Googleという会社には、ぼくは多分人よりも好感を抱いているんじゃないかと思う。その理由の1つは、GAFAと言われる各社の中でも、もっとも「オープン」だと思えるからだ。
もちろんAppleほどひどくはなくても、それなりの囲い込みは商売だからやってはいるけども、そのためにエンドユーザーに影響を及ばせることは少ない方だと思う。少なくとも企業側の都合でエンドユーザーに金を使わせる、というどっかの会社のようなことはほぼなかったと記憶している。
ただそういう、ある意味「緩さ」のために、買収等によって吸収したサービスとの間のブランド戦略の混乱は割合起しがちで、今回のサブスク音楽配信サービス関連の件もその1つだ。ぼくが使っていたGoogle Play Musicというサービスに、後発でYouTube Musicというサービスを加え、しばらく並行してサービスしていたが、ついに年内での前者のサービス終了をアナウンスした。
Google Play Musicの最大の特長である100,000曲まで(サブスク契約の場合)をクラウドにアップロードできる機能は、もともとYouTube Musicにはなかったが、この機能を今年3月に追加しサービス内容をほぼ同等にして、5月には移行ツールを公開した上で、乗り換えてください、という案内を送って来た。てことで今週、そんじゃま乗り換えますか、というのでやってみた。
まず移行ツールのサイトにアクセスし、移行先のアカウントを指定しろというので、ぼくのYouTubeチャンネルであるtacovoでやってみたら、いきなり問題が。「現在使用している YouTube チャンネルは Google Play Music の転送に対応していません。転送を続けるには、このGoogleアカウントに関連付けられている別のYouTube チャンネルに切り替えてください」というメッセージが出て移行ツールが動かない。
このYouTubeチャンネルという奴は、どうもいまだによくわからない。複数のチャンネルを持てるようにしたのはいいとしても、YouTubeではこれをチャンネルではなくアカウントと呼ぶこともある。これもどうやらYouTubeがGoogleに買収されたことの後遺症で、後からGoogleアカウントってのが入って来たので、恐らくもともとは単純にアカウントとして設計したチャンネルを、Googleアカウントと紐づけたことで、複雑な二重構造が生まれてしまったということなのだろう。
ヘルプを見てもらちが明かなかったが、ネットでいろいろと検索してみると、複数のチャンネルがGoogleアカウントに紐づけられている場合、そのどれかが代表チャンネルみたいな位置づけになっていて、そこにしか移行はできないと言うことらしい。そのチャンネルは、自分では設定した記憶がないのだが、必ずしも最初に作ったものと言うことでもないらしく、なのでメッセージ上は「別のYouTubeチャンネルに」としか言いようがなかったのだろう。
ぼくの場合は、tacovoの他に、本名で取ったチャンネルがある。ぼくはほとんどYouTubeに上げた映像を一般公開することはなく、基本的には自分のバンドの演奏を、URLを知っている人限定公開でバンドメンバーや関係者に共有するだけなんだけど、それでも本名のチャンネルはいずれ問題が生じそうだと気づいたので、後からtacovoというチャンネルを追加した。
2つだけだからよかったものの、もっとたくさんチャンネルを持っている人は、どうやってどれが「代表」チャンネルかを探り当てるのだろう?なんかやり方があるのかな?とにかくその本名の方のチャンネルでやってみたら、この問題はクリア出来て、移行ツールが動き出した。
ぼくの場合はGoogle Play Music(以下GPMって書きますね)を使い出したのが2015年の10月、それから約5年で、そんなにはバリバリに使ってる感覚は--もちろんCDを買うことはかなり減ってるし、ランニング時のほか最近は車の中でも、音楽はほとんどこれで聴いているけども--なかった。
それでも共有用や外で聴く用に、GPMになかったアルバム27枚をアップしており、また新しめのアルバム、気になる、もしくは好きなミュージシャンごとにまとめたプレイリストが30件--1件当たり10曲~190曲程度、中心は40~100曲--あって、時間かかるかなと思ってたら、20分ほどで、画面上はまだ移行中みたいなぐるぐる表示が出たままだったけど、移行が終わったというメールが届いた。
これを待つ間、スマホにYouTube Music(以下YTMね)のアプリを落とす。ログインすると、GPMアプリがアクセスしていたダウンロード済みの音楽データにアクセス許可するか、というメッセージが出たのでYesを選び、見ているとプレイリストとかがだんだん増えて行って、最後にこちらにも移行が終わったというメッセージが出た。
YTMは、ブラウザ版もアプリ版も、GPMの時はホワイトバックだったのが背景が黒になり、シャープになった感じ(右がGPM、冒頭がYTMね)。アプリではデフォルトの表示が大サムネイル並びではなく写真付きリスト表示になったのが使いやすくてよい。
検索をかけてみると、少し結果が異なって、YTMよりもGPMの方が全般に多く検索されるようだ。なんかエンジンとかが違うのかな?関連度合いの集積度の違い?逆に関連する映像の検索結果は、GPMでもそういう機能はあったのだけど、YouTubeだけに、目立つようになったし豊富になった。
だけど、実際に移行をやってみたのは月曜日だったが、4連休に入った木曜日にちょっとじっくりいじってみたら、
1)GPMで再生できていた曲が、YTMではグレーアウトされてしまい再生できないものがある。
2)アルバムを直接検索すると再生できる曲でも、GPMから移行したプレイリストで、一部の曲だけYTMで再生できない場合がある。
3)アプリでは再生できるのにブラウザでは再生できない曲がある。
といった現象が起きていることに気づいた。
メニューに「フィードバックの送信」というのがあったので、そのグレーアウトの画面データと共に、この辺が解消されないとYTMには移行できないぜ、ってメッセージを送ったら、翌日にはこの現象は解消されていた。うーん、どこに原因があったんだろう?なんかこういうのが安定しないと不安だな。年末に向けて改善されていくのだろうか?
そもそもホントはGPM自体今後どうしようかなってのはあったのよね。というのは曲数で言うと後発のAmazon Music Unlimitedの方が多くなってしまっていたり、操作性の評判やシェアではSpotifyの方が上だったりするのでね。
初回限定料金780円/月が続いててやめらんないってのもあってね。それもちょっと忸怩たるものがあるんだよね。通常料金980円との差はわずかだから、そんなのブッチしてもいいんだけどね。あとファミリーアカウントに乗り換えようとすると、この200円割引のメリットは取れなくなって通常料金の1,480円になっちまう。結果息子や娘には使わせてやれてない、ってとこもどうも気に食わない。
もっともこれは競合に乗り換えても価格はほとんど変わらない--例えばAmazon Music Unlimitedの料金は、Amazonプライム会員だと780円/月なのもファミリー料金も全く同じ--ので言っても仕方ないのだが。
だけどこれだけのアップロード曲たちやプレイリストがあると、今回は移行ツールがあったからよかったようなものの、他のサービスに今更移行するってのは、それだけでも気が遠くなるね。まぁこれも囲い込まれてるということの1つの表れなのだろうけども、もうこれは使い続けるしかしょうがないのかな。
てことでYouTube Musicの今後の安定稼働に期待するしかなさそうな、Google Play Musicからの移行顛末でした。
なんだか感染者数がすごいことになってきてますが、皆さんご自愛くださいね。こんな状況でGo Toキャンペーンって、いかがなもんなんでしょうかね。政治や行政の方針判断はどうもグダグダなので、皆さん、大人として常識的な判断に基づいて行動しましょうね。
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