もはやシーラカンス扱いかと思いきや、意外にもまだ男性で約30%、女性で約10%もいるんだね。喫煙者って。しかも一番多いのは40代、さすがに昔と違って30代の方が40代より少ないけども、それでも30代は50代とほぼ同じって言う、絶滅はサダメだとしても、進撃の巨人に壁を破られた人類よりはもう少し生きながらえそうな、我々スモーカーの間で、今静かなブームになっているものがある。
スミマセンねぇ、タバコなんて野蛮人のたしなみ、自分の寿命削ってまでなんでやめないの?っていう、極めてまっとうな価値観の皆様には、まったく何の興味もわかない話題で。
しかも多少なりとも健康志向でありたいという、意志薄弱と言われても言い逃れできない気持ちを持っているからこそ、こういうものが流行ってしまうんだということは、情けなくもあるのよ、確かに。だけど一方で、その倒錯した開き直り感を、なんか共有できた感じがこそばゆいようなのが、この「iQOS(アイコス)」という製品なのね。
てか、自分の健康なんてまぁそんなに気にしないのだけども、副流煙被害の問題とか、灰をまき散らすこととか、そういう「人様にご迷惑をおかけする」ことには、我々スモーカーだって人並みに、いや人並み以上にセンシティブなんですよ。あんまり信じてもらえないかもしれないけども。
部屋がタバコ臭いことは、良しとはしてないんですよ。カフェとかで喫煙エリアに非喫煙者を誘うことについては、申し訳ないなぁと思って心痛めてたりたりするんですよ。喫煙可の車両にずっといたいわけではなくて、700系新幹線の喫煙ルームは、結構気に入ってたりするんですよ。多くはそういう善良な人たちなんですよ。
ぼくは会社の喫煙室で、最近これを使ってる人がいて、なんだろうと調べてゲットしたんだけど、今日同期女子たちと4月17日のライブを目指してやってるバンド「d2p8」のリハで、渋谷のスタジオNoah1号店に行ったら、喫煙スペースで結婚式流れ--なのかこれからなのか?--でリハに来たと思しき礼服の男性4人組が、全員この「iQOS」を吸っていたのには驚いた。
でもこんだけ流行って来ると、非喫煙者の方も、あのタバコ様のあまり煙が出ないスティックみたいなやつはなんだろうと、不思議に思ってるかもしれないから、多少は今日の記事もお役に立つのかも、ってことでね。
多分10年くらい前から、電子タバコっていろいろ売り出されはじめましてね。でもこれまでの製品は、タバコに似た充電したプラスティックのスティックの口元のところにカートリッジをつけて、すこしタバコっぽい味をつけた水蒸気を吸うってもので、ぼくも7年前に試してみたことがあるんだけど、その時も書いてるけどあまりにも本物とはかけ離れていて、これはタバコ代わりにするのは無理だな、って代物だったのね。
ところがこの「iQOS」は、火はつけないけども、ホントのタバコの葉を金属板のヒーターで温め、それで発生する蒸し水蒸気を吸うってもので、つまりニコチンは入ってるけど、一般にタールと総称されるホルムアルデヒドとかの有害物質は、公式には発表されてないけど、90%程度削減されると言う。しかも吐いた水蒸気はほとんど臭いがないので、車の中とかで吸っても臭くならない。煙ではないので部屋や車の中が白く煙ったりもしない。
吸った感じも、独特の香り--ある人は栗の匂いと言ったけど、一言でいうと焦げ臭いってことかな。いわゆる普通の焦げ臭さほど嫌な臭いじゃないけど--があって慣れは必要だけど、本物にかなり近い「がっつり感」があって、これなら吸うタバコの銘柄を変えたのと同様だと思うことはできるなと感じられる。実際会社の「iQOS」ユーザーの中には、普通のタバコはもう買わなくなったって人もいるようだ。
ぼくは会社に持って行ってはいないけど、家でこれを使うようになって、確かに1日に吸うタバコの本数は減った。乗り換えまでは行かないものの、代替には充分なっているってことだ。
タバコ同様、専用の紙巻葉(ヒートスティックと名付けられている)を売っていて、これをスティック状のヒーター本体に差し込んでスイッチを押し、10秒ほど待つと、そこから14回もしくは6分間吸える。紙巻葉の値段は普通のタバコよりやや高めの460円。味が4種類あり、全部試してみたけど、個人的にはメンソールが一番で、ハッカ系じゃないものでは「バランスドレギュラー」の方がいいかな。
普通のタバコより面倒なのは、本体のスティックを充電するための充電器を持ち歩く必要があるのと、その充電器も20~30回本体を充電するごとに、USBケーブルを繋いで充電する必要があるってことだ。また、紙巻葉を差し込むヒーター部分は汚れるので、定期的に掃除する必要があり、その掃除用の円形のブラシもついている。
これらがセットになったキットは、定価9,980円もするのだけど、ここ当分は4,600円割引するクーポンがネット上にあり、それを提示すると値引き価格で買える。タバコを売っているコンビニなら大体どこでも買える。 キットのパッケージはかなりおしゃれに作ってあって、なんかAppleの製品みたいだ。
開発したアメリカのタバコメーカー、フィリップモリスは、紙巻きタバコの味わいや喫煙体感はなるべくそのままに、有害物質を極力削減しようというコンセプトで、20億ドルもの資金を投入し、相当気合を入れて開発したという。
一時の流行に終わるのか、新たな喫煙のしかたの一つとして定着するのか、どうなるかなぁ。たぶん問題は、本体と充電器の充電が何回までできるかってことだろうな。充電器の方は500回という噂もあるけど、1日20本吸う人にとって、500回ってのは約1年半。1年半でまた、今度は定価の9,980円投資する気になるかってことだよね。そこまで離れられなくはならない気がするんですよね今のところ。
さてさて、今日は「d2p8」のリハ終わりに、前回ギターの安さんにObationを買わせたハイパワー口車に押され、ランニングをサボってNoahの上のサイゼで、ビールとワインでいい気持になって帰ってきてから晩飯を食べるという、めったにやらないことをしたので、なんか変なテンションだ。こないだ思い切り説教したWが、その仕返しとばかり、「タコボー飲んでないでしょ」の絡み酒でもう大変。
曲も全部決まって、曲順も今日決めたのに、あと3回もリハがあるなんて、ぼくにとっては「健康」でも他のバンドでも近頃はあり得ないんだけど、それでも不安そうな彼女たち。不安なら個人練習を極めるしかないからね~。よろしくね~。
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