娘が高校に入って、東武東上線の、朝霞から数駅先の駅から出るスクールバスに乗るようになったのだけど、その途中に薬屋のドライブスルーがあるという。
薬屋のドライブスルー?どういう状況でそれって必要になるんだ?娘をバレエに送って行く行き帰り、考えてみたんだけど、どうにもわからない。そもそもドライブスルーのメリットってなんだ?ファーストフードとか、スタンドコーヒー屋とか、注文してからできるまでちょっと待たされる商品を、混雑した店の中で手持無沙汰で待つよりも、家族や恋人とのプライベートな空間を守ったまま、楽しみに待てる、ってことだと思うのだけど...
考えた挙句、助手席に座った犯人にナイフをつきつけられ、でも彼が怪我をして出血していることに同情的な被害者が、そのままの状態で包帯と血止めの薬を 買ってあげる、っていう、超レアな状況くらいでしか、その必要性が理解できない。と言ったら娘が、んなアホな、とケタケタ笑った。
ぼく自身ドライブスルーってあんまり使わないけど、ドライブスルー洗車は安いし便利なので、最近は自分で車を洗うことはほとんどない。車の中に居るままに、機械が進んできて洗浄液をかけるのを見ていると、自分が進んでいるような錯覚に陥ってなかなか楽しい。
あとこれはぼく自身は行ったことがないし、ドライブスルーと言えるのかどうか微妙だけど、ドライブインシアターってやつは、いちゃいちゃしたい恋人たちにとってはいいかもね。でも上映時間が限定されたり、天候に左右されたり、必然的にキャパが少なかったりするために、経営的には苦しく、今日本では大磯プリンスに1軒残ってるだけらしいけど。
ドライブスルーと言えば何年か前に、注文だけしてそのまま車で走り去り、ゲラゲラ笑って喜ぶ頭の足りない若者のことがニュースで取り沙汰されたけど、まぁそのくらいでカタルシスになるなら、ちょっと不謹慎だけど、人殺しなんかするよりはよっぽどかわいいもんだ。
娘とそんな会話をした翌々日の月曜日、深夜TVをなんとなく見ていたら、TOKIOの城島がやってる番組で、変わり種のドライブスルーについて、いくつか紹介していた。
まずクリーニング屋。これはあまり意味がわからない。別に待ってれば即座に洗ってくれるわけではなく、預かってくれて、お渡しは来週のいついつですと言われるだけ。メリットがあるとすると、大量の洗濯物を、窓口まで運ぶ、あるいは逆に持ち帰るのに、車から、あるいは車への運搬で、重い思いをしてしなくていい、ってことぐらいか。だけど運転席に座ったまま大量の洗濯物を後部座席から取るとなると、けっこう大変な気もするけど。
次に質屋。最近は朝のTV番組なんかでも、いろんなアイテムを持ち込んで金に換える交渉場面が、面白おかしく紹介されたりしてるけど、このドライブスルー質屋は、別に先にモノを渡して、後から鑑定結果を聞ける、というわけではないらしい。判定は迅速とのことだけど、そうなると意味がわからない。というか質屋にとっては、自分ちに居るのに近い感覚で客が来た方が、妙に粘っていい条件を出さされたりしなくて有利なのかもしれないけどね。
そして岐阜県にあると言うドライブスルー結婚式場。なんだそりゃ?ここまで行くともうキワモノ狙いだとしか思えない。まぁ結婚する方にとっては、思い出にはなるだろうし、大げさな宴を催すよりもコストセーブにはなるのかもしれないけど、列席者の目前を、あれよあれよと言う間に通り過ぎていくってのは、いくら虚礼廃止の時代とは言っても、あまりに礼を失した行為だと思ってしまうのは歳のせい?そんなんならやらなきゃいいのにね。
今日娘に聞いたら、「クリニック」的な名前のついた薬屋だという。ん?もしかして調剤薬局か?調剤薬局だとしたら、確かに意味あるよね。処方箋出してから待たされるし、病人を連れて行って一緒に待たせ、それから車に乗せるくらいなら、暖かくした車の中で寝かせておいたほうがいい。なるほど。それなら素晴らしい発想だ。
Wikipediaで見てみると、調剤薬局のドライブスルーってのは他にもあるようだ。そうだろうね。やっぱ必然性のあるものは残って行くよね。
ただ、アイドリング禁止条例なんてものがこの埼玉県にはあるので、っつーか待ってる間エンジンかけっぱなしってのは、やっぱりエコとは相反するんで、これって逆風だよね。やっぱ衰退していく方向なのかなぁ。時代の波に負けて。かつては長野にあったという、今は完全に衰退してしまった、ドライブスルーテレフォン(!?)のように。
コメント