昨日月曜日から、今年一発目にして比較的大規模になる一人旅で、日本の西の果て、五島列島福江島に来ている。今日はまずその1日目の記録です。
なぜ五島かというと、1つには3年前の朝ドラ「舞い上がれ」で主人公のおばあちゃんの住んでいた場所、という設定だったことや、一昨年杉野遥亮主演ドラマの舞台になっていたこともあるが、2018年に「潜伏キリシタン関連遺産」として五島の一部の教会も含めて世界遺産登録されたってことが大きかったかな。とにかくこういう離島には、ちゃんと意思を持たないと来る機会がないからね。
五島ってのは他にも、奈良~平安時代には遣唐使の国内最終寄港地として、唐に留学した空海が「辞本涯」(日本を去る果ての地の意味)という言葉を書物に残し、帰国した際にはこの地で日本で初めて真言密教を説いたとされたり、600年前に建てられた由緒ある神社があったり、とにかくいろんな宗教MIXで見どころ満載だし、そもそも地形が複雑で海がきれいで景色が美しいしね。
てことで飛行機と宿はHISのツアーで、各島のレンタカーは直接個別に予約して、かなりの時間をかけて計画を組んだ。特に結局どれもGW前には催行されないってことでローカルツアーで行くのは諦めて、定期船で渡って観に行くことにした福江島以外の隠れキリシタン由来の教会とかは、ツアーが催行されるのか、されないなら自前でレンタカー手配とかしなきゃとか、そういうすったもんだをけっこうギリギリまでした。世界遺産を構成する教会は、そもそも行くのにも予約が必要だしね。まぁ船とか運航が限定された交通手段が絡むと大変になるよね。個人的にはこういうのは今回初めての経験だったけど。
昨日は朝5:15に起きて--成田はもとよりだけど羽田も朝霞からだと時間かかるのよ。この前日・前々日に、羽田アクセス新線のために山手線が止まったりしてたようだけど、早く作ってほしいなぁ。最初('31年予定)は田町からだそうだけど、西側からのを早くしてほしい--8時前に羽田に着く。
最近は事前のオンラインチェックインで、荷物預けとかも全部その搭乗券代わりのQRコードで無人対応なのね。空港に着いたのは飛び立つ35分前くらいだったけど、ちょうどいい感じだ。長崎空港からは、ATR 42-600という50席弱のプロペラ機に乗り換え、30分くらいで11:40に定刻通り五島福江空港に着く。ツアー予約の時このプロペラ機の予約が取れなくて、5月の日程は全滅で諦めたのに、結構空席あったよ。もうちょっとツアーに割り当ててもいいんじゃね?
空港には福江の町にあるニッポンレンタカーの車に迎えに来てもらい、車を借りて、12時すぎに出発だ。今回の福江島での車はホンダのFITで、純正ナビを積んでいないので、Android Autoに対応しておらず、スマホのナビで音声だけBluetoothで飛ばす。スマホ画面を見やすいようにセットしたかったのだが、家から持って行ったスマホ固定用のアダプターが送風口のフラップに安定して設置できず、結局シフトレバーの奥に斜めに立てかけることになった。
初日はまず寺社教会巡りはせずに、五島の基礎情報を頭に入れることを優先する。最初に向かったのは福江の町中にある「五島観光歴史資料館」で、ここで隠れキリシタンの歴史を詳しく学びたかったのだが、最初に見せられた映像も展示も、キリシタンだけではなく五島藩とか五島の風俗とか、いろんなことを広く浅く知らしめる感じだった。まぁおおよそのことはわかったからいいんだけどね。
それから福江港ターミナル近くの「うま亭」という食堂までそのまま3分ほど歩いていく。「五島うどん」というのは、沖縄のソーキそばみたいな、ラーメンよりはちょっと太いくらいの麺を、独特なダシのきいたツユで食べるんだけど、ここで食べた「五島肉うどん」は旨かったなぁ。食べログ3.36とそこそこ高得点なのも頷ける。
次に車で、福江島では比較的新しいという火山「鬼岳(おんだけ)」に行く。ここは火口だった場所の周りをいくつかのピークが囲んでるんだけど、途中の展望台まで行ったら、1つ目のピークに登る坂がけっこう急で、山全体も緑の草原で覆われてるかと思ったらまだ枯草色だったので、一度はヒヨりかけたのだが、いやダメだと自ら鼓舞し、ヒイヒイ言いながら登ってみた。
この日はいい天気で気温も24度くらいあったのだけど、福江の町と、その先の海に浮かぶ数々の島々や、福江島のリアス式海岸が大変に美しい(冒頭の写真ね)。これぞ五島列島。ここはがんばって登った甲斐があったかな。頂上も含む2つ目以降のピークまで行くのは諦めちゃったんだけどね。
それから島の南海岸にある「鐙瀬(あぶんぜ)ビジターセンター」に行く。ここはこの島の地質学的な成り立ちを詳しく展示した無料の施設で、五島列島がどうやってできたかや火山噴火の歴史などがわかる。また、飛行機から下を見て、なんかこの島の田んぼや畑は丸い形のところが多くて珍しいな、と思っていたのが、中心から牛をぐるぐる回しながら耕せるので、伝統的に円形に近い形の耕作地が多いってこともわかった。なるほどね。
この施設の南にある海岸は「鐙瀬溶岩海岸」といって、「鬼岳」が最後に噴火した溶岩が海に流れ込んでできた岩ゴツゴツの場所になっており、展望台や1.5kmほどの遊歩道が設えられている。この遊歩道を、けっこう汗だくになりながら端から端まで往復してみたが、子供の頃に入ってはいけないと言われた防空壕とかを秘密基地にしていろいろ持ち込んだりした、そんなことができそうな脇道や窪みみたいな場所がたくさんあって、なんか懐かしい気分になったな。実際ある脇道の突き当りの景色のよい高みでは、20代くらいの女性が座り込んで本に読み耽ったりしてたしね。
てとこでこの日はこれでおしまい。車で福江の町中に戻り、この旅の宿「コンネホテル」に行く。ここは五島ではたぶん唯一のビジネスホテルで、夕食はついていないがお値段がリーズナブルであり、温泉ではないが大浴場もある。温泉大浴場がある宿もあったんだけどちょっと市街から遠く、また市街地には大浴場のある宿がーー少なくとも洋室で廉価なのはーー他に1つもなかったのでね。
ところが宿に着いてみたら問題が。ぼくの名前を言っても登録されてないという。おいおい、去年10月の福井のホテルに続いてまたなんかトラブルか?だけど今回はHISのサイトを通じて取っていて、<予約確保>というお墨付きももらってるはずだよ。
15分くらい待たされた挙句、確かに予約されてました、ってことで、予約したシングルの部屋ではなく、恐らく予備として取ってあったツインの部屋を、同料金で提供してくれることになった。どうもHISとホテルの間の連絡がうまくいってなかったらしい。シングルだと部屋にシャワーブースがないが、ツインだとついてるし、部屋も広くてラッキー。もっともシャワーブースなんて使わないけどね。2日目に濡れた傘を干す用くらいで。
このホテルは大風呂の他にも、コーヒーがタダで飲めたり、朝食がバイキングではなく和・洋の他なぜか「五島うどんと朝カレー」のセットから選べたり、なかなか至れり尽くせりで悪くないね。一人旅ならここ一択なんじゃない?ご夫婦でもサバけた方々ならいいと思うし、ぼくはカミさん連れでもここを選ぶと思う。温泉でないのが唯一残念なんだけどね。
てとこでホントは2日目まで書こうと思ってたんだけど、既に長くなってるので、大雨で閉口した2日目とそれ以降の話は別途書きますね。旅の間には厳しいかもなんで、少し先になっちゃうと思うけど。
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