ぼくは子供のころからずっと視力は両眼1.5で、メガネというものをかけたことがなく、たまに他人のをかけてみたりすると、あまりの似合わなさに自分でも呆れるくらいだったんだけど、42歳を過ぎるころから、近くのものがどんどん見えなくなってきて、仕方ないので一昨年、ロヂャースに置いてあった安物の老眼鏡を買ってきた。
でも"つるし"のメガネは、さすがに恥ずかしくてこれを外でかける気がしないし、カミさんからもそんな安物をかけるより、ちゃんとメガネ屋さんで自分の眼の状態にあったものを作ってもらった方がいいと言われていて、今日ついに、人生初の自分用メガネを作りに行った。
少し厳しいとはいえ、電車の中で文庫本を読んだり、会社で10ポイントほどの文字を2 in 1で縮小コピーしたものを読むくらいなら、なんとかなっていたので、これまでメガネを外に持っていくことは、意地でも回避していたんだけど、最近例えば宅配便の伝票とか、その手のフォーマットものを書き込むのが辛くなってきたり、めったにやらないんだけど携帯の麻雀ゲームで二萬と七萬の見分けがつかなくなってきたので、こりゃ仕方ない、外に持ってかざるを得ないか、ってことでね。
なにしろ人生でメガネなんて作ったことがないので、どんなのが似合うのかとか、どういうシステムになってるのかとか、全然知らなくて不安だったので、子供のころから近眼で、普段はコンタクトだけどメガネも常に持っているカミさんにつきあってもらうように頼んだら、ただメガネだけ作りに行くのはつまらないから、ついでに映画かなんか観よう、と。
んで木曜日くらいに、カミさんが講師とは別にやってる母校の大学職員の同僚が、今月メジャーデビューを果たした全盲の主婦&母ミュージシャン、立道聡子さんのライブの実行委員会をやっていて、そのライブに来て欲しいと言われたんだけど、というので、じゃ行ってみようってことで、今日はまずそのライブが行われた大泉学園のゆめりあホールというところに行くことになった。
朝霞から大泉学園まではバスがあるんだけど、バス停に向かう間に雨がかなり激しく降ってきたので、やっぱり車で行くことにしたりしながら、ここ何年かですごくきれいになった大泉学園駅前のビルにある150人ほどの小ホールに少し遅刻して入る。
立道さんは、澄んだ歌声と聴きやすいメロディーが特長のシンガーソングライターで、楽曲そのものはそれほど斬新なわけではないし、歌声にインパクトがあるわけでもない。だけど、全盲で生まれつきながら、いつかミュージシャンとしてデビューしたいと言う強い思いを持ち、健常者でも大変なところを、ひとりで東京の学校に入ったり、やはり全盲のだんな様との間に今3歳になる子供をもうけながら、保育園に協力してもらって仕事をし続けるその気持ちの強さと、一方でそんな背景を全然感じさせないまったく自然体の生活感が、本当にすばらしい。
7月にはアルバムも出すそうだけど、売れるといいけどなぁ。どうだろうなぁ。
そして一度家に戻ってから、電車で池袋に向かう。駅前にある、割合若者向きのフレームの品ぞろえが自慢というHatch池袋東口店と言うところに行ったら、リニュアル閉店前と言うことで25%引きセールをやっていたので、ここで買うか、ってことにした。
メガネなんてかけてみるのも恥ずかしいんだけど、カミさんに言わせれば基本的にメガネが似合うなんてことは稀有のことだから、そんなのは気にせずに、たくさんかけてみてかけやすいのにしなさい、とのことで、彼女自身もいろんなメガネを試してみている。
写真を撮り忘れたのがミスだったんだけど、薄茶色の、レンズ上側だけフレームのあるやつにすることにした。うーん、どう見ても似合わないんだけど、少しでも肌色に近く目立たないものってことで。
検査してもらったら、適合強度は"+2"ってことで、中くらいの強さ。やっぱり進んできちゃってるなぁ。
追加料金を払って、薄型のレンズのにしたので、できあがりは来週の木曜日になる。これ持って会社に行くのか。やっぱ恥ずかしいなぁ、他人様の前でこれかけるの。
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