孫が来た

今日は年末以来３ヶ月ぶりに、孫が我が家にやって来た。蔓防が終わってもなかなか感染者が減らない中、終了の判断は正しかったんかいなと言う意見も多いようだが、とりあえず終わってくれて孫に会えたので、それだけはありがたい話だ。

今回も前日にカミさんが掃除し、ぼくが除菌シートで孫が行きそうなところを拭き、12時ごろに息子夫妻と孫がやってきた。髪の毛の前の方をチョンマゲみたいにしてるのは、近々この部分で筆を作るためだそうで、以前やったお食い初めとかもそうだけど、なんか嫁の実家は、そういうしきたりとかをきちっとやる家のようだ。ウチの子供たちはせいぜいお宮参りくらいで、そんなの全然やらなかったのにね。

今回はウチの実家に行くのではなく、オフクロ91歳が自分で電車に乗って－－朝霞駅までは迎えに行ったけど－－来てくれたので、カミさんの両親も含めて、昼飯から晩飯まで、我が家でじっくりと孫の相手をすることができた。だいぶ腰が曲がって、歩くスピードも遅くなっちゃったオフクロだけど、相変わらずアクティブさは失っていないのが助かる。

孫はもう見違えるほど成長していて、２週間くらい前からだというが、よちよちではあるもののほぼ普通に歩けている。立ち止まったり方向を変えたり、いったんしゃがんでまた立ち上がって歩くというような芸当もできる。スピードはハイハイの方が速いが、本人も2/3くらいは立って歩く意思があるようだ。

なので子供がチビの頃をすっかり忘れていたのだが、身長が75cmくらいで、普通のテーブルの縁につかまって背伸びすればテーブルの上がちょうど見えるくらいなので、ランチョンマットは片っ端から引っ張っちゃうし、腰高の位置に置いてある薬とか文具とか冷蔵庫のマグネットとかを、軒並み取って舐めたり床に投げたりしてしまう。そんなところの除菌までしてないっちゅうの。

で、階段上りも得意のようで、２Ｆのリビングの出口の扉は、ノブには手が届くので引っ張りはするのだが内開きだから自分では開けられないものの、開けてやると３Ｆへの階段を、ニコニコしながらするすると登っていってしまう。３Ｆも除菌してないぞー。

２度目に階段を登った時は、娘が学生時代に使っていたいろんな小物がそのままになっていて、今はカミさんが寝室として使っている元娘の部屋に入り、ローテーブルの上にある時計だの充電器だの本だのペンだのを、これまた端から掴んではじっくり眺めたり放ったりしてしまう。じじばばは除菌シートを持ってきて、テーブルの上やらいろんな小物やらを拭いてはこれは危ないからダメと取り上げたり、もう大忙しだ。

昼食を食べてから、息子夫婦が出かけてしまったので、じじばば、大じじに大ばば×２の５人で、孫に翻弄されまくる。我が家のキッチンの物入れのノブが丸い形なのが気に入ってこれを何度も触りに行ったり、食洗器のランプがついているのや消火器に興味を持ったり、テレビをつけると不思議そうに後ろ側を覗いてみたり、リビング側のテーブルを隅に片付けて広くした床を縦横無尽に動き回る。

ボールをバケツに入れては出す、大じじのメガネを取ってはまた渡すなど、幼児らしい繰り返し遊びも多くなってきた。３時過ぎにおやつってことで、乳児用かっぱえびせんをあげたら、自分で食べられるのはいいのだが、たくさん口に入れすぎてむせたり、マグをひっくり返したり遊んでしまって、全然お茶を飲まなかったり。

その間ずっと裏声のような高い声で「あ～」とか「う～」とか言っており、時々大きな奇声を上げたりするので、かなりおしゃべりの素質は持っているようなのだが、まだ意味のある言葉はしゃべれない。下の歯はほとんど生えそろっているが、上は口蓋裂のため、少し歪な形で生えており、この口蓋裂のためにうまく話せないということもあるようで、６月には手術をする予定だそうだが、いまでもこんなにかわいいのに、これでいろいろと話し始めたら、もうじじばばは蕩けてしまいそうだ。

夕方４時頃に一度足を滑らせて転んで少し泣いた以外は、ずっとニコニコ笑って機嫌よくしていたが、その泣いたのを機に、カミさんが30分くらいかけて寝かしつけ、４時半頃から１時間半ほどすやすやとよく寝ていた。息子もそうだったがよく遊びよく寝て、基本的に機嫌のいい、親にとっては育てやすい子のようだ。長男って大体そうだよね。

６時前に起きた時には、まだ息子も嫁も帰ってきておらず－－鴻巣まで子宝祈願したお札を返しに行ってたらしい。そりゃ遠いって－－、目が覚めてしばらく不安そうにして目に涙をいっぱい浮かべていたが、少しして息子と嫁が帰ってきたら、すがりついて泣き出した。やっぱりパパとママがいないといい調子にはならないようだ。慣れない人ばかりの時は泣かずにガマンする外面のよさも、ウチの子供たちそっくりだ。

それから夕食をまず孫の離乳食から、そして大人たちがカミさんが前夜から仕込んだ－－ぼくだけの時は生協の材料を既に切ってあるやつを15分くらいでちゃちゃっとなんだけどね－－ごちそうを順番に食べる。孫は自分が食べ終わるころにはすっかり元気を取り戻して、またキッチンに行き、ボールで遊び、メガネを取りを何順か繰り返す。

最後に息子と嫁が食べ終わって、またひとしきり遊び、20時頃に、手を横には振らず手首を回してしまうバイバイをして、車に乗って帰って行った。

もう暗かったしけっこう寒かったこともあり、それからぼくは、カミさんの両親とウチの母親を、新座と護国寺まで車で送っていき、息子たちが日立に着いた時間とほぼ同じくらいの時間に帰宅。護国寺の実家では、以前にオフクロからこれ持ってってと言われていた、親父の形見分けのセーターやら上着やらを押し付けられて持って帰って来た。こんなじじむさいのいらないと言ったら、なに言ってんのあんただってもうじじぃなんだからね、と言われてね。

いやいや、孫が来てくれると、ほんと、エネルギーもらった感じがして元気が出る。息子は蔓防が出なければまた来るよ、と言っていたが、もっとしょっちゅう来てね～。