3週連続の買い物は、息子の所属する会社が満を持して昨年11月に発売し、息子自身もその設計に深く関わった、ロボット掃除機「ミニマル」(RV-DX1)だ。
息子が就職してもうすぐ丸6年、忘れもしない、震災直後で引越し荷物とともに送って行ったら建物の一部が崩れたりしていた、茨城北部にある常陸多賀駅そばの事業所で、彼は、電子レンジを設計する部署に一時修行で行っていた時期を除けば、ずっと掃除機の設計に従事している。
その間、普通の形の掃除機、充電式のスティック型掃除機、そして今回のロボット掃除機と、新製品を出してきているのだけど、そのたびにこれらを買って、実家が掃除機だらけになりつつあるというのは、こういった民生機器のメーカーに勤める子を持つ親としては、一般的な状況なのだろうか?
社販的なものもあることはあるんだけど、直営店価格に対して何割か安くなるだけなので、量販店や、ましてや価格com最安値とかと較べると価格的なメリットはないため、買い方については勝手にさせてもらっている。
今回は特に目的に応じて選定したということではなく、もうこの「ミニマル」を買うということだけなので、選択肢としては色だけだ。カミさんに聞いたら、黒よりもシャンパンゴールドの方がいいかなぁ、と言うので、狙いを定めて、価格comでウォッチ。息子も多分そんなに急には下がらないよ、と言っていたとおり、割合堅めの値動きだったので、Qoo10というカードが使えるショップが、比較的上位に入る価格で出してきた先週木曜日に、ポチっとした。
ちなみに、あんまし書くと怒られるんだけど、一般的な話としてどこのメーカーのものでも、新製品が発売されたばかりのタイミングで、いわゆる初期ロットを買うってことは、なるべくしない方がいいらしい。つまり、発売日ってのはマーケティング側の都合で決まるので、設計や製造部門はそこに向けて製品として「形にする」ため、大わらわの対応になって、造る側の立場で満足の行く「完成形」に至らないことも多いと。
最近は黒物家電とかだと、Net接続できるものが多いから、後からファームウェアをバージョンアップするとかもできるけど、白物家電はまだその辺は未対応のものがほとんどだからね。IoTが本格化すると変わってくるのかもしれないけど。
先週土曜日に届いたミニマル君を、早速取り出してまずは充電だ。マニュアルを見ると、壁際に置く充電器の前1mと左右50cmにはモノを置かないで、ってなってたので、リビングのTV台の右側に、今はもう使ってないFAXとか、よほど大勢のお客さんが来ないと使わない単独ソファが置いてあったのを片付け、またそこにあったスティック型掃除機をダイニングの隅に移動して、ミニマル君のために場所を空ける。
日曜日にいざ使ってみようということで、事前に息子から、電源コードに引っかかって止まっちゃうことがあるという情報も得ていたので、コード類を床から浮かせたり、ミニマルが入れそうもないスペースを少し広げたりしてから、いざスイッチを押す。
我が家でははじめてのロボット掃除機だから、ほかの製品と較べたことはないんだけども、なんかこの子は、キビキビとよく動いて、なかなかの働き者ですな。他社に較べてかなり後発で発売したこの製品は、とにかく小さいということと、動きが速いということが特長ってことなんだけど、ほとんどの椅子の脚の間を通り抜けできるので、脚にぶつかるとその周りをぐるっと回ってから別の場所に行くって言う、人が掃除機をかけるのと近い動きをする。
この辺の設計のこだわりについては、今週のASCIIデジタルに記事が載っていて、この製品にかけた設計チームの情熱をよくレポートしてくれている。この記事に載っている写真には、どの人物かは書かないがうちの息子ももちろん入っている(写真の並び順とその下に載っている開発者の名前順は、一致していません)。個人的なぼくの知り合いで、息子がチビのころを知っている方は、大人になった彼の姿をご確認いただきたい。息子を知らなくてもぼくの顔を知ってればわかるという説も--濃厚に--ある。
まぁしかしこの記事--がっつり3時間ほど取材されたらしい--を読むと、こういう仕事ってのは、すっごいやりがいがあるというか、機械設計屋さん冥利に尽きると思うよね。ASCIIさんは前の会社で所属した一部の部署では競合の立場にあったけど、こういう記事を書いてくれるってのは大変ありがたいし、本人たちもモチベーション上がるだろうね。
この記事にもそういう設計にした理由が書いてあるけど、最近はトップシェアのiROBOTの「ルンバ」では、まず部屋全体をスキャンして内部にマップを作り、それに沿って動いていくようになっているようだが、ミニマルの場合にはそうではなく、基本的にはランダムに動いていく。なので、1回ですべての場所をまんべんなくなめてくれるわけではない。
でも我が家の場合、ダイニングとキッチンとの間が1m幅のやや狭い通路になっているのも、ちゃんとキッチンの中に入って行ってくれたし、「ここをもっとちゃんときれいにしてよ」って時は、リモコンがついていて、こいつでそっちの方向に誘導してやればよい。
途中1回だけ、マッサージチェアとその横に置いた可動ワゴンとの間で、そのワゴンが少し斜めに、入り口より奥がだんだん狭くなるように置いてあったために、そこで挟まって動けなくなり救出が必要になったが、それ以外は特に引っかかることはなく、1時間ほどで充電器に戻った。
1週間前にカミさんが掃除していたのだけど、ミニマル君のダストケースを開けてみると、おお~、こんなにホコリや髪の毛が取れるんだ!我が家はソファの下部が脚になっていて、その下の奥の方とかにも潜りこんでくれてたからね。
しかしこうして自分で動いて働いて最後は元の場所に戻るモノって、意思があるわけではないけど、つい擬人化しちゃって、「君」づけとかしちゃうよね。人間がそういう風に、動物であるかのように認識してしまう条件って、これは認知心理学の領域だろうけど、結構原初的なところにあるのかもしれない。
我が家の場合さらに、息子が作ったってことで、ある意味孫みたいな?いやいや、そんな気持ち悪い感覚では捉えてないつもりだけども。
てことで、なかなか働き者でかわいいロボット掃除機が、我が家にやって来ました。
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