きっかけは半年くらい前、学生時代のバンドサークル「音感」の先輩が、Facebookに「これほしー」って書いた記事だった。
電子楽器メーカーのKORGが発売した「CLIPHIT」。調べてみると、確かにこいつはなかなか面白そうだ。こいつはその名の通り、丸っこい、大きめの丼を伏せたくらいの大きさの本体にドラム音源を内蔵し、そこから伸ばしたコードの先にクリップ状のセンサーがついていて、これでいろんなものを挟むと、椅子やクッションや自分の膝が、スネアやハイハットやタムやシンバルになるという、ちょっとした発想の転換おもちゃだ。
こいつはおいらも欲しいなぁと思ってね。と言うのは、ドラムセットが置けないような、狭かったり大きな音が出せないカウンターバーとかで、最近マキゾエとかがミニライブをやるケースが増えてきていてね。前に「健康」をそういうところでやってくれない?ってオファーを受けたことがあるんだけど、そのためにアレンジし直すのは無理ってことでお断りし、その結果マキゾエとブーランが2人で、「ヘルシーハーフ」というユニットを組んで、カーペンターズのコピーとかをやることになった。
なにしろ生ドラムの音ってのは、爆発的に大きいからね。音楽スタジオが成り立ってるのって、つまるところ生ドラムの音が大きいからだ。もちろんハードロックとかデスメタルの皆様は、ドラムに負けないほどベースやギターの音をMAXにして、ぶつかり稽古みたいにしないと満足できないってことはあるんだろうけど、普通のバンドが単に音合わせをするだけなら、生ドラムさえなければ、誰かの家ででもできないことはないんだよね。
だから我が家のような安価な設備の防音室では、生ドラムを置いたら外にも少しは音が漏れるだろうし、家の中はかなりうるさくなってカミさんや娘からのクレームが必至だ。なのでV-Drumsを置いている。電子ドラムなら音量調節ができるからね。まぁパットを叩いたりするだけでも結構音が出るから、電子ドラムとはいえ普通のアパートとかの部屋に置いたら、隣の人に壁をガンッってやられることは間違いないけども。
んで、今現在そういう予定があるわけでは全くないけども、そういう話があった時に、もちろんV-Drumsを持ってけば可能なんだけど、我が家のV-Drumsをばらして運んで組み立てて、終わったら持って帰ってまた元に戻して、なんて、とてもじゃないけど面倒くさくてできたもんじゃない。場所も取るしね。
なのでカホンっていう、木の箱で、上に座って、その箱のあっちこっちを叩くといろんな音が出るっていう楽器を、買おうかなとも思ってたのね。ピンキリあるけどそんなに高いもんじゃないし。だけどカホンの音って要はパーカッションで、コンガとかボンゴとかの延長線上にあるものなので、結局「健康」をやるとなったら打楽器は完全にアレンジし直し、従ってベースも、ほかの楽器も、ってなっちゃうので意味がない。
でもこいつがあればもしかして対応可能かもしれないじゃん?相変わらず薄弱かつ回りくどい言い訳ですが。
いや、実はずっと前から、RolandのSPD-8っていう、これももはや骨董品みたいな楽器だけど、8つのパッドが盤上に配置してあって、それぞれ別の音をアサインできるっていう奴も持ってたのね。実際に前の会社で、部署の打ち上げで即席バンドを組んだ時に、このSPD-8で、「日曜日よりの使者」とかをコピってやったことがある。
だけど1面の盤上だと、ハイハットとスネアに高低差がないために、ドラマーとしては非常にやりづらいことになる。タムだけを使ったオカズとかは、まぁそんなにホントのドラムと差はないものの、スネアとタムを絡めたオカズは、やっぱり高低差がないとかなりの工夫がいる。
てことで、こないだ書いたメインクレジットカードの切り替え後、最初のAmazon利用記念に、CLIPHITを発注した。最初に目をつけたときは1万円以上していたのが、たまたまタイムセールをやっていたのもあって8,890円。まぁ大人のおもちゃとしてはそんなに高いもんでもない。
届いたこいつに、初期セットとしては1つしかついていないペダル--バスドラもしくはハイハットオープンコントロール用--に、我が家にあったKORG T3用のダンパーペダルを加えて取り付け、バスドラペダル代わりにする。キーボーダーなら誰でも知ってることだけど、KORGだけがほかのYAMAHAとかRolandとかとペダル類のオンオフが逆なので、たまたまこいつが家にあってラッキーだった。それとACアダプターも別売だったので、家に山のようにある過去の遺物から物色して、これも電圧・電流量・プラグの大きさが合う奴を見つける。
実際使ってみると、こいつはなかなか楽しい。デスクに直接センサーを着けると、机の上で何かするたびにシンバルが鳴ったり、両膝をハイハットとスネアにして、左膝を少し上げると、TVの音楽番組に合わせてドラムが叩けたりする。
こないだから難しい難しいって散々書いている、Nisshie's Street Bandのある曲のパターンも、机=ハイハット、膝=スネア、ブームスタンドライト=シンバルみたいなミニドラムセットを作って、V-Drumsに座るまでもなく、ブースのデスクの前に座った状態で、手で練習できたりする。
本体のスピーカーはかなりしょぼいけど、ヘッドフォンジャックからアンプに繋ぐと、なかなかよくできた音源を使っていて、おもちゃと言っては申し訳ないクラスの、それなりのいい音がする。
もちろんセンサーは3つしかついておらず、あとはペダルのバスドラとハイハットオープンクローズだけなので、スネアとハイハットorトップシンバルと、残り1つをタムにするかクラッシュシンバルにするかしか音のバリエーションはない。ダイヤル式の音色の選択で、それらの音の組み合わせを決める。基本的な音の種類は、Standard、Rock、Popの3つと、パーカスのセット、効果音的なもののセットの2つだ。
なので本物のドラムみたいに鳴らすには、SPD-8と組み合わせて、タムはそっちから出すとかしないとだめだし、設置の仕方をどうするかとか、ミキサー--これも我が家で使っていないBOSSの4チャンネルのが使えそう--で2つをまとめて音を出すとか、いろいろ要検討事項があるのだけど、こういうのは工夫マニアとしては垂涎の楽しみだ。このところ忙しくて、ぜんぜんできないんだけどね。
来週の「音感 Home Comming Day」が終わったらいろいろと考えてみよっと。わくわく。
コメント