前回のお気に入りの音楽から、早くも約1ヶ月が過ぎてしまった。なんかほかに書くネタが結構あって、"ストックネタ"は出さなくても済んでたんだよね。でも今日も音楽歴を語るんではなく、いきなり元ちとせの話ってことで、また当面のストックは使ってないんですけど。
なんで元ちとせかって言うと、昨日の「僕らの音楽」で彼女が出てて、出産からの復帰直後、息をやたらと抜いてごまかしてるカンジがしてちょっと悲しかったのが、すっかり昔に戻っていた。よかったぁー。やっぱ100年に一度の歌手はそうであってくれないと。ってんで嬉しくて、彼女をテーマに書いてみようかと。
Tina-Ponの時に、日本で一番うまい女性歌手は、やっぱ吉田美和とMisiaだって書いたけど、うまいとかっていうんじゃなくて、すごいんだよね。彼女の歌は。天才でしょう、あれは。しかも"ボーカル"って言わずに"歌"って言いたくなるジャパニズムを持ってるところが、またいいんだよね。奄美大島の人なんだけど。
早くも今世紀最高の曲の一つだと思ってるのが、デビュー曲「ワダツミの木」ではなくて、2枚目のアルバム「ノマド・ソウル」(写真)に入っている、「いつか風になる日」。この曲は、歌のみごとさも、ものすごい情景を観せてくれる歌詞("澪標(みおつくし)"なんて日本語、よう使うよねー。しかも"黄泉へと誘う陽炎"だよ)のすごさも、楽曲のよさも、構成がかなり斬新で意表をつくところも、もうすっげーって思う。
この構成、西洋の楽曲では珍しいのでは?クラシックとかではあるのかなぁ。イントロ、AABCのあと、短い間奏ですぐAが来て、それから間奏があって、BCと来て、Cの変形が来て、そのままコーダにつながっていく。日本の伝統的な曲には、こんな構成もあるのかなぁ。西洋にしろ日本にしろ、古典音楽の知識はあんまりないもんで、よくわからないんだけど。
ていうかなにせ「放浪魂」だからねぇ。アジアの、ユーラシア大陸の薫りがするよね。シルクロード沿線の楽曲には、こういう構成があるのかなぁ。
しかしほんとにこの人の歌は、最初聴いた時ぶっとびましたよ。独特の、声の立ち上げの時に入る小節(しょうせつではなく"こぶし"ね)とか、声の質とか、もうこれはホントに、天が与えた才能としか言いようがないなと感じる、ここ最近では唯一の歌手だと思ってるんだけど。
だけど彼女はどんなボイストレーニングやるんだろう。どっちかっていうと、民謡みたいな、前にろうそくを置いて歌って揺らさないとか、そんなヤツやってたりするのかな。
でもああいう天才でもやっぱトレーニングしないと、あのすばらしい声と発声は維持できないんだね。天才も人だったってカンジ。
てことで、なんかとにかくいろんな意味で嬉しくて、予定外のこんな記事を書いてしまいました。
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