今日はかなりオタッキーな内容になる見込みですので、興味のない方はスルーして下さい。
なにしろドラム関係のモロモロって、そもそもバンドをやってる人以外にはよくわからない楽器周りの話の中でも、弦楽器系ならギターとベースはある程度話が通じるし、鍵盤楽器はそもそも幼少期からやってる人が多いので、バンドやってない人にも一部話がわかったりする部分があるものなんだけども、その弦楽器や鍵盤楽器の人にさえも、さっぱりわからない話になるのでね。
前に、毎年10月初頭前後にやっている学生時代のサークル「音感」のOBライブ、音感Home Coming Dayの事前打ち合わせで、ドラムのタムとかシンバルとかの構成はこんな感じでよいでしょうか?という記事をFBに上げたら、ギタリストやベーシストの皆さんから、この呪文のカタマリはいったいなんじゃ?と言われたことがある。
しかも今日の話は、シンプルに言えばシンバル1枚買いました、ってことなんだけども、これがまたかなり特殊な、エフェクトシンバルと言われる類のものなので、ドラマーの皆さんすらあまり聞き慣れない内容かもなのでね。
さて、ぼくは昔から特殊なシンバルを好んで使うドラマーでしてですね。一般に最も基本的なシンバルの構成は、左横にHi-Hat(2枚重ねで通常はペダルを踏んで閉じた状態で、チッチッチッチッ、と8部音符とかを刻むやつ)、右上にライドシンバル(あるいはトップシンバル。Jazzとかでは多用するチーンチーンと長めのサスティーンでリズムを刻む大型1枚シンバル)、左上にクラッシュシンバル(各パターンやAメロ・Bメロ・サビ等の構成の頭でジャーンって鳴らすヤツ)になるんですけどね。
ぼくの場合はこれに加えて、ライドの左横にもう1枚のややハイピッチのクラッシュ、さらに、前にも何度かこのブログにも書いたと思うけども、昨年からちょっと位置を逆にしてみたんだけど、左のクラッシュとHi-Hatの間に8インチ(一般的なクラッシュシンバルは16インチないし18インチ、ライドは20インチとか22インチ、Hi-Hatは14インチ)と小ぶりのSplashと呼ばれる、サスティーンが非常に短く、ハイピッチのシャン、っていう音が出るシンバルを、
また、左のクラッシュと右のクラッシュの間、顔の正面やや下の位置に、10インチのミニチャイナと呼ばれる、ガシャン、という衝撃音が出る逆さに反った(のをチャイナシンバルという)穴あきシンバルをセットしている。
このチャイナ系シンバルの衝撃音は、「健康」のようなファンクロックバンドには欠かせず、これも前に書いたと思うけど、金のない学生のころは、淵の割れた普通の安物のクラッシュシンバルを金切狭で強引に切って小さなサイズにし、汚いけどもとにかくインパクトのある音が出るようにして使っていたりした。
んで、これに加えてさらに、これまた前に書いた、そのミニチャイナでは音量や音圧的に足りないような、ここぞという時のインパクト用ということで、右のライドシンバルのさらに右に、18インチのチャイナシンバル--穴あきでないタイプ--を、3年ほど前に購入してセットし、使っていた。
ふう。ここまでで既にずいぶんと長くなってるな。興味のない人はスルーして、って断ってるんだから、こんなに丁寧に説明しなくてもいいんだけども、どうも小心者でねぇワタクシ。読んでくれちゃう奇特な方にも、なるべくお解かりいただけるように書きたくなっちゃうんだよね。
ところがね。この18インチチャイナが、やっぱし音がエグ過ぎるなぁ、と。ミニチャイナと性格的に近い音になるし、ぼくが欲しかったのはホントにこの音なの?って考え始めちゃってね。
一昨年までMisiaのバンドのドラムを勤めていたFuyuさんというドラマーが、やっぱりライドの右にセットしているシンバルが、おそらくZildjian A Custom EFXというヤツで、シンバルの中心から外向けの方向に、縦に長い穴が3つ開いているタイプなのだけど、この音がいいんですよ。
例えばMisiaの曲で有名なところで言うと、「Everything」の転調後のサビの3小節目の2拍目--オタッキーになってきたでしょ。歌詞で言うと「You're everything,You're everything あなたと~ 離れーてる場所でーも」の「と」の次の拍--でスネアと同時にこのシンバルを叩くことで、派手なオカズで盛り上げといて、普通のパターンに戻った直後にさらにダメ押しする、という、ポップス系ドラマーなら多分わかってくれる一種のお約束があってね。
これってバラードだけではなく、もう少しテンポがあっても、同じパターンのサビが繰り返されるような曲で、最後の方のサビにアクセントを加えるために、やはりそのパターンの1小節目の2拍目に使われたりする。この場合の音は、サスティーンは短くてもいいので、とにかくハイピッチでよく立って、だけどエフェクティブでありながらある程度きれいな音でないといけない。この音は無論、そういったシチュエーション以外にも、いろいろと使い勝手はある。
これを追求してみようと、渋谷のイケベ楽器に行って、10枚くらいシンバル出してもらって叩いてみたんだけど、どうもピッチが低かったり、あまりにエフェクティブでペショペショ(これをTrashと表現する)な音だったりで、一旦あきらめて、2年くらい放置してましたと。いや、そのFuyuさんと同じヤツを買えばよいのだけども、それもちょっと芸がないよなぁ、と。
ちなみに穴の開いたシンバルは、一般的にはある程度周波数幅が限定され、サスティーンが短い音になる。エフェクティブと言っているのは、まぁおおむねそれに近いニュアンスなんだけども、これにさらにチャイナのような逆反りタイプとか、シンバル自体の厚さや材質による違いとか、穴の開け方も千差万別(無論穴の開いてないのもある)で、それによってすっごいエグい音になったり、比較的きれいな音になったりする。この手のシンバルを総称してエフェクトシンバルと言う。
んでこないだ、放送時間が日曜深夜に変わりやがって、観づらいだろバカヤロー、のフジTVの「Love Music」を観ていたら、KEYTALKというバンドのドラマーが、通常の左メインクラッシュの位置に、このエフェクトシンバルを置いていて、ドラマーとしての思い切りは評価できるものの、おいおい、それだと叩き過ぎになるだろと、個人的には疑問が残る、そのシンバルの音が、よかったんですよ。ハイピッチで目立って、エフェクティブだけどわりときれいで。
あのシンバルなんだ?って調べて、--とにかくシンバルほど多品種少量生産のモノってないので、ネット上にも確実な情報はないし、なかなか調べるのに骨が折れるのだけど、最近は各メーカーともサイト上にサンプル音を載っけてくれたりしてて、まことに便利な世の中になったもんだ--結局そのものズバリは見つからなかったのだけど、その過程でおお、これはなかなかなんじゃん?ってなったのが、今回購入したこのPaiste PSTX SWISS THIN CRASHというシンバル。
Paiste(パイステ)というのは、かつてはプロユースでは、これとZildjian(ジルジャン)という2メーカー・2ブランドしか事実上なかったってほど有名な歴史あるシンバルメーカーなのだけど、その中でも16インチがピッチ的にもサスティーン的にもいい感じだったので、楽天に店を出していた「ワタナベ楽器」というショップに発注。かなりレアなシンバルのようで、無論渋谷イケベ(当時)にもなかったし、楽器通販と言えば、のサウンドハウスでも売っていない。Paisteは老舗とはいえ、最近は廉価タイプのシリーズも出しており、このPSTXシリーズは、お値段的にもZildjian A Custom EFXの半額程度の税別10,625円と、なかなかリーズナブルだ。
昨日届いたこの丸い穴がいっぱい開いたヤツを叩いてみると--うーん、これはなかなかいいんじゃないの?スマホで撮ったからちょっとレベルが高すぎだし実際の音とは少し違って聴こえるけど、手持ちのZildjian A Custom Crash 16インチ(右側)との違いはわかるでしょ?来月の「健康」ライブ、その前のリハで使うのが楽しみだ。持ち運びが大変だから、車で行く時じゃないとちょっと厳しいかもだけど。
こうなると、今は基本的に会場に置いてあるのを使ってる左上クラッシュシンバルも、今回のこれと、Zildjian A Custom Crashとの間のピッチで、比較的サスティーンが長くてレスポンスがよく濁りの少ないヤツ買って、A Custumを左に、そっちを右にしてみたらどうかな、とかいろいろ考えちゃって、既に各メーカーサイトで聴き比べ始めちゃった。
金がかかるという面でも、ライブのセッティング時間が長くなると言う面でも、これはヤバいテンションだぞ。
てことでついでに載っけといたのは、毎年律義に咲いてくれて、今年も今週咲いた、もう9年も前に尾瀬に行った時に買ってきた百合の花の写真でございます。
コメント