今年最後の3連休になる2日~4日まで、カミさんと平泉近辺に行ってきた。何度か書いているが、ぼくにとっては中学校から高校に上がる春休みに初めての一人旅に行き、当時叔父の家のあった仙台を拠点に平泉を始め松島とか山寺とかに出かけた時以来、約50年ぶり(正確には47年半ぶり)の平泉だ。
2日は台風から変わった低気圧で天気が悪い中、朝5時すぎに起きて大宮駅に行き、東北新幹線に乗る。仙台までノンストップ、そこから先は盛岡まで各駅に停まる「はやぶさ」は、大宮からわずか1時間40分で9時20分には一ノ関駅に着いてしまう。
トヨタレンタカーで今回は「ヤリス」を借り、まず「平泉文化遺産センター」に向かう。入館無料ながら世界遺産となった平泉のいろんな歴史や文化、建物なんかの展示はなかなか充実しており、それらの概要を理解するにはちょうどよい。カミさんはこの展示室の入口に置いてあった平安時代の赤い打掛を羽織り、悦に入っていた。
それから平泉と言えば、の名刹「中尊寺」に向かう。第一駐車場はこんな天気なのに満車だったので、ちょっと遠い第二駐車場まで回って行く。尾根の上にたくさんのお堂が建てられたここは、その尾根の突端から「月見坂」という坂を登って行くのだが、その坂の途中の「義家」というお蕎麦屋さんで天もりそばをいただく。けっこういいお値段がするが、味は美味。
坂の途中から見える景色は雨に霞んでいたが、坂を登り切った場所にある本堂はなかなか荘厳だ。その先の「峯薬師堂」で目の健康に効く「め」と書いたお守りを買う。この辺りは紅葉の名所なのだが、今年は例年より2週間ほど遅れているとのことで、まだあまりきれいな木はなかったな。
その先の日本の国宝第1号、有名な「金色堂」と、各種宝物--その多くが国宝--を収めた「讃衡蔵」は有料になる。47年ぶりの「金色堂」は相変わらず美しく輝いており、また随所に施された螺鈿細工なども素晴らしく、しばらく見入った後、松尾芭蕉の銅像や「旧覆堂」(金色堂をカバーするお堂で、以前のものが別の場所に移築され残っている。右写真は今の覆堂。中に金色堂がある)、「讃衡蔵」などを観る。
さらに奥には「白山神社」やその手前に幕末に伊達氏が建てたという重要文化財「能楽堂」などがあり、これらもじっくりお参りし観て回っていたら、珍しく予定の時間を30分ほどオーバーしてしまった。まぁ宿には早めに着くように計画を立てていたので、そのくらいはどうと言うことはない。
車に戻り次に向かったのは「平泉世界遺産ガイダンスセンター」だ。ここも平泉の各種遺跡の紹介や、奥州藤原氏の政庁だったとされる「柳之御所」の復元ジオラマなどが展示されているが、ワイドスクリーンと床面投影で藤原氏の目指した仏国土(浄土)のイメージを映し出すシアターは、なかなか迫力があった。
それからこの「ガイダンスセンター」のすぐ隣にある「柳之御所跡」を観に行くが、実際に建物が復元されているわけではなく、この辺にこういう用途の建物があったと思われる、というのが堀や池や掘立柱や井戸の跡から推定されそれぞれに看板が立っているだけの広い園地なので、これらを保存するよう起きた市民運動や関係者の努力には敬意を表するが、それほど有難味はない。
次にちょっとだけ車に乗って行った、「平等院鳳凰堂」を模して造られたという「無量光院跡」も、広い池がある美しい園地でよく保存されているが同様に建物はなく、カミさんと、近所の子供たちがいたずらしちゃったりしないのかねぇ、入らないように言われてるのかな?という会話になった。
今回の旅行の宿は、一ノ関駅と平泉の中間くらいにある温泉施設「山桜桃の湯」だ。温泉の人気が高いらしく駐車場はほぼいっぱいだったが、温泉内にはいくつもの趣向を凝らした湯舟があって温度管理も泉質もよく気持ちいい上、ここは他にありがちな「宿泊設備はおまけです」的な施設ではなく、バイキングではあるが食事もなかなか美味しい。
ぼくらが泊まった部屋はビジネスホテルのようなツインの洋室で広くはないが、必要十分な設備とアメニティを備え、休前日で2食付き@13,200円というリーズナブルなお値段の、なかなかいい宿だった。2泊する間朝晩それぞれ計4回も温泉に浸かった。
さすが晴れの特異日、朝から好天となった3日は、まず車で1時間ほど走り、宮城の栗駒山の山麓にある湿地帯「世界谷地」に向かう。ここはずっと以前にTV番組か何かで観て、湿原マニアとしては一度行きたいと「行きたいところリスト」に挙げていた場所だ。標高700m前後のところにあり、この時期花は咲いていないが、ニッコウキスゲの名所だという。
駐車場から坂を少し登って行くと、黄色と緑と、ところによって紅葉した森に、落ち葉が敷き詰められて、明るい日差しにとても美しい道に出る。15分ほど歩くと「第2谷地」に、さらにそこから15分ほど歩くと「第1谷地」に出て、湿原には木道が設えてある。湿原自体はまぁまぁの広さではあるが、だいぶ灌木や草が生えてきてしまっていて、湿原らしさはそれほど感じられない。
ただ特に「第1谷地」の手前辺りの森は、平泉との標高差はそれほどではないのに、かなり美しく紅葉しており、いやぁこれは癒される(冒頭の写真ね)。ちかごろ夏が長いだけに、同様に好天だった5月の四万温泉の山登り以来の森林セラピーだ。やっぱこういう場所にときどき来ないと息が詰まるよね。ここを2時間ほど歩いて車でまた平泉方面に戻り、この近辺に2つある渓谷の1つ、「厳美渓」に向かう。
てところでこのまま書いていくとすげー長くなってしまいそうなので、2日目午後以降は次回にしましょうかね。今月は明日ライブがあるし、来週末は孫たちが来るし、24日からは奈良に一人旅に行くし、ブログネタ超過状態なので、ちょっとどういう風に書いていくか悩ましいのですけどね。
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