こないだ、歯医者に行ったら上の前歯5本を削って被せ物をし、歯並びを整える治療をした方がいいと勧められ、それに踏み切ったという話を書いた。その後週1回のペースで通い、この5本については、来週の月曜日に残り3本の本歯を入れたら完了、というところまで来ているんだけど・・・
最近の歯医者の常識らしいのだが、上の前歯の位置を、元の位置より少し前に持ってきて、普通に噛み合わせた時に下の歯よりも2mmほど前に出ている状態、これが最も良い歯並びだということで、そういう形になって、イーってした時の見た目は、確かに前よりはかなりキレイに見えるのだけどね。
普通に噛み合わせた状態から、下あごを前に出して、上の歯と下の歯の位置が前後で揃った状態にすることはできるのだけど、その場合でも糸切り歯の高さで揃うので、前歯同士の間にはわずかな隙間ができる。つまりこれまで普通にできていた、糸のような細いものや薄いものを前歯の間に噛んで固定するということが、できなくなったということだ。まぁ糸状のものなら糸切り歯部分で挟むことはできるんだけどね。
ぼくは子供のころから歯で噛む力を利用することが多く、古くはレゴブロックの固くはまって取れなくなった奴を、片方を歯で挟んでもう片方を引っ張って外すのに始まって、指のチカラでは何ともならないものを、歯で固定して何とかする、ってことを普通によくやっていた。そんなことしてたから、いつだったかものすごく硬いものを噛んだら、前歯の一部がちょっと欠けるなんてことにもなっちゃったんだけどね。
なので前歯で細いものや薄いものを固定できなくなるってことは、ぼくにとっては割と由々しき事態で、歯医者さんに何とかならんかと言ってみたのだが、それが普通ですよと。そんなに困ることってあります?と逆に言われてしまった。
実は最も困ったのは、大人になってからも現在に至るまで、手指の爪の両ワキにできるササクレ--体質なのか、できやすいのよね私--が気になって、これを歯で挟んで取るというのが癖になっていた、それができなくなるってことなのだが、まぁ確かにこの癖は人間が大変にみみっちく見えてよろしくないというのは自覚しており、それをもって強く抗弁することは憚られた。
わかった、そんならこれを機にこの癖から脱却するぞと、齢60になってやっと決意した、というのも何とも情けない話なのだが。
てことで、まずササクレを爪切りで取ることにチャレンジしてみたのだが、刃が大きく器具に対して直角だとやりにくいのよね。じゃあハサミの小さい奴ならどうだろう、ってので、Amazonで釣り糸とかを切る用のキレ味自慢のラインカッターってやつを買ってみたのだが、これもやはり小さいとは言え刃が長いし、まっすぐだからうまく行かない。
ネットで「ササクレ 処理」で検索してみると--ラインカッターとか買う前に検索しろよ、って話なんだけど。まぁ600円ほどのものなんでいいんですけど--、ほう、世の中にはササクレ対策用の処理器具なんてもんも売ってるのね。
こちらのサイトによると、そもそもササクレには皮膚がめくれたものと爪が割れたものの2種類があり、これらを挟んで無理やり引きちぎるというのは、化膿したりする原因になって最悪の処置だと。特にこれを歯でやるとなると、口には細菌が多いしと。なるほど、ぼくは今までこれをやり続けていたわけね。
で、対策としては、なるべく乾燥させないため、保湿に気を遣うようにすること。アルコール消毒の機会が増えていることも、お湯で洗い物をしたりするのもよくないらしい。なるほど、洗い物を担当するようになって悪化したってのはあるかも。ここ何年かは必ず手袋をするようにしてるけどね。
なので爪の両ワキ部分に保湿クリームを塗る回数を増やしてみた。これまでは気まぐれに何日かに1回、って感じだったのを、おおむね1日2回くらいは、っていうようにね。指先の腹の方にはべたべたした感じが残って欲しくないので、塗り方も色々と工夫をしてみる。
そしてできてしまったササクレは、引っ掛かりや痛みが出る前にすぐに根元から取ってしまうべきだと。そのための道具として、「キューティクルニッパー」とか、ハサミ型と爪切り型があるのだが専用の「ササクレ切り」などがあり、他にも眉用ハサミを代用する手もあるという。
んじゃ試しにと、「キューティクルニッパー」の安いの--上記サイトでは3,000円くらい以上はするヤツの方がいいって書いてあったけど今回買ったのは600円ほどのヤツ(冒頭の写真)--と、爪切り型の「ささくれ・甘皮切り」という400円ほどのヤツを買ってみた。
「ささくれ・甘皮切り」は普通の爪切りとは違って刃が斜めについており、また幅は5mmほどしかないので、爪のワキのささくれも切りやすい。金属部分はステンレスではないので、長く使っているとサビとかが出てしまうのかも知れないが、いまのところは特に問題ない切れ味だ。
「キューティクルニッパー」の方は、もっと高い奴は刃の幅がより狭いようなのだが、この製品は8mmほどある。刃自体が反っているわけではないのだけど、周りが曲線的なデザインになっているためか、より細かくピンポイントを狙うにはこちらの方がやりやすいように思う。切れ味も柄が長い分テコの原理が働きやすいからか、こちらの方が鋭い気がする。
これらが届いてからほぼ毎日、かなり細かいササクレでも取るようにしているが、今のところ大きな失敗はないものの、気にしすぎると深爪ならぬ深ササクレ取りになり兼ねないから、けっこう細心の注意が必要だ。
あとはちょっとでもササクレが気になるとつい無意識に指先を口元に持って行ってしまうのをなんとか解消しないとね。子供のころ指しゃぶりを辞めたりとか、受験の時数ヶ月禁煙したりとか、それと同じで、この歳で何やってんだってのはあれ、そういう意志の強さは衰えていないことを信じたい。
てことで意外なトリガーから、長年の情けない癖解消に取り組んでます、って話でした。還暦過ぎても人間成長しないとね。
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