いい陽気ですなぁ。上旬には雪さえ降っていたのに、4月下旬の平均気温は観測史上最高だったらしい。
そんな服装選びが難しいこのGW、もう伊豆は行き尽くしたってことで、「Precious Road」という全国のドライブ道を評価した意欲的なサイト--ここ数年は更新されていない模様で残念なのだけど--に最高評価されていた、山梨のクリスタルラインってとこを走ろう、ならついでに近場の盲点山梨西部の温泉と新緑を堪能しよう、ってんで、山梨旅行に来ております。
景気回復傾向で旅行志向度が高いのに、円安で海外回避ってことで高速の渋滞は最悪が予想されるのに、カミさんが土曜まで仕事があったので、日曜日に出ざるを得なかった今回、関越から圏央道のところは、混んでたら下の道を行こうと、あらかじめ調べておいた。おととし開通した、所沢インターのちょっと先から、圏央道狭山日高インターまで、片側2車線で結ぶ県道126号って道だ。
「希少野生動植物」に指定されたオオタカの生息地を通過するって言うので、開通が遅れたというこの道、関越が花園から所沢まで45km渋滞してるって言うのに、いい感じに空いている、なかなか快適なバイパスだ。
ところが圏央道から中央道への合流の渋滞が、NEXCOの渋滞予想よりかなりひどくて、八王子JCTまでで70分かかると言う。うーん、と悩んで、よし、とあきる野インターで降り、奥多摩湖から柳沢峠という峠を経て山梨東部へ繋がる国道411号で行くことにした。出た時間が少し遅れたことを考慮すれば、予定より20分程度遅れの12:40分頃、武田信玄の菩提寺恵林寺に着いたから、まぁ正解だったようだ。
恵林寺そばの焼肉&ほうとうを出す不思議な店でほうとうを食い、一応武田信玄の墓にお参りして、秩父に通じる国道140号の途中から、杣口林道という道に入る。ここからが地元自治体が整備協議会を作って看板等を設置し整備したものの、PR不足でネット上でもあまり情報が集められない、全長68.1km、山梨北部の山岳地帯を走る複数の林道を繋ぐクリスタルラインの始まりだ。
うーん、この道は、このディーゼルエンジンの走りを楽しむ目的には、この上ない快適さだな。今回は似たような柳沢峠越えってのも予定外に加わったけども、こっちは道は細いけど車の量が少なく、景色もなかなかだし、日本百名山のうち甲武信ヶ岳、瑞牆(みずがき)山など4つの裾野を回る全舗装のワインディングロードで、バブル時代の大人気スポット、今はすっかり廃れてしまった清里の手前に出る。
1泊目の宿は、清里の隣の甲斐大泉駅のそばにある「ゲストイン・レキオ」という温泉つきペンションだ。今回は、息子は最初から無理と言っていたんだけど、娘は来るはずだったのが、最近の大学は月曜の休みが多くてよほど困ってるんだろうね、4日に授業が入ってしまって来られなくなり、そのためちょっと広めの洋室を取っていたのが、カミさんと2人だけになったので、なかなか快適だ。
この宿は寿司と沖縄料理と言うちょっと変わった料理を出す。オーナーが沖縄出身で、自動車整備師から転職して寿司職人修業をしたという変わった経歴の持ち主。これがどちらもなかなか美味なんですわ。
そして昨日は、清里の象徴、清泉寮の裏にある渓谷&滝のトレッキングだ。9時半ごろ宿を出て、コンビニでおにぎりを買ってから、吐竜の滝という滝の近くの駐車場に車を停め、タクシーに来てもらって、そこから天女山というなかなかの景色--ただし昨日は山は雲がかかってて見えるのはわずか--の山まで行って、そこからハイキングコースを下っていく。
昨日は曇りがちで時々雨がパラつく天気だったのが残念だったけど、山と牧場と渓谷を歩くのは気持ちいいね。ちょっと湿っぽいけど、気温は歩くのにちょうどいい感じ。体全体が新緑のフィトンチッドで洗われる。ただ、東沢渓谷という渓谷の遊歩道が、なかなかハードな岩ごつごつの道で、歩くのにけっこう難儀したうえ、 途中危険個所があって通行止めになっており、いったん清泉寮--こういう有名なスポットはやけに混んでいる--まで登っておにぎりを食い、また渓谷まで降りて行くという苦労を強いられ、吐竜の滝--これはなかなか豪快な滝でした--まで降りてきたころには、膝も足首もガクガクになっていた。
そして3時ごろ駐車場に戻ってから、車で今度はぼくにとってまったく未知の地、芦安温泉に向かう。ここは富士山の西側の富士川の谷を登って、甲府盆地に出るちょっと手前から西の山岳地に広がる、日本2位の高峰北岳を中心にした山々以外にほとんど観光資源がないらしい南アルプス市の、その北岳の登山口にアプローチする途中にある、地味な谷間の温泉地だ。
こちらは予想にあった中央道の渋滞はほとんどなく、4時半過ぎには「ガストホフらんたん」という、これまた温泉つきのペンションに着く。昨日の「ゲストイン・レキオ」もそこそこ高得点だったけど、ここはじゃらんの口コミランキングで4.8点と言う高得点の宿だ。
ことしの春にオーナーが替わって4月に改装オープンしたばかりってことで、バタバタした感じはあったのと、食事が旅館風の小鉢たくさんに和食系ってのが好みによるけども、温泉の広さや温度のちょうどよさ、部屋--これまた3人で予約したのでってこともあるけど--が和洋室で余裕の作りだったり、なによりオーナーの奥さんが陽気でよくしゃべって大変楽しい。
天気が予報より早めに変わって、昨日の夕方から深夜までで雨が上がってくれて、ピーカンになった今日は、北岳のある山脈の1つ手前の、芦安からだとこの尾根をトンネルでくぐって登山口に行く、その尾根にある夜叉神峠という金田一耕助シリーズに出てきそうな名前の峠と、高安山と言う1,800mほどの山に登った。
やっとすっきり晴れたこの登山道は、なかなかの急坂のつづら折れで、汗だく、へとへとになったけど、針葉樹の下に広葉樹がかなり育った美しい森に、この旅で初めて、自称「陽の当たる葉の裏写真家」根性がむくむくと身をもたげ、葉っぱの写真だけで80枚以上も撮ってしまった。
そしてヒーヒー言って着いた夜叉神峠からの、北岳を中心とした白根三山の眺め!なんと素晴らしい!
尾根続きの高安山まで登って、これを観ながら宿で用意してもらったおにぎり弁当を食べ、ちょっとほっこりしてから、車を停めた駐車場へ下っていく。この道がまたとんでもない急坂の岩ごつごつの道で、また膝と足首がガタガタになったので、芦安温泉の一番奥にある立ち寄り温泉、桃の木温泉大和館というところで、貸し切り状態でゆっくり湯に浸かり、4時ごろ帰路に着く。
帰りは予想通り、大月から小仏トンネルまでの25kmが所要時間100分と言う渋滞。てことで今度は、河口湖の方へ1つ行った都留インターで降りて、県道35号という道に迂回するという、行きも帰りも、のチャレンジ。途中かなりのカーブの連続の部分はあったけど、全く混むことはなく、圏央道の相模原インターまで行って圏央道で帰ってきたら、渋滞につかまる前提の予想より30~40分早く着くことができた。こいつはちょっとした発見だ。
疲れたけど自然に包まれて気持ちの良い連休の旅でした。おでこがだいぶ日焼けしました。
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