先週はバタバタしてるうちにこのブログをサボっちまいましたが、今年のGWはね、10連休にする決意をし、旅行2連発を敢行することにしたので、今日から2回連続の旅行記になる予定でございます。
と言うのは、我が家は何度か書いてる通り、ひと様からは珍しいと言われる、年末年始以外の2つのまとまったお休みには、家族で旅行に出かける風習が、いまだに続いていてですね。さすがに息子が社会人になってからは、スケジュール合わせが大変になってるんだけど、今年はさらに娘の就職があって、予約を取った3月中旬の時点では、前半の3連休と後半の3連休、どっちに何人参加できるかまったく読めない状況でしたと。
なので、これはとりあえず両方押さえちまおうってことで、まず前半3連休は、静岡の大井川上流にある、寸又峡温泉の「翠紅苑」という宿を取った。ここは以前から何度かチャレンジしてはいっぱいで取れなかった寸又峡の2つの宿のうちの1つで、連休がばらけた恩恵だな。
ちなみに後半3連休の方は、より複雑な条件をクリアするのにかなり頭を悩ますことになったのだけど、そこは長くなるので次回後半3連休のレポートで書きますね。
結局やっぱり娘は30日が仕事になり、息子はなんだか世間は休日の29日が出社日だってことで、キャンセルしようかとも思ったものの、この寸又峡の宿はなかなか取れないからもったいないんだよね、ってことで、29日は29回目の結婚記念日でもあるし、前半3連休は、カミさんと2人で出かけることにした。
南アルプスの南の玄関口に当たる地域の一角にある寸又峡は、今でもSLが現役で走っていることで鉄ちゃんに人気の大井川鉄道の終点千頭駅から、車で30分ほど入った山あいにある、宿数15件ほどの小さな温泉地だ。
ぼくにとっては小学校1年から2年の1学期まで、親父が御前崎のそばの、今は掛川市に吸収された小笠郡大浜町と言う超ど田舎に独社との合弁会社の日本側の現場責任者として赴任していた時に、家族で来て以来だからもう47年ぶり?の懐かしい場所だ。つーか来たことしかほとんど覚えていないんだけど、自然にあふれて吊り橋とかもあっていいとこだったという記憶はあり、もう一度行ってみたいと思ってたのね。
ちなみにその当時通っていた旧大浜小学校--田舎のくせにクラスが「月組」「雪組」という宝塚みたいなネーミングだった--では、常に背筋を伸ばし腕を後ろに組んで、ビシッと授業を聴き、ハイッ!と元気よく手を挙げ、自他ともに認める神童だったなぁ。次に引っ越した都下三鷹の小学校では、その時の無理が祟ってか、授業中半分は後ろを向いているようなガキになり、それはその後高校まで続いたので、神童の名はこの時以降完全に返上してしまったんだけどね。
29日はそれほど大変な渋滞にはならないとわかっていたけど、8時半には出るぞと宣言し、珍しくほぼその通りに家を出、圏央道狭山日高インターから東名厚木に出るという新たな試みもほぼ成功して合計15kmほどの渋滞で済み、新東名静岡SAで飯にしてそのままスマートICを出る。
藁科川沿いに国道362号で峠を1つ越え、千頭に出ると、早速SL、C56の出発に出会う。結構な数の鉄ちゃんたちが写真を撮りに来ていて、その仲間と言うにはおこがましいけど、SLの型番の意味くらいはチビのころに身に着けていた身としては、汽笛の音は実はけっこう嬉しい。
千頭で「音戯(おとぎ)の郷」という、音をテーマにした博物館みたいなところ--大した設備ではないけどまぁまぁ楽しめる--に寄って、寸又峡に向かう。
今回の宿「翠紅苑」は、GW料金だし娘の分をキャンセルして本来3-5名定員の10畳間に2人で泊まらせてもらってるので、@19,000円程と普段の我々からすればかなりよいお値段なのだけど、レトロモダンなオシャレな作りで、食事も旅館飯方式ではあるものの味はなかなかよい。
寸又峡温泉は「美人作りの湯」と言われ、Ph9ちょっととかなりアルカリ性が強いので、浸かっていると掌がぬるぬるしてくる。この宿の温泉は温度管理もよくできていて、内風呂も露天風呂も大変気持ちいい。
昨日はこの寸又峡を形作る大井川の支流寸又川沿いに、昔走っていたという電源開発資材運搬用のトロッコ列車の線路跡地に整備されたハイキングコースを歩いた。 途中、「夢の吊り橋」という、某旅行サイトで「死ぬまでに一度は渡ってみたい世界の吊り橋10」の1つに選ばれたってのが自慢の吊り橋を渡る。高さは大したことないんだけど、下のダム湖の青碧色が美しい。一度に乗れる人数10人という制限があり、観光客が自主規制して、長い列ができている。渡るとかなり揺れてけっこう怖い。
昨日今日とすごい好天だったので、このコースも、その後歩いた「グリーンシャワーロード」と名付けられた森の中の道も、緑がとにかく美しい。特に後者は、杉の高い木の林の下から広葉樹が伸びてきて、これにピンポイントで陽が当たる素晴らしいコンディションで、自称「陽の当たる葉の裏写真家」としてはもう大興奮。 特に今回多かったので覚えたカバノキ--白樺の仲間ね--は、縁はギザギザなんだけど丸っこい形の葉がかわいく、色も薄さもちょうどいい感じで、これが重なったところに上から陽が当たると、下の葉にできる陰影がホントに美しい。昨日だけで190枚ほども写真を撮ってしまった。
今日は朝、車で寸又峡を後にすると、大井川を上流方向に左折し、まず接岨峡温泉というところに向かう。ここは大井川鉄道本線の終点千頭駅から上流方向に延びている、「南アルプスあぷとライン」という鉄道の、今はがけ崩れによって終点になってしまっている駅。1~2時間に1本ほどしかないので逃すと大変な10:58発の列車に乗り、1列3席の小さな車両にガタゴトと揺られて行く。 ここから1駅千頭方向には、奥大井湖上駅って言うのがあって、長島ダムによってできたダム湖の上を、ほぼ縦に渡るあぷとラインが、向こう岸から張り出した岬の上をかすめる、その場所に作られている。ここで降りると、ダム湖の上を、線路橋「レインボーブリッジ」に沿う形でハイキングコースが設置されている。
そのかなりの高さの橋を渡り、ちょっとした山道を歩いてそのレインボーブリッジの眺めを見、接岨峡温泉方向に少し行って右に折れると、「接岨大吊橋」というやけに立派な吊り橋で、まだダム湖続きで幅広の大井川を渡る。渡り切って今度は左に曲がると、「八橋小道」--別名ラブロマンスロード--って道に入る。 この道は、文字通り8つの木橋・吊り橋が、大井川から分かれた支流にかかっており、これを歩いていくと最後に接岨橋大橋ってのを渡って接岨峡温泉駅に戻ってくる。今日もピーカンの天気で緑が美しい。
橋のたもとの茶屋でそばを食い、車に乗って大井川沿いに下っていく。千頭を過ぎさらに1時間弱走ると、川根温泉と言う温泉に出る。今回の帰り際風呂は、ここの道の駅に併設された立ち寄り温泉だ。口コミでなかなか高評価だっただけあって、ここもなかなか気持ちよいお湯。たまたま時間が合って、 露天風呂から1日2往復のSL列車が通るのを眺めることができた。
ここからさらに南下し、29日にトンネル内で追突火災事故があったトンネルのちょっと先にある島田金谷インターから、新東名を一路家に向かう。帰りは引っかかるだろうと思ってたら案の定、御殿場の東名との合流前が10kmほど、かなり動きの悪い渋滞だったので、御殿場で降りて箱根に登り、絶景の芦ノ湖スカイラインから箱根新道に出ようかとも思ったんだけど、カミさんが山道は怖いから嫌だと言うので、足柄SAで飯を食って、多少ばらけた渋滞に乗っかり、厚木からまた圏央道経由で、10時半ごろ帰ってきた。
うーん、帰りはちょいと疲れたけど、GW前半から緑あふれ心洗われる旅になりました。後半はあまり天気がよろしくないようなので、もしかしたらこの新緑はもう打ち止めかもしれないんだけどね。
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