3年半ほど前に、我が家で購入したH社のロボット掃除機「ミニマル」(RV-DX1)。息子がH社家電子会社の掃除機設計部門に勤めている関係で、我が家はH社が出す掃除機の新製品は原則すべて、それも値段がこなれる前のまだ高い時期に購入しており、この「ミニマル」も、息子はメインの設計担当ではなく部分的に担当したようだが、発売されて割合すぐに購入した。
息子と、当時H社の検品部署に勤めていた嫁の馴れ初めのきっかけにもなった「ミニマル」は、その後マイナーバージョンアップし、スマホアプリからのコントロールもできるようにしたりしたようだが、この初号機は今も販売していて、当時の購入額の半額くらいになっている。
ちなみにH社はその後、充電式軽量の「ラクかるスティック」(PV-BFL1)というのを発売して、これも出てすぐに買ったのだが、こっちは息子がメイン設計担当として設計したもので、ジャパネットたかたに販売してもらったのも功を奏し、H社の掃除機としては近年にない売上となって、息子は社内でちょっとした表彰をされたらしい。
こっちは業界最軽量が売りだったのが、その後競合がさらに軽いのを出してきたので、それに対抗してさらにさらに軽いのを急遽設計して世に出したりして、家電メーカーもいろいろと大変だ。そういうことがあるたびに息子の残業が増える。
我が家の「ミニマル」君は、2Fのリビング・ダイニング・キッチンの掃除を一手に担当し、活躍してくれていたのだが、このところ調子が悪くなってきた。決定的だったのはゴミを吸わなくなったことだが、その前にも同じ場所をぐるぐる回ったり、自力で充電器に戻れず力尽きていたりということが起こりがちになっていた。
電器屋さんに修理に出すよりは、息子に頼んだ方が確実なのは最初からわかっていたが、いかんせんこのコロナ禍だ。息子が日立市に土地を買って建てた家にも、4月に引っ越したのにまだ行けてないような状況で、「ミニマル」を持って行く機会がない。
話が逸れるがこの息子の新居は、カミさんの実家の両親も、ウチの両親も見てみたいと言うことだったので、それぞれにZOOMで--サポートが大変だったんだけど--内覧会を行ったりした。
まず先月行われたカミさんの両親が参加したZOOM内覧会の際には、なんだか2F建ての1Fが片付いてなくて見せられないってことだったのだけど、それをカミさんが嫁のお母さんに話したら、嫁がお母さんから叱責なのかトーンはよくわかんないけどちょっと言われたらしく、先週の日曜のウチの両親&兄一家の内覧会の時には、1Fも見せてくれた。カミさんが息子にLINEで、いやいや決してチクったわけではないのよ、と言い訳していた。
ZOOMってぼく自身は会社の仕事ではほとんど使わないのだけど、会議自体を録画する機能が簡単に使えるのね。これを使ってその時の内覧会を録画し、不要部分をサクッとカット--MPEGのカット編集は「Lossless Cut」というフリーウェアが便利--して、参加できなかったウチの娘や姪っ子や、カミさんの両親に、YouTubeで共有したりした。便利な世の中になったもんだ。
「ミニマル」に話を戻すと、仕方ないのでまずは、すぐ近所のH社系の小さな電器屋さんに持ってって、直せるか聞いてみる。我が家がここに引っ越してきてもう22年経つけど、当時既に還暦間近の感じだったご主人は、その最初のころに何かを修理に出したら、きっちり直してくれた職人気質の人なのだが、久々に会ったらもうすっかりおじいさんになっていた。
カミさんがウチの息子が設計に関わっていて、とかって説明するんだけど、そんな稀有な状況、老人だし簡単に理解できるわけもなく、ほとんど話が通じていなかったが、わかりました一旦預かって見積もってみます、とのこと。
その数時間後には電話がかかって来て、H社の技術とも相談したのだけど、恐らくは吸い取り用モーターの故障で、技術料と部品交換で1万5千円ほどかかると言う。新品が3万数千円で買えるのにそれはないわなぁ、ってことで、引き取って来て、やっぱり息子に送って直してもらうことにした。
3月の倉本叔父の点描画展に展示されていた点描画のうちの1つのコピー画を、ウチの両親が引っ越し祝いに送ってあげるってことになっていて、その絵自体はぼくが実家に行って取って来てあり、これまたコロナで持って行けずに我が家に置きっぱなしになっていたのだけど、それと「ミニマル」の箱--屋根裏から出してくるのに大汗をかいた--を荷造り用の紐で括り付け、ゆうパックで発送する。
そして先々週の土曜日に送ったのを、先週日曜のそのZOOM内覧会の時に送り返したよ、と言っていたのが、今週の月曜に届いた。
使ってみると、さすが設計者。見事に直っていて、きびきびとあっちこっち動き回り、ぐるぐる1ヶ所で回ってしまうようなこともないし、前面左右に2つついたゴミ掻き取り用の回転ブラシの片方が回りにくくなっていたのも復活してるし、なによりしばらく掃除できてなかったリビングのゴミを、たくさんゴミパックに集めてくれた。
一体どこが壊れていたのか、まだ息子に問い質していないのだけど、とにかくこういう修理がタダでできるというのは、設計者を息子に持つ親の特権だ。ってなことを書くとマズいのかな?これからもH社の掃除機は買い続けるので、壊れたらよろしくね。てか壊れないようなのを作ってね。
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