日テレ日曜23:30~の「Music Lovers」は、裏番組が厚いため、いつも録画しといて翌週の金曜日に観るのだけど、先週福井に行っていた関係で、2本溜まっていた。順番に観ようかと、まず8日の分を観てみたらゲストはPerfumeだ。事情あって片手間に観る状況だったので、迷わずこの8日の分は取っておいて、15日の(コブクロファンには申し訳ないですが)コブクロのほうからにして、Perfumeは後でじっくり観ることにした。
それだけ彼女たちのパフォーマンスをぼくは評価している。
アイドル歌謡曲路線を行っているので、音楽の作り方はあまりアーティスティックじゃないところもあるのだけど、彼女たちを見て本当に、ビジュアルが伴うことでものすごく付加価値がついたと、こうでないとこれからのポピュラー音楽は成り立たないのかもしれないと思ったよね。
PVっていうのはTVで観ることを前提にずいぶん昔からあったけども、あれってあくまでも"プロモーションビデオ"、つまり音声を売るための広告という添え物に過ぎなかった。それがだんだんクォリティーの高い作品が増えてきて--Peter Gabrielあたりはダントツの芸術性を持ったビデオ作品を昔から作ってたけどね--ビジュアルを伴うことが当たり前になってきた。
ジャニーズにしてもExileにしても、ダンスパフォーマンスを伴うグループは数あれど、もともとゆるいダンスじゃ許されないテクノ系の音楽に、輪唱を思わせる複雑な動きを、あれだけの完成度で乗せた彼女たち。Perfumeはあのスーパークォリティーのダンスを観れないと、メッセージ容量が、というかバリューが半減した、つまりダンスのビジュアルも明らかにバリューの大きな部分を占めている、稀有なグループじゃない?
音楽だけの価値ではなく、ビジュアルの価値も、音楽そのものと同等というか同ディメンションにあり、合計してしまってしていいものっていう、それだけ、明らかに価値が上乗せされてるっていう。それってすごいことだよね。
今後、あれができないともう色あせて見えちゃうんだろうか。いやもちろん、上原ひろみみたいに純然と演奏のテクがその足し算を上回るようなケースはあるけども、そんなの希少だもんね。そこまでの存在にPerfumeがもしなったら、それってBeatlesに匹敵する革命かもしれない。って言いすぎ?
CDが売れなくなってるじゃん。新星堂を買収し、ついに今やCD販売TopになったTsutayaが、CD売り場を40%削減すると言う。音楽は完全にDLするものになってしまった。
でも音楽ファンって、アルバムで聴きたいものじゃない?作る側も、アルバムで聴かせたい、アルバムが1つの作品って言う意識あるよね、心ある人なら。いや、そうじゃないのか?それは単に歳なのか?今の若いミュージシャンは、もはやそういう感覚はないのか?
まぁ昔と違ってNetという購入手段があるってのはありがたいけどね。つまりロングテール商品になったってことだよね。多品種少量生産の最たるもんですから。週に数千枚売れれば、それでランキングに入っちゃうと言う。
現在一般的なDLは、もちろん音声だけなのだけども、iPhoneがあれだけ売れ、携帯でHD録画できるようになって来ちゃうと、もうビジュアルを軽視できないでしょう。
前に「シングルDVD」ってあまり流行らないねって書いたけど、今のDVDランキングにはライブを収めただけのものが多くて、それは素材がもともとあった映像を編集したものだから対象外とすると、PV集はあれど、最初から映像クォリティーを追い求めてアルバムの曲数分の映像+音楽作品を集めたもの--「DVDアルバム」って言うのかな--ってまだ稀有でしょ。
だけどDVD1枚分の気合入った音楽ビデオって、結構観るのつらいかもね。ライブDVDとかも長いとしんどいことあるしね。音楽って耳以外は奪われてないとこにも良さがあるのだけど、視覚も奪われると他のことはできないもんね。
てことは映像+音楽作品になると、ますますシングル化して、DL化するってことか。ブロードバンド化が進んで、今のYouTubeとかU-Stの品質も、どんどんHDクォリティになっていってさ。iTunesとかもHD映像+音楽作品がメインになっていくのかなぁ。そんでアルバムCDがますますロングテール化していく。電車の中でビデオ観てる人ってまだまだ少ないことを思えば、まだかなり時間はかかりそうだけども。
それはそれで残念だなぁ。やっぱ音楽アルバムの価値ってあるよね。経済的理由だけでなくなって欲しくないなぁ。
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