、初めて見るお袋と娘は大喜びだ。今年は2月に娘が全く家にいなかったこともあって、我が家では雛人形を出さないという初めての事態になってしまったのもあったのでね。
帰りはちょっと伊東に用があったので、いつもより少し先で伊豆スカイラインに入ったため、峠道でお袋が車に酔ってしまってかわいそうだったけど、故障車で渋滞した小田原厚木道路を避け、西湘バイパス、新湘南バイパスと辿って、原宿交差点そばの崎陽軒がやってるレストランで食事にし、そこから首都高で、10時15分ごろ実家に着いた。
親父ははっきりとは言わないけど、お袋はいろいろありがとうねと別れ際に何度も言ってくれて、一応親孝行にはなったようだ。ま、主として運転と道路代、宿代--ベイ・ベリーさんは@10,800円と良心的なお値段なので、大したことはないのだけど--くらいのことだけどもね。こんなことでも保養・滋養になるのなら、結構なことですわ。親父(もうすぐ)86歳、お袋83歳、ボケずに長生きしてね。
コメント