この日は姪っ子の結婚式の当日だったが、スタートは午後からだったので、午前中、カミさんとヴィースバーデンの街を散歩した。古い建物が多く残ったこの街は、中心部に広い公園があり、この中にカジノがある。むろんこんな朝からカジノはやっていないが、中には入れて、その建物自体も格式ありげだが、中もきれいなドーム屋根のホールになっており、ここでどんなゲームがやられているのか想像がつきにくい。
公園を出て5分ほど、高い尖塔が見える方向を目指して歩くと、大きな教会と市役所のある街の中心街の広場に出る。この日は土曜だったが、土日は普通の店はもちろん、飲食店でも休みもしくは午後から営業というところが多いのだけど、この週はワイン祭が行われており、この広場にはたくさんのテントが立って露店でいろんなものを売っていたので、ここで昼食と翌朝のパンを買った。ドイツはパンが美味い。
ちなみにいま1ユーロ160円近いとんでもない相場になっているが、感覚的に言うと100~120円くらいなら適正かなー、って感じで、日本で買い物するのの1.5倍くらいの価格感になっている。帰る前の日にフランクフルトの普通のスーパーで買い物したが、一番安いミネラルウォーター0.5lが0.89ユーロ、クリネックスの厚手のティッシュボックスが1.79ユーロ、って具合なのでね。
カードは多くの店で使える--使えなかったのはローテンブルグのSC内のファーストフード店とか、一部の古い施設の入場券とかくらい--ので、8万円分ほどをカミさんとユーロに換金して行ったが、半分も使わなかった。ちなみのちなみに、ドイツではチップを払う必要は全くなかった。飲食店でもカード払いとか、タクシーではなくUberで車を呼ぶとかで、個別にチップを払うシチュエーションがなかっただけかもしれないけど。
話を戻すがこの広場に面している福音教会も市役所も、歴史を感じさせる美しい建物で、教会の中にも入ったが、ケルンの大聖堂ほどではないにしろ、ここの天井も大変高くて荘厳な感じは変わらない。この街は日本人にはなじみが薄いが、隠れた名観光地かも知れない。
12時半ごろに、これはこの後彼の専業になったが、娘のダンナ君がDLしたUberアプリで車を呼び、式が行われる「ヤグトシュロス・プラッテ」という施設に15分ほどで着いた。プラッテというのは「皿」とか「大皿料理」という意味らしいが、建物とかで最後にプラッテがつくところは、他にもたくさんあった気がする。いや、platteではなくplatzだったのを見間違えたかな?こっちは「場所」とか「広場」って意味らしいのでね。後で聞いたが姪のダンナ君の両親もここで式を挙げたとのことだ。
式は1時半ごろに、この建物の1Fの一角で、人前式の形で行われた。邦訳「結婚について」という詩の朗読がドイツ語、英語、日本語であり、その他は英語で友人代表の方のスピーチがあり、お互いに誓いの言葉を述べ、新郎新婦が退場して終了。姪っ子のウェディングドレス姿が美しい。
そしてここから後がドイツの、なのか海外は一般にこうなのかわからないが、日本のようにすぐに披露宴が行われて2時間程でお開き、というわけではなく、体を使うゲームが用意されたり、アメリカの大学で流行っていると言うカップにピンポン玉を投げ入れるゲームが始まったり、会場内外のあちこちで三々五々に楽しむ時間が延々と続く。途中、新郎新婦の指輪交換やケーキ入刀があり、そのケーキが配られたりもする。
この日のお客さんは全部で70~80人くらいだったのかな?親戚の他、姪のダンナ君の地元の友人はもちろん、アメリカの大学の友人も多数、姪の日本の高校の同級生も5,6人ほど来ていて、彼らの何人かはこのためだけに前日に来て翌日には日本に帰ると言っていた。いやーそりゃ大変だ。
8時前くらいにディナーが始まる。2Fの会場に丸テーブルが10卓ほど並べられ、ネームカードが置いてあって席は決まっているが、ビュッフェ形式で食べ物は自分で取ってくる比較的自由なスタイルだ。何人かの方のスピーチ、嫁の父としてうちの兄のスピーチ--彼は英語ができ、けっこう笑いも取っていたが、夕方ごろ会場隅でブツブツと一人で練習していたのを知っている--、新郎新婦のお礼の挨拶などがあり、ディナーが終わると、今度は1Fの昼に結婚式を行った場所でダンスパーティーだ。
いやいや、こういうもんなのね。きちっとお開きになるわけでもなく、飲み続けている人もいれば、帰るのも自由って感じだったので、夜11時過ぎに姪に別れを言いUberで手配した車に乗って、ホテルまで戻って来た。お祭でホテル前の道が通行止めになっており、5分ほど歩く場所で降ろされたが、おっと明日までこうだと駅に行くバスはどこに停まるんだい?
3日目の朝、8:45分ごろに来るはずのバスは、フロントのお兄さんに訊いたら2ブロック先の、前日車を下ろされた場所辺りのバス停に迂回するってことだったので、ここからバスに乗ってヴィースバーデンの駅に向かう。この手の複雑なことを尋ねる際は、「Google翻訳」くんが大活躍だ。飲食店のメニューとか、銅像の碑文なんかにも、カメラを向けると翻訳してくれるので大変助かる。技術の進歩って素晴らしい!ちなみにスマホは日本で2,000円弱のプリペイドSIMを買って行ったので、通常の電話は使えなかったけどLINE電話を含むその他のアプリは普通に使えた。
切符の買い方がよくわからずちょっと早めに行ったのだが、要は単に片道料金@9.75ユーロを払っても乗れるが、1日乗り放題料金なら19ユーロ、月額でも49ユーロだからこっちを買いなさいってことで、ドイツのJRに当たるDBのアプリでは事前にオンラインではこれらしか買えないようになっていた、ってことのようで、駅の券売機では片道切符も簡単に買えた。
ドイツの駅には改札はなく、時々車掌が回って来てこの時に切符をもっていないと罰金を取られるということだったが、ここからフランクフルト中央駅まで、急行だと30分弱、我々が乗った普通電車でも45分ほどで着くその間、車掌が来ることはなかった。
10時過ぎにフランクフルトに着き、駅のすぐ前にあるこの日の宿「インターシティホテル」に荷物を預けて、この日はフランクフルト市内観光だ。1日目にガイドのYさんに、フランクフルト市内ではどこを観るべき?って訊いて、Uberでやって来たのはレーマー広場だ。古い市庁舎や教会、お土産屋さんが並ぶこの広場もとても趣があって美しい。
ここからバルトロメウス大聖堂--日曜の午前中だったのでおそらくミサが行われており、この時は中に入れてくれなかった--や、ライン川の支流マイン川に掛かる、「愛の南京錠」で有名な「鉄の橋」を渡ったりブラブラして、 レーマー広場から道を渡った反対側の広場にあったパン屋さんでパンを買ってその前のテント下で食べた後、いくつかお土産を買いながら大聖堂まで戻る。
14~15世紀に建てられたというこの教会も、ゴシック様式の素晴らしい建造物だが、ここでは高さ95mの尖塔の頂上近くまで登れるというので、しばらくその登り口を探し、建物の裏側から登れることがわかって、1人3ユーロ払って318段の螺旋階段を登ってみた。ヒィヒィ言って着いてみると、これがなかなかの絶景だ。
フランクフルトは人口ではドイツ第5の都市だというが、空港は世界有数のハブ空港になっていてアジアからの便はここ行きが一番多いし、昔から商業がさかんでドイツでも金融の中心地として特異な発展をしたってことで、中心街には近代的な高層ビルが立ち並び、空襲にも遭ったからか、その周りに古い建物や、 比較的近年建てられたと思われるアパートなどの建物が混在している。中心街とは大聖堂を挟んで反対側に、1つだけ聳え立つ高層近代ビルがあったが、後で調べたらそれはヨーロッパ中央銀行の本部だってことだった。ユーロを仕切っているのはこの街なのね。
大聖堂のすぐ脇の美しい建物のカフェでケーキ&コーヒーブレイクをしてから、少し歩いてゲーテの生家だったという「ゲーテハウス」と、併設されたゲーテ博物館を観に行く。ぼく自身はゲーテの著作は読んだことないし、あまり興味もないのだが、カミさんが行きたいというのでね。ゲーテの実家ってけっこうお金持ちだったのね、ってことがわかったのと、前日の結婚式に来ていて、この日に帰ると言っていた姪っ子の高校時代の友人女子3人に、ここでばったり会ったのがトピックかな。その他に日本人らしき人にはほとんど行き会わなかったんだけどね。
それから地下鉄の駅1つ分を歩いて--ドイツの電車って距離や区間に係わらず同料金で片道だと高いのでね。グループ料金だと1人当たりは少し安いのだけど--、マイン川南のザクセンハウゼン地区にある「アドルフヴァーグナー」という店でドイツ料理を食べた。ソーセージや豚肉やリンゴ酒が美味しかったのだけど、ぼくはこの前からちょっと胃の辺りが気持ち悪く、ホテルに戻って薬を飲み、カミさんと娘夫婦が買い物に出る間少し休んだ。ヴィースバーデンでちょっとだけ水道水を飲んじゃったせいかな?
てことで長くなりましたが旅行記2回目はここまで。次で終われるかな?続きはまた近々書きますね。
遠いところおいでいただき、ありがとうございました。お客さんは100人を超えていたようでありがたいことです。
僕らドイツでもスイスでも毎日水道水をがぶがぶ飲んでたけど、どうもなかったです。
投稿情報: タコ兄 | 2023/08/25 23:05