3日目、令和初日は曇りではあるが雨は上がった!この日も雨だったらもうサブプランも尽きるところだったのでラッキー!てことで、早めにチェックアウトして、車は宿に置かせてもらったまま、雲見海岸バス停9:17分発のバスに乗り、2つの小湊を松崎方向へ戻って、「荻谷」というバス停で降りる。
ここから山を少し登ると、バスの走る国道から一つ内陸を走っている細い車道に出られるはずだったのだが、どうもあまりメジャーなハイキング路ではなかったらしく、道はあるもののどこへ行ってしまうか怪しい感じだ。いかんせんこの辺りのハイキングコース地図をたくさん載せてくれていた唯一のサイト「izu.net」ってのが、運営を伊東市の商工会議所から個人に委託されてたんだけど、その人が今年に入って運用負荷に耐えられなくなりクローズしてしまったので、情報の入手が難しくなってるのよね。
仕方ないので諦め、バス停を1つ分戻って、岩地海岸そばの道を登っていく。ここからは「三浦歩道」という名前で案内板等も整備されているので、間違えることはない。ちなみに「三浦」は「さんぽ」と読み、岩地、石部(いしぶ)、雲見の3つの小湊を指していて、この道を5kmほど歩いていくと最後は雲見に戻ることができる。
かなりきつい登りをハーハー言って登りきると、上の車道に出て、途中ペンションの脇から山道に入る。ここからはなかなか気持ちいい森の中のハイキング路だ。しばらく歩いていると、なんとこの旅で初めて日が差してきた。やったー、これでいつもの「陽の当たる葉の裏写真」が撮れるぞ。
一度石部で海岸まで降り、ここからの登りがまたきついのだけど、がんばって登ると、黒崎展望所、その後に三競(さんきょう)展望台という2つの絶景ポイントに行ける。この時点ではだいぶ雲も晴れ、富士山が下半分だけは見えた(冒頭の写真ね)。やっぱりこの伊豆南西の海岸線の景色は、伊豆の中でももっとも素晴らしいと思う。宿がサービスしてくれたおにぎりをカミさんと1つずつ食べ、景色を堪能して、先に進む。
石切り場跡--江戸時代末期に江戸城の石垣修復のために切り出したらしい--を通り、雲見に戻った頃にはまた雲が厚くなってきていたが、車でちょっと移動して、初日に「烏帽子山」から見えた「千貫門」への遊歩道を歩いていく。これがまたけっこう長い階段を登ってから海岸へ降りていくアップダウンの激しい道で、当初の予定だとこの日のハイキングと烏帽子山と千貫門と、すべて同じ日に行くことにしていたのが、とても無理だったことがわかった。
千貫門は2つの山型の間に浸食でできたという穴が開いている岩礁で、近くで見るとかなり大きく、高さは多分30mくらいあって、「見る価値が千貫文に値する」と言ったお偉いさんがいたことからこの名前になったということだが、確かになかなかの見ごたえだ。カミさんと2人で入るタイマー写真を撮るのにしばし奮闘したりした。
そうこうしているうちについにポツポツ雨が来てしまったので、車に戻って箱根へ出発だ。初日に来た道を戻り、伊豆中央道を大仁の手前で降りて、山伏峠ICから伊豆スカイラインに入ると、完全に濃霧に包まれた。カミさんが怖い危ないとうるさいのを宥めながら、そのまま芦ノ湖スカイラインに入って、湖尻峠から芦ノ湖の北端に降り、仙石原へ向かう。この日の宿は「リ・カーヴ箱根」というホテルだ。
和室&和食漬けから最後は洋風にってことで取ったこのホテルは、温泉は源泉から引いた強酸性の白濁湯、温泉のロビーにあるビールの自販機の料金がリーズナブル、食事は和洋バイキングで味はまぁまぁ、部屋は広く快適で各部屋でwifiも使える。
でもきれいにはしてあるものの、水道レバーが上に上げると止まる方式だったので多分元は阪神淡路震災前のものと設備がやや古く、オートロックではなく鍵が1本だけだったりするし、なにせ部屋数が140ほどと大規模なので、フロントが混雑してチェックイン時もアウト時もだいぶ待たされる。箱根の富裕層ではない家族連れにはマッチしてるんだろうけども、我が家はリピートはしないかな。
今回の旅で初めて、朝から日差しがあった4日目は、混雑のために遅い時間しか取れなかった朝食前に荷造りとか事前チェックアウトをしてしまって、まずは「ガラスの森美術館」に向かう。調査不足で10時の開館前に着いてしまったが、けっこうな列ができていたのでそれはまぁよかったかな。
この美術館はいろいろときれいなガラスのオブジェや展示物があって、特に4月27日から始まった、ピカソやシャガールがデザインしたヴェネチアングラスの企画展とか、悪くはないんだけど、GWとかだと来る客の数に対して敷地が狭すぎるんじゃない?かなりの人口密度の中、ショップはやたらと充実していて、旅行記念に小さなガラス製の天使の人形と、カミさんはネックレスを買った。
次に向かったのは「箱根湿性花園」。ここは仙石原の湿地保護を兼ねて、湿地帯や草原、林の植物を集めた植物園で、整備された木道を歩いていくと、その全体を回れるようになっている。
この日は天候が不安定ではあったものの、この時はいい感じに日差しがあり、しかもここの森は意図的に広葉樹を集めている大変気持ちのいい森で、葉の裏写真撮り放題だ。うーん、この植物園はよかったな。カミさんが家の中で育てると言って(ホントかなぁ?)、ミヤマオダマキという青紫の小さな花の小鉢を買った。
植物園の前にあったそば屋でそばを食べ、次に向かうのは仙石原すすき草原の遊歩道の端にある、高原交差点をちょっと入ったところにある駐車場。向かいの酒屋さんに駐車料金500円を払って、すすき草原の直線一本道を歩いていく。
この時期もちろんすすきは生えておらず、3月15日に野焼きが行われて割とすぐなので、まだ焦げ跡が残った株の間から、緑の草が生えてきている状態で、見通しはいい。一本道はずっとダラダラした登りで、奥まで行くとかなりの見晴らしだ。仙石原は広い!
一本道を戻る途中で雷が鳴りだし、また雨がポツポツと来てしまったので、車に戻って、今度はポーラ美術館に向かう。森の中にすっごいモダンな建物のこの美術館は、2日目に行った上原美術館よりはだいぶ規模が大きく、同様に印象派中心の展示で、モネの「睡蓮の池」やルノワールの「レースの帽子の少女」など有名な絵もあるが、前回書いた通りぼくは印象派にはあまり興味ないのよね。
でも一部ピカソ、マティス、ゴッホ、カンディンスキーなどの作品があり、また1枚だけだけど大好きなミロの絵もあったのがよかったな。カミさんはデュフィと言う人の「パリ」というカラフルな絵が気に入り、その絵の入った絵葉書とかクリアフォルダとかを買っていた。
この美術館には周りの森の中に「森の散歩道」という木道が整備されており、ここがまたとても気持ちがいい。この時はもう雷雲も去りすっかり晴れていたものの、もうだいぶ日が傾いて、日差しはオレンジ色になっていたが、それはそれで葉の裏写真は味が出る。木に名前がつけてあるので、これまでさんざん森を見てもわかっていなかった名前が、いくつか明らかになった。
最後にいつもの旅最終日の習慣として、箱根、特に強羅付近は高級店だらけで探すのに苦労した800円の立ち寄り温泉「貫太郎の湯」に行く。かなり古く簡素な設備のここは、それでもサウナ付きの内湯に露天があって、男女交互のかけ流し露天もあり、温度調節も悪くなくてなかなか気持ちいい。1F部分が駐車場になってるんだけど、そのコンクリむき出しの天井と梁の角に、ツバメがたくさん巣を架けていた。
ここからまっとうに帰るには箱根裏街道と呼ばれる国道138号線から、宮ノ下で駅伝で有名な国道1号線に入り、坂を降りて湯元の中心街を通って行くんだけど、このルートは渋滞しがちなので、宮城野交差点から左に折れると入れる、「足柄幹線林道」と呼ばれる道を行く。
この道は本来一般車は走ってはいけないらしいけど、今はゲートも空いているし、地元のタクシーやいろんな営業車とかも走っている。かなりうねうねとはしており道幅も広くはないが、9年前にできて子供に人気らしい「子供の森公園わんぱくらんど」の横を通って、小田原厚木道路の荻窪インターに直結している。
この日の箱根は車も多く、宮城野の交差点も数百m渋滞していた(1本裏の道で躱したけど)し、多分湯元あたりはひどかっただろう。この足柄幹線林道も、この日は走る車も多く途中から車が連なった状態にはなったが、信号が基本ないので渋滞することはなく、スムーズに荻窪から小田原厚木道路に入れた。この道はかなり使える。
厚木インターから圏央道へは、東名本線を走らなくても行けるようになっているので、そのまま圏央道に入ってしまえば、渋滞に引っかかることはない。スムーズにそのまま関越を通って、19時半ごろには所沢を降り、前回リフォーム中で入れなかった野火止の「びっくりドンキー」で、チーズハンバーグを食べて帰って来た。
てことで長くなってすみません。お疲れ様でした。
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