先週行われた音感Home Coming Day、大体毎年そうなんだけど、終わった後の「OHCDロス」に、結構参加者全員身を苛まれることになる。つまり終了直後は、Facebookにものすごい数の書き込みが行われる。1週間経ってやっと落ち着いてきたけどね。
そういう意味ではこういう一種の大人の同窓会って、しかもバンドサークルなんで、リハは1回か2回でも、それなりに力を合わせて人前でパフォーマンスをするわけで、その気持ちの上がり方が、みんな中年末期になってきてる中で、精神衛生上は大変よい効能があるってことだろうね。だから続くんだろうね。しかも年1回しかないとこがまたいいんだよね。
そんな中、毎回やるのが自分のホームビデオで撮った映像の編集。編集というか、これまでで言うと、要は単にカットして、以前はDVDに焼いてメンバーの皆さんに配布、自分用にはハイビジョンのディスク--長さによるけど多くの場合AVCHD形式でDVDに焼いたもの--を作っていた。
最近は皆さん用には、元データのままだとデカすぎるので少し圧縮したものを、YouTubeに上げるようにしている。手間はかからないし、その方が皆さんもほかの人に共有できたりして便利だからね。
自分用のディスクを作るには、チャプターを打ったりメニューをつけたりするオーサリングは、以前はフリーウェアだけでやってたんだけど、どうも使い勝手がよくないしいろいろとトラブルフルだったので、ここだけは製品版の「TMPG Enc Authoring Works」というソフトを使う。このソフトを手に入れてから、ディスク作成は大変楽になった。
そして最後にディスクレーベルを、本番の写真とか映像から拾って作る。この作業も、以前はCANONのプリンタにバンドルされていたソフトを使ってたんだけど、こいつが新しくなればなるほど、信じられないほど使いにくくなってしまったので、「かんたんデザイン工房」というソフト、こいつはフリーで使うとベンダーの広告閲覧に耐えなきゃならないんだけど、これを使って印刷する。
んで今回は、ここ最近のOHCDでは、昔からPAマニアだったS先輩が録音してくれたデータとか、PA卓で出音をLine録音してくれたデータとかが共有されるようになったので、我が家のSONY HDR-CX370Vでそのまま録ったあまりきれいでない音声を、これらに差し替えようってことでね。その方法の備忘ってことで。
さて、音声の差し替えってどうしようって考えて、まず探したのがビデオ編集ソフト。我が家には、以前は何かにバンドルされてついてきたソフトがあったんだけど、今は実は何もない。何もと言うと語弊があるけど、SONYの提供するPMBというソフトで、カットのほかちょっとしたことならできるものの、複数の映像を切り替えたり、スローにしたりいろんなエフェクトをかけたり、ってことは、主としてバンド演奏の記録用には必要ないのでね。
ビデオ編集ソフトっていうと有名なのが、WindowsにバンドルされてくるWindows Live Movie Makerと、AdobeのPremiereとか、CorelのVideo Studio、あと上記のオーサリングソフトのベンダー、ペガシスも、TMPG Enc Video Masteringというソフトを出している。フリーウェアもいくつもある。
Windows Live Movie Makerは、Microsoftなりに素人にも使いやすく設計したんだろうけど、それが逆にあだになってかどうにも使い勝手にかなり癖がある。例えばOutput形式として、「PC用」とか「DVD用」から選ぶようになってるんだけど、これは他のソフトでオーサリングするとかってことを考えると、一般的なビデオ形式を選ぶようにしてくれた方がやりやすい。
フリーウェアもそれぞれによくできているようなんだけど、インストールするのにその他のユーティリティが必要だったり、もう開発を終えていたり、いわゆるタイムライン表示ができず、カットするにも時間をテキストで打たなきゃいけなかったり、まぁそんなにすっきりと製品版のように使えるものはなさそうだ。
なので有名ソフトをちょいと調べてみると、Adobeはプロ向けではないElementsシリーズのやつだけど、大体1万円台前半、ペガシスだけは登録ユーザーには優待販売があるので8,000円台。機能的には、8K映像をOutputできるとかってことでいうと、ペガシスが一歩リードしているようだ。
いずれも試用が可能なようになっていて、だけどAdobeとCorelは売れ筋だけにかなりの機能制限がある。ペガシスだけがほぼ制限なし。ここはTMPG Enc Video Masteringを試してみようかな、ってことまで行ったんだけど・・・
今回の編集は、音声の差し替えだけなので、ビデオは特に何もしない。なのでビデオの再エンコードとかは、画質が悪くなるかもしれないし時間もかかるし、してくれなくていい。てかして欲しくない。
以前にDVDから音声を抜き出すために、TS MuxeRというフリーウェアを使ったことがあって、もしかしてこのソフトで行けんじゃね?と調べてみたら、おお、これは十分にできそうじゃないですか。このソフト、映像データは全くいじらず元のままで、音声だけをいじれるのがよい。もちろん音声のMix--細かくレベル調整したりエフェクトかけたり--はできないんだけど、それは我が家の音楽制作ソフト、Cubaseでやればよい。
てことで、まず差し替え先の2つの音声のうち、始まりのタイミングが一番遅いものに合わせて、粗々だけどPMBでビデオをカットする。
これをTS MuxeRで開いて、音声だけを取り出す。この音声はAC3という形式なので、このままではCubaseで読み込めないため、これも今回探した音声変換フリーウェア、T Audio Converterってのを使って、MP3に変換する。この差し替え元の音声は、実際には使わないんだけど、長さをぴったり合わせるためのガイドとして必要になる。
取り出した音声と、差し替え先となるLine録音、客席録音の3つの音声データをCubaseで開く。Cubase上でバランスのちょうどいいところを探す。今回のソースは、Line録音の方が当然だけどボーカルが主で低音が弱く、残響音がほとんど入っていない。一方の客席録音は、低音がとても強く、残響音や客席の音が入っている。
CubaseのMixerのフェーダーで試行錯誤の結果、Line:客席=55:45程度が一番いい感じだった。それからダイナミクス系のエフェクトで出音を調整する。ライブ録音って、レベルの高いところがすごく高くなるので、それに合わせてMixすると、全体に音が小さくなっちゃう。なのでCompresserとかLimitterとかを使う。
それからガイド用の元音声に合わせて長さを調整する。少し足りないところは、ガイド音声の客席音を、音量レベルが合うようにして切り貼りする。そして最初と最後をフェードイン、フェードアウトする。
そうしてできた音声を、AC3に変換し、TS MuxeRに取り込んで、元映像の音声のチェックを外して、編集音声をオンにし映像データを作る。このソフト、もちろん映像をプレビューして、音声とのタイミングをあらかじめ合わせるとかってことはできないんだけど、映像の再エンコードはしないので、とにかく処理が速い。今回のNisshie'sの4曲、計20分強のデータなら、1分もあればくっつけてくれる。
なのでとりあえずくっつけてみて、他のソフトで見てタイミングを計り、再度くっつける、とかってことが何度もチャレンジ可能。3回ほどやってみて、音声タイミングを175ms早めると、ほぼ違和感がないってことがわかる。
そうしてできた映像を、一方でPMBで再カットしてYoutubeに上げ、一方でAuthoring Worksでオーサリングしてディスクに焼く。4曲目だけが、なぜか途中から音声が消えてしまうというトラブルが起き、再度くっつけをやり直すってのがあったけど、作業時間トータル3時間ほどで完了。
そして今日になって冒頭写真のレーベルを作る。まだスタジオの大画面で観てみてはいないんだけど、こいつぁ観るのが楽しみだなぁ。
今回はまずNisshie'sだけを作って、「健康」はこれからなんだけど、それはNisshie'sの演奏が、もちろん完璧ってことはなく随所にアラはあれ、自分たちでもかなり盛り上がれたってことと、「健康」の方は物理的にまだ客席録音の音声を上げていただけてないために、作業ができないってことでね。
まぁただ今回の「健康」は相当ミスのオンパレードだったからなぁ。そこまでするかなぁ。今回備忘録を作ったこの作業をしっかり身につけるって意味はあるとは思うものの。どうすっかなぁ?
あ、Nisshie'sのメンバーの皆さん、もしフルHDのディスクも欲しければ言ってくださいね。送りますのでね。
コメント