「紅白」や「日本レコード大賞」はもとより、年末年始は各局が長尺の音楽番組を放送していた。もう放送しちゃったことを今さら書いても仕方ないんだけども、今日はいくつか感じたこととかを書いておくかと。
最近TVの音楽番組って、「ベストテン」とか「夜のヒットスタジオ」を放送していた我々の若かりし頃と較べると格段に数が減っていて、レギュラーでゴールデン帯に放送しているものとしては、TBSの「カウントダウンTV」系と、テレ朝の「ミュージックステーション」しかなくなってしまった。
ぼくは通常は、もう多分25年以上は観続けている「カウントダウンTV」と、フジの「Music Fair」と「Love Music」、あとは毛色が少し違うけどテレ朝の「関ジャム」を観ていて、「カウントダウンTV」は昨年から土曜深夜枠は30分に削って、月曜に新たに「カウントダウンTV Live Live」を放送するようになったが、昔ながらの前者は観ているものの唯一のゴールデン帯である後者は、録画しといてスキップと早送りで好きなミュージシャンのものだけ観るような感じになっている。
レギュラーとしては数が減ったものの、半期や年単位で、日テレは「Music Day」、フジは「FNS歌謡祭」などのプログラムを長尺で組んでおり、TBSやテレ朝も、特番で「カウントダウンTV Live Live」とか「ミュージックステーション」を4時間とか6時間と言った枠で放送している。年末はこれらが立て続けに放送される。
これらもずーっとじっくり観る気にはならないので、録画しといてスキップ・早送りで1/4くらいの時間で観ているのだけども、なんだろね、どうもどれも似たり寄ったりで、そのくらいの観方が適当な内容やクォリティのものしか演ってないのが困りもんだ。年末で活動休止する嵐を軒並みトリに持ってきて、なんとか体裁と視聴率を整えるみたいなね。音楽はもはやTVで観る時代ではないのだろうね。
例えば12/25日のクリスマスに放送された「ミュージックステーション ウルトラSUPER LIVE」。もちろん久保田利伸とかミスチルとかリトグリとかPerfumeとかSuperflyとか、ぼくのお気に入りのミュージシャンたちのライブ映像が観れるのは嬉しいけども、司会のタモリは最近あまりにもやる気ないし、その他ジャニーズとかExile系とか48グループ系とかは、もう完全に食傷気味だ。
ただ、中でも出色の出来だったのは、MISIAがBlueNote東京からライブ放送した「The Glory Day」だな。7人のクワイヤ隊を従え、BlueNoteの狭いステージ一杯のミュージシャンたちと演奏したこの曲は、もともとぼくの大好物だってこともあるが、圧巻のパフォーマンスだった。さすがですね。
「レコード大賞」もねぇ、昨年は家籠り年末だったので観たけども、「紅白」との競合と言うか無理なミュージシャンの移動を避けるために何年か前から30日に放送するようになって以来なのか、もうステータスがた落ちじゃない?LiSA--昨日の「金スマ」でやってたけどけっこうな苦労人なのねこの人--の「炎」が大賞を取ったのはまっとうな評価だとして、昨年活躍した髭男もYOASOBIも全く出てこないし、見たこともない演歌の人が出てくる度は、いまや「紅白」よりずっと高くなっちゃったよね。
日本作曲家協会とか、歌謡曲界の重鎮たちが今だに幹部として鎮座ましましている団体の主催だと、こうなって行っちまうんだろうねぇ。根本的に体質変えないと。音楽はサブスクやYouTube、中でもThe First Takeなんかで観る・聴く時代になってるのに、まったくついて行けてないよね。
一方の「紅白」は、3年前の2018年のものが革命的な内容で、NHKもずいぶんと洒脱になったもんだと大いに感心したものだったが、昨年も無観客ながら、全体に演歌は数少なく、GReeeeNがアバターで出たり、最後は松田聖子からユーミン、福山雅治と来てトリがMISIAというなかなかの流れで、がんばっていた。
4年ぶりに紅組が大差で勝ったが、翌日の元日、初の生放送となった「さんタク」に出演した、最近さんまと仲が良いらしいMISIAが、紅組が勝つと嬉しいもんですね、あんなに嬉しいと思わなかった、と言っていたのが印象的だった。
で、今年に入って、数年前までは「紅白」に大きく左右されていた年明けの「カウントダウンTV」のランキングが、今年はまったく影響を受けないなぁ、やっぱ音楽をTVで観る時代じゃなくなったのかなぁ、少なくとも「紅白」で初めて聴いて、これいい曲じゃん、ってなったとしても、他の手段も多いので、それがCD購入とかって行動には繋がらなくなってるんだろうなぁ、とかって思っていたんだけど・・・
先週の金曜日、TBSで放送した中居正広司会の「UTAGE」の4時間スペシャルを、また「飛ばし」で観たのね。この番組自体はミュージシャンたちが自分の好きな他人の曲をカバーする内容で、基本、個人的にはほぼ興味がないのだけど、Liveではないものの一発撮りしか許さないスタンスはよい。その冒頭で、LiSAの「炎」と髭男の「I Love...」の2曲を、プロのミュージシャンたちがアカペラでカバーしていてね。この特に「I Love...」の方が、素晴らしい出来だったのですよ。
メンバーは男声が浅倉大介とのユニットaccessのボーカリスト貴水博之、山口百恵の長男でボーカリストの三浦祐太朗、女声が元モー娘。の高橋愛、演歌歌手の島津亜矢、シンガーソングライターの二宮愛、米ゴスペルフェスの優勝者TiA--この人のアルバムは以前から聴いていてかなり好き--、それに当日ボイパを担当するはずだった峯岸みなみが自宅待機になったため急遽その指導役だったmoto氏が代理で加わった、計7人のユニット。
TiAがうまいのはわかってたけど、二宮愛と言う人も初めて観たけど音程いいし、高橋愛って高音の声量は今一つだけど、リズムいいしうまいのね。あと驚くのは島津亜矢さんだ。演歌の人って声量や音程はみんな一定以上のレベルなんだから、最近は氷川きよしとかもトライしてるけど、もっとポップス系にチャレンジしていけばいいのにね。
このパフォーマンス、このところぼくのヘビロテになっていて、4時間の放送をママ取っておくとHDDを圧迫するので、冒頭のアカペラのとこ以外は削除してHDDに残している。これ、なんで番組冒頭に持ってきたんだろう。最後に放送すればよかったのに。
今探したらYouTube--の「演歌大好き」ってチャンネル(!)--にアップされていたので、いつ削除されちゃうかわからないけど、一応リンク貼っておきますね。
さて、年始には毎年「関ジャム」で、蔦谷好位置といしわたり淳治、それに今年は川谷絵音が加わって、昨年よかった曲のベスト10を発表するんだけど、ここ数年ここで紹介される曲から、カッコいいミュージシャンをYouTube Musicで拾ってプレイリストに追加するのが習わしになっている。今年は先週10位から5位までで放送を終え、Lucky Kilimanjaroというバンドを拾った。4位以上は明日放送されるのだけど、これも楽しみだなぁ。
てことで年末年始の音楽番組たちについての感想と、ヘビロテになっているパフォーマンスについてのお話でした。
コメント