第二のGWと言われながら、第3月曜日が最早の15日になってしまい、連休が2週に別れてしまった今年--ちなみに来年は敬老の日が21日になるので、22日を休むと5連休になるはずですが--その連休の最終日である今日は、娘が友達と出かけるというので、カミさんと映画を観に行くことにした。
カミさんは話題の映画「20世紀少年」が観たかったらしいんだけど、ぼくはかつてスピリッツは毎週買っていて、リアルタイムでストーリーも全部知っており、豪華キャストが観たくはあったけど、話し合いの結果、土曜日にちらっと見た「スマ・ステーション」で稲垣五郎が絶賛していた「落下の王国」を観に行くことにした。
久々に観に行く、単館ではないものの、東京では新宿、渋谷、銀座、立川の4館でしかやっておらず、地元のシネマコンプレックスでは観られないメジャーでないこの映画。新宿バルト9では12時台の次は17時台までやらず、しかも80席の小さなシアターで上映するという虐げられ方で、時間が合わないため、渋谷のアミューズCQN(シネカノン)という映画館まで観に行くことにした。
ぼくは前に書いたと思うけど小学校高学年から中学まで渋谷に住んでいて、渋谷駅から最も近い、今は廃校になってしまった小学校に通っており、公園通りなんてまだ名前がついたばかり、当時知る人ぞ知る抜け道だった今のスペイン坂には、歯医者が1軒あるだけだった時代に、駅周辺の公園とかでよく遊んでいた。アミューズCQNは当時のぼくらの遊び場の一つ、東京都児童会館の手前の明治通り沿いにできた、フォンティスビルというおしゃれなビルの7、8Fにある。
高校、大学も渋谷近辺だったので、コンパだなんだって言うと渋谷でやることが多かったんだけど、今やそのころあったビルは当たり前だけどほとんど存在しない。東京都児童会館と、宮下公園の名前を示すガードの橋桁にかかった古びた看板だけが、当時の面影を残している。
渋谷へは、副都心線ができてから、アクセスが非常に便利になった。最寄駅を通る渋谷行きの急行に乗ると、乗り換えなし、28分で着いてしまう。いずれ東横線とも乗り入れることになったら、横浜から森林公園行とか川越市行とかが走ることになるはず、ってこないだ、横浜在住のマキゾエに言ったら、屈辱だ、とショックを受けていたけど、ねりま、さいたま、と、最後に「ま」がつく地名はダサいと言ったアブちゃん、所詮よこはまだって「ま」がつくのさ。へっへっへ。ざまーみろ、南方在住のスノバリズムめ。
話が逸れましたが、あっという間についた渋谷駅から、まずチケットを買いに--今時オンラインで予約できるようにしとけよ、シネカノン--上映時間の1時間ほど前に行き、同じビルの3Fのレストランで昼食を食べて、13:40分の回に、比較的良い席で観ることができた。120席ほどのシアターで、休日だけにそこそこの入りだったけど、でも半分くらいかなぁ、埋まり率は。映画産業も辛いよねぇ。
「落下の王国」は、ストーリーというか全体のプロットはまぁどうと言うこともない単純なものなのだけど、子役の5歳の少女の、見た目かわいくない(ゴメン)のにほんとに自然なかわいらしい演技と、彼女の妄想であるおとぎ話の映像化の息を呑むような美しさ、これが本当に素晴らしい映画だ。世界20ヵ国以上で撮影され、CGをほとんど使っていないというこの作品、監督のターセムと言う人は、これが2作目だというけど、この人の感性はすごい。
映像作品なんだから、映像がスゴいということは、ぼくの感覚では映画の良し悪しの判断の結構な部分を占める。少なくとも、DVDを買いたい、手元に置いておきたいと思う映画は、まず映像が美しい、凄いということが、基本条件になる。CGバリバリの作品では、StarWars然り、Tranceformer然り。CGを使ってない作品となると、最近めったにないのだけど、Deep BlueとかEarthといった根性撮影のドキュメンタリーもの然り。
そういう意味では、CGを使ってなくて、しかもドキュメンタリーではなく、映像がすごいものって、ぼくが観た中ではけっこう皆無に近いな。昔はいくつかはあったかもしれないけど。
カミさんは必要以上に(なのかどうかは見方によって微妙ですが)人が死ぬとか、ストーリーとして考えさせられる部分の深くなさとか、そういうところがあまりお気に召さなかったようだけど、この作品はDVDが出たらぼくは買いますね。単純にくり返し観たいもの。あの美世界を。
ということで、映像の美しさを優先する方には、観る価値のある映画だと思いますよ。もし渋谷に観に行くなら、アミューズCQNはスクリーンが小さめなので、受付で提示される座席表のピンクのエリアより少し前で観た方がいいかも。
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