連休最終日にあまり遠出はしたくないし、渋滞して遅くなったらイヤだなぁと、半分気が引けていたんだけど、息子の新しい住まいは一応見ておきたいという親心で、被災地そばの、というか被災地の一部と言ってよい茨城の日立市へ、息子を送りがてら、家族全員で行ってきた。
就職直前に震災になって、配属先だった日立市の多賀事業所というところが一部被災し、急遽研修先が栃木事業所になった息子だけど、意外に早く一週間後には、本来の多賀事業所に戻り、そのそばにある独身寮に移転した。
息子が一人住まいするのは初めてではなく、高校が同じ埼玉県ながら在来線で2時間以上かかる北の端の本庄というところにあったので、その寮というか委託ホームと呼ばれる施設に3年間住んでいた。なので一人暮らしそのものには特に心配はないのだけど、特にカミさんの実家は心配性の家系なので、写真とビデオでどんなところに住んでるか、地震でひびが入ったりしてないか、報告しておいたほうがいいってのもあってね。
最近の連休は、大体終わる2日か3日前がUターンラッシュのピークになる傾向があるようで、今日は一部の報道ではまだ渋滞が残ると言われていたものの、実際は大したことがなかったのではないかな。
特にこの時期常磐道方面に行こうって言う人はまぁまずいないんだろう。心配していた渋滞は、夕方4時過ぎに家を出た行きも、飯を食って8時過ぎに向こうを出た帰りも全くなく、帰りなんか日立市近辺は、前にも後ろにも車がなくて、自車のヘッドライト以外の明かりが一切ないと言う状況になったりして、片道約150Kmを、1時間40分強で走破した。
寮から会社まで2Kmちょっとあるのかな?この間を、息子は通常、チャリンコで通う。本庄にいたときもホームから学校まで、多分4,5Kmあった距離をチャリで通っていた彼は、在学中に2台を乗りつぶし、というかやはり1万円ちょっとの安価なチャリでは乗りづらいということで、高校時代最後に買って使っていた5万円ほどするブランド物の高級機を、持って行きたいと言う。
自転車って、やっぱ値段なりなんだよね。この高級機は、その後彼が大学に通っていた4年間、我が家でメイン機として活躍していたのだけど、まったくヘタることがなかった。
だけど彼が本庄から引き上げてきた時に乗っていた車MPVと、今乗っているプレマシーとは車体の大きさが全然違う。事前にテストしておかなかったのが悪いんだけど、MPVには立てて乗せて全く問題なかったこのチャリが、プレマシーに乗せようとしたら、2列目、3列目を両方たたみ、さらに横にしてじゃないと乗らないことが直前にわかった。
しかたなく息子と娘は、チャリを乗せた隙間に身を縮めて--ホントは道交法違反だけど--乗ることとなり、この状態で、日立まで旅をすることになった。
日立市は、茨城県の北部にあり、福島第一原発からちょうど100kmほどの距離にある。震災の時には約5mの津波が来たと言う。息子の通う会社の事業所も、4階建ての4階部分がいまだに、窓枠がひしゃげてつぶれてしまっている建物があり、この地域での揺れの大きさを物語っていた。
息子が日立市に移転してからも、震度5以上の余震が多分2,3回あり、大丈夫かとメールを送ったら、「一応避難したけど大丈夫、この辺の人は震度5くらいならあまり騒がなくなってるみたい」と返事が来た。そのくらい、この辺の揺れは大きさも回数もすごかったようだ。
もっともこの事業所の建物と、いくつかの店舗や個人宅の瓦屋根を補修していた以外には、特に震災の爪痕と言えるようなものは、少なくとも遠目にはない。独身寮の建物も、海のすぐそばにあるのだけど、少し高台になっているので、津波の影響は免れたようだ。建物にも特にひびが入ったりということはないように見えた。
部外者は立ち入り禁止なのだけど、荷物を運ぶと言う大義名分で、5Fの彼の6畳間まで入ってみた。まだ家具もほとんどないので、広々ってわけじゃないけど、高校時代のホームよりはちゃんとした感じだった。これから32インチテレビとラック、冷蔵庫を買おうと思ってるってことで、わざわざ3D画像で家具を置いた様子をシミュレートしたものを見せてくれた。
どうもヤツは、高校時代のセコセコ生活--夏休みは1日100円で暮らしていた--の癖が抜けないらしく、いかに安く物事を仕上げるかに血道を上げている。ある程度ぼくの遺伝だから仕方ないとはいえ、もう社会人なんだから、しかも住民税もかからず扶養家族もいないんだから、もうちょっと金銭感覚を改めてもいいんじゃないか?まぁいきなり浪費家になっちまうよりはずっとマシだけど。親としては、W大理系のバカ高い授業料がかからなくなっただけでも、ずいぶんと孝行してもらってるよ。
さてさて、なんにせよこれで、我が家の総領息子は独り立ちだ。しかしこれから人生始まるって言うのは、ホントにうらやましい限りだね。山あり谷ありを、存分に体験してくれ。
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