今年の紅葉狩り一人旅は奈良。前にも書いたけど、奈良は小学校低学年くらいのころ大阪の親戚の家に泊めてもらった時に、兄に連れられて東大寺とか興福寺とかにだけ行ったのと、高校の修学旅行ではひねくれ者だったので、去年の京都同様メインどころではなく「山の辺の道コース」ってのを選んで、大神神社とか石上神宮とかには行ったけど、有名なとこには全く行ってなくてね。
なので今回は、法隆寺とか薬師寺とかいった有名どころと、紅葉ランキング上位の場所と、ついでにちょっと足を延ばして吉野と高野山にも行っとこうという盛りだくさんなプランだ。京都と違って奈良は名所旧跡が各地に散らばっているので、これは家から車で行くかと。新幹線で行ったとしても、奈良は京都か名古屋からレンタカーに乗ることになるので、時間的に大差ないし、去年買った新車キックスの「プロパイロット」がよくできていて、高速の運転がだいぶ楽になったこともあってね。
てことで旅程が細かくダラダラ書いていると超長くなってしまうので、京都の時と同じようにUpNoteに書いたプランを1/5くらいに圧縮してコピーして、これを補足する形で書いて行きますね。まずは1日目。
・6:30出→13:40室生寺(弥勒堂,金堂,本堂,五重塔,宝物殿)
・14:30→15:00長谷寺(仁王門,宗宝蔵,登廊,本堂,大黒堂,弘法大師御影堂,本長谷寺,五重塔,納骨堂,陀羅尼堂,本坊)
・15:50→16:00等彌(とみ)神社(狛犬,上津尾社社殿,下津尾社社殿)
・16:30→16:36ホテルルートイン桜井駅前
名阪国道から南の方に折れて、山間の室生寺、長谷寺をまず観るプランだが、計画立案時にわかっていたことだけど、やっぱ奈良は歴史が古い!その分国宝とか重要文化財が多く、建物と仏像を合わせると、室生寺で国宝6つ、重文2つ、長谷寺で国宝3つ、重文3つ、もちろん仏像などは全部観られるわけではないが、この時期けっこう秋の特別拝観をやっていることが多く、例えば室生寺の釈迦如来立像とかも観ることができた。
ていうか今回、特に4日目を中心にもう国宝のオンパレードで、いちいち憶えてないくらいの建物や仏像、絵や経典を観たので、感想を全部書いてたらキリがないし、てか思い出せないし、という状況だ。特に仏像や経典は、ほとんどの場合写真が撮れないしね。
室生寺はこじんまりとした中にも渋く落ち着いたたたずまいで、女人高野と言われた霊場の雰囲気を濃厚に醸し出している。葺き替えたばかりの金堂の屋根の四隅が反った形がカッコよく、また法隆寺に次いで古いとされる五重塔は、野外の塔としては国内で最小らしいが、とても優美でかわいい。
この日は朝方雲がやや多かったのが、名古屋辺りではけっこういい天気になったのだが、奈良に入るとまた雲が出てきて、午後は陽射しがほとんどなかった。紅葉ってのは陽射しがあるかないかで美しさが全然違うのだけど、今回の旅は全般に、紅葉がきれいな場所では陽が射さないという、2日目と最終日を除きちょっとついてない天候だった。
室生寺も長谷寺も紅葉ランキングにも入っているのだが、室生寺は確かにかなりきれいに紅葉していて、陽射しがあったらなぁ、惜しいなぁ、というところ。長谷寺は室生寺よりも少し標高が高いはずだが、残念ながらまだ3~5分って感じだったなぁ。
室生寺から30分ほど走ると長谷寺に着くのだが、この日は日曜日だったので、駐車場がいっぱいかなぁと危惧していたのだけど、参道のめちゃめちゃ細い道を登っていくと、ギリギリすれ違ったタクシーの運ちゃんに、上の駐車場は多分いっぱいだよと言われた。ただそのすぐ脇にあった個人の家の門前を貸している駐車場がラッキーにも1台分だけ空いており、ここに停めることができた。
有名な登廊を登って行き、途中国宝のお経などを特別公開している宗宝蔵を観てから本堂までの約400段を登り切ると、清水寺よりは少し規模の小さい舞台から、山の傾斜面を利用した境内の景色が美しく広がる。本堂では本尊の十一面観音菩薩像の特別拝観(1,000円)というのをやっていたが、観音の御足に直接触れて祈れるだけのようだったのでやめた。やめても本堂内部で10mもない距離で観音様を拝むことはできる。
今回の旅も去年と同じで、全部にお賽銭を払っていたらきりがないので一部のみにしたが、お祈りすべき場所では--交通安全の神様とか特定の御利益がある場合を除き--基本的にすべて、オフクロからカミさん、息子とその家族、娘とダンナ君の顔を思い浮かべ、みんなが健康で幸せでありますようにと祈ったが、その数は各寺社の末寺や末社まで含めると何回になったんだろう?ざっと23の寺社に行ってるのでたぶん100回近くお祈りしたんじゃないかな?
次に行った桜井市南部にある等彌(とみ)神社は、ここも紅葉ランキングに入っていたから行ったのだが、やはり紅葉は3~5分って感じ。境内はそれほど広くないが、もう薄暗くなってきて提灯に火が入り、なかなか趣ある雰囲気だった。奈良はどこもそうだったが、ここの駐車場へのアプローチ路が、車の両側を擦るんじゃないかってくらい狭く、運転に注意を要した。
この日と翌日の宿は、桜井駅前の「ホテルルートイン桜井」で、普通のビジネスホテルなのだが人工温泉の大風呂があり、平日はレストランもやっていて、2泊で15,600円と言うリーズナブルな宿だった。ただこの日は日曜で、桜井というのはJRと近鉄の2つの駅が隣接しているのだけど、地方駅だけに日曜ともなると駅前はやってない店も多くて閑散としており、予定順位4位までに入っていなかったカレー屋さんでインドカレーを食べることになった。味はまぁ普通。
朝から快晴に恵まれた2日目は予定が詰まっており忙しい。
・9:00→9:20談山神社(本殿,総社拝殿,神廟拝所,権殿,十三重塔,西宝庫,楼門,拝殿,東宝庫)
・10:00→10:10石舞台古墳
・10:30→10:40高松塚古墳(高松塚古墳,高松塚壁画館)
・11:20→11:25キトラ古墳(キトラ古墳鑑賞広場,キトラ古墳壁画体験館 四神の館)
・11:55→12:05昼食
・12:45→12:50橿原神宮(第一・二鳥居,南神門,外拝殿,本殿,長山稲荷社,深田池,森林遊苑)
・13:30→13:40飛鳥寺(本堂(本尊:釈迦如来坐像(飛鳥大仏),塔跡表示柱)
・14:00→14:15大神神社(二の鳥居,祓戸神社,夫婦岩,衣掛杉,巳の神杉,拝殿,活日神社,磐座神社,狭井神社,祈祷殿)
・15:00→15:10長岳寺(延命殿,庫裏,鐘楼門,本堂(本堂内:極楽地獄図,阿弥陀三尊))
・15:40→15:55宿(S)ホテルルートイン桜井駅前
これは全部細かく書いてるとキリがないので端折って行きますが、まず談山神社、ここは紅葉ランキング上位の藤原鎌足を本尊とする神社で、上に書いた観た場所はすべて重文なのだけど、特に十三重塔は、木造建造物としては世界唯一だそうだが、なかなか見応えがある。ここは多武峰の標高約500mくらいの場所にあるからか、紅葉はかなりきれいだったな(冒頭の写真ね)。しかもいい天気で最高でした。
ここから降りて行く県道155号からは飛鳥の景色が美しい。その道順に沿って、石舞台、高松塚、キトラと3つの古墳を観に行ったのだけど、石舞台はどーんと静かに歴史の重みを醸し出してる感じ。高松塚とキトラは、この時期壁画の本物の公開はされていなかったものの、それぞれの壁画館の展示はなかなかよく、特に高松塚の西壁の女子群像のレプリカの汚れを落としたものは美しかったな。
高松塚もキトラも、古墳そのものはただの墳丘なんだけど、これらを公園として、もちろん壁画自体も、失われないようにきれいに保管しようという関係者の努力が素晴らしかった。高松塚よりキトラの方が、壁画館自体やもろもろの金のかけ方が大規模に見えたのは、そういう保管に至った経緯の違いなのかな?
それから橿原の「お食事処よろづ」でチキンカツ定食を食べ、橿原神宮へ。ここは神武天皇の最初の宮(橿原の宮)跡に明治になって造られた神社で、唯一の重文である本殿は明治天皇に下賜され京都御所から移築されたものってことで、歴史の重みはそれほどないのだけど、広い敷地に重厚な建物や池、深い森なんかがあって、当時の明治政府の勢いが感じられたな。
飛鳥寺は蘇我馬子が建てた日本最古の寺で、今は規模が大幅に縮小されて往時の面影はない。元の中金堂の位置に建てられた現本堂には本尊の重文釈迦如来座像(飛鳥大仏)があり、日本最古の仏像でありながら、頭部と指の一部以外は修復されたものってことで国宝指定されていないといういわくつきのもので、写真撮影もできる。ぼくが行った時にたまたま寺の方がこの仏像の説明をしてくれていて、なるほどなぁ、と。
そして大神(おおみわ)神社。ここは飛鳥寺に続いて日本最古の神社であり、高校の修学旅行で来て、その荘厳さ、境内のなんつーか、神霊が住まわれているような霊的な雰囲気に打たれた場所で、ここだけはもう一度来たいと思ってたのよね。高校の時に山の辺の道に来たのは、八木重吉の「大和行」という詩が印象的だったからなんだけど、その詩をどうやって知ったかとか、その辺の経緯は恥ずかしいからスルーしますね。
原始の神社で三輪山というお山がご神体と言うここは、46年ぶりに来てみたら、やっぱ若い頃のようなナイーブな感受性は薄れているのか、霊的なものまでは感じなかったけど、その厳粛な感じは変わらない。ここにはお賽銭を投じてじっくりとお祈りし、いくつかの末社もめぐって、特に病気平癒の神様だという狭井(さい)神社には、オフクロがまた歩けるようにお祈りした。そしてカミさんに勉学守、娘に運気上昇守、孫に子供守、オフクロに健脚守というのを買った。
この日最後の長岳寺も、紅葉ランキング上位の弘法大師が創建したというお寺だが、ここの紅葉も一部きれいな木はあったものの、まだちょっと早いというか、ちゃんと赤くなる前に枯れてきちゃったような木も多かったな。ここにはどこかの女子高の修学旅行生が大勢来ていて、この時期ご開帳していた極楽地獄図と言う続きの掛け軸をお坊さんが解説しているのの御相伴に預かった。
てことでもうめちゃくちゃ長くなってるので3日目以降はまた後日書きますね。
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