先週末はやっぱりこのブログを書けず、今週は月曜日から福島山間部、会津地方に一人旅に来ている。
この辺に来たのは、カミさんと結婚する前、若さに任せての日帰りドライブの時と、後で書くが不本意ながら会津若松に連れてこられた時の2回しかなく、旅先として個人的に空白地帯だったのでね。
1日目は8時ごろ車で家を出て、那須塩原インターから、以前塩原に行った時に何度か寄ったローソンでおにぎりを買い車の中で食べながら、国道352号を快適に飛ばし、12時過ぎに檜枝岐村の先、この時期車で入れる一番奥の御池(みいけ)駐車場に着く。
ここはその結婚前のドライブの時に、新潟側から奥只見湖沿いの道をうねうねと行き、もう暗くなってからたどり着いたあたりで、その頃の認識では「あれ?この辺からも尾瀬に行けるんだ」と、意外な地理感覚にびっくりした記憶があり。
その後2008年にカミさんと娘と尾瀬に行った時に、群馬の鳩待峠から入って尾瀬ヶ原から尾瀬沼に登り、大清水からまた群馬方向に戻ったのだけど、この時の標高差250mほどの登りが結構きつく、尾瀬沼のビジターセンターに着いたら、左の福島の方向から軽装で飄々とした風情でやってくる人たちがいて、あれ?福島側からだともっと楽ちんなのかな?と思っていた。
今回の旅は当初夏になってから行こうかと思っていて、というのは新潟の長岡の花火とくっつけられないかな、って目論見があったからなんだけど、その時期長岡付近の宿泊施設は全く取れないことがわかったのと、その頃だとどう考えても暑すぎるでしょ、ってので、じゃあいつ行く?ってなった時に、上のリンクの尾瀬の記事の最後にも書いてるけど、尾瀬で水芭蕉が見たい!ってなってね。
「夏が来ーれば思い出すー」で有名な例の曲、あれ、「夏の思い出」ってタイトルで、「水芭蕉の花が 咲いている」っていう一節が出てきて、尾瀬と言えば水芭蕉、というイメージ形成に大きく貢献してると思うのだけど、これって考えてみればおかしいのよね。だって水芭蕉って春にしか咲かないから。春と言っても尾瀬は高地なので大体5月中旬から6月中旬までが花期だという。
んで尾瀬の山開きは今年で言うと先週、大体5月下旬ごろなんで、実は尾瀬で水芭蕉が咲いているのを見れるのは、わずか3週間ほどしかない。ここを狙って来れるなんて、リタイアプータロー老人の特権じゃないか!ってことでね。
そんなことで、御池駐車場から30分に1本くらいのシャトルバスに乗って、沼山峠というところまで行く。ここから少し山道を登り、そして下ると、大江湿原というところに出て、ここはもう至る所に水芭蕉が咲いている!この上り下りは標高差100mほどあるんだけど、そんなに急坂ではなく、ストロークの長い--大体3歩~5歩くらいで1段の--階段状になった木道が全面に設えてある。
そもそも尾瀬沼より沼山峠の方が標高が高いので、行きは登りより下りの方が少し長く、帰りは逆になる。いずれにしても、やっぱこのアプローチの仕方が、尾瀬沼に行くには一番楽だということがよくわかった。水芭蕉以外にもリュウキンカという黄色い花やショウジョウバカマ、ワタスゲなんかもところどころにある広い大江湿原を1kmほど歩くと、尾瀬沼のビジターセンターに着く。
この日は天気予報はあまりよくなくて、下手すると雨かと覚悟して行ったのだけど、なんと!雲は多目ではあるものの、基本的に晴れているじゃないですか。燧ケ岳も山頂だけちょっと雲がかかってたけどほぼ全容が見えて、水芭蕉越しの尾瀬沼越しの燧ケ岳という写真(冒頭のヤツね)が撮れてしまった。いやいや、ありがたいことで。
元来た道を戻り、バスに乗って、車に乗り換え、この日は檜枝岐温泉の「かぎや旅館」に泊まる。ここはこの辺でも老舗らしく、部屋はまぁ広いが洗面所やトイレは共同で、風呂はいい温度で気持ちよく、食事は山菜とそば中心で美味だが、その設備の割には値段がちょっとお高い。この時期営業している宿が少なく、最初に取ったところがなんか水道設備の点検があるとかで断って来たので仕方なかったんだけどね。
2日目は朝からかなりの雨だ。その中、国道352号からそのまま401号に入ってまっすぐ北へ走り、南会津町の南郷スキー場の横にある「宮床湿原」に行く。このアプローチ路が、舗装はしてあるが車1台ギリギリ通れるほどの細道で、湿原入口の看板の前にある3台ほど車が停められるスペースに着きはしたのだが、その時点でザーザー降り。
また兵庫旅の3日目の再来かとちょっと躊躇はしたが、まぁ行くかと防水ヤッケにビニール傘を差して山道を登っていく。道が半分川みたいになってたり、灌木が覆いかぶさって傘がひっかかったり難儀したが、10分ほど登ると湿原の周りをまわる道に出て、それをちょっと左に行くと湿原を横切る木道に入れる。
ここはほぼ円形に近いそこそこ広がりのある湿原で、標高が低い分この時期水芭蕉は終わっているが、ワタスゲが一面に咲き、ところどころにレンゲツツジの赤が美しい。もちろんこんな荒天に他に誰に会うこともなく、湿原を突っ切り、右回りの道を帰ってきて車に戻る。靴は大丈夫だったが、ズボンの裾がかなりびしょびしょになった。
次に向かったのは南会津町の中心街に向かって行くと越える峠のそばにある「駒止湿原」だ。その前に昼食にしたかったのだが、予定していた、途中のだいくらスキー場のレストハウスも、もう1件のレストランもやっていない。しょうがないので先に湿原に行くことにした。
「宮床湿原」よりは少し広くてそれほど怖くはないワインディングロードを登っていくと、湿原監視員のいるテントがある駐車場に着く。そこにいた監視員のおばさんに、今日初めての来訪者だ、今日は雨だから誰も来ないと思っていたと言われながら、また傘を差して山道に入る。こちらの道は「宮床湿原」よりもさらに灌木が道の上に覆いかぶさっており、傘をすり抜けた枝に顔をはじかれたりしながら、でも時間的には割とすぐ、3エリアに分かれた1つめの「大谷地」に着く。
「駒止湿原」は広がりは少ないが細長い湿原で、その細長い湿原を縦に縦断する形で木道が設えられている。ここもワタスゲが多く咲いていて、一番奥の「水無谷地」にはまだ水芭蕉が残っていると言われたが、その連絡道は木道ではなく管理車が通れる道路になっており、ここが轍をはじめ随所に水が溜まっていてとても歩きにくかったのと、だいぶ霧が濃くなってきたこともあって、真ん中の「白樺谷地」の入口までは行ったが、その管理車道路を--木道は一方通行なので--駐車場まで戻って来た。
この日は登山靴を履いていたので、兵庫旅の時のように靴が壊れることはなかったが、かなりの雨で紐を結んだ上部から水が入り、だいぶ靴の中がズブズブになっちゃったので、足を拭いて靴下と靴を替えた。家から車で来るとこういう時に便利だ。
それから昼食を食べられるところを探しながら車で走ったが、結局南会津町の中心部までそば屋すら一軒もなく、1時半ごろになってやっと「会津ラーメン」にありついた。これはまぁ普通のしょうゆ味の細麺で、そんなに旨くはなかったな。
次に行ったのは「観音沼森林公園」というところで、割と普通の市民公園みたいなところかと思っていたら、道はかなりの高さまでずんずん登っていく。着いた駐車場はすっかり霧の中で、そこから5分ほど歩いて着くその「観音沼」は、説明書きによると浮島とかが浮いていて幻想的な光景とのことだったが、これがさらに霧に巻かれて、他に人もいないし、ホントに幻想的な様相を呈していた。
それから今度は「塔のへつり」という名所に行く。「へつり」は漢字で書くと「岪」で、「侵食と風化を繰り返した結果できあがった断崖や急斜面」という意味らしいのだが、ここは塔の形をした奇岩が川沿いの200mほどの間ににょきにょきと立ち上がった場所だ。その川につり橋が架けられており、その「へつり」の1つの洞穴に観音様が作られたりしている。ここはまぁなんつーか、昭和の名所感満載だったな。
この日の宿は、湯野上温泉の「まごころの宿 美加登屋」で、じゃらんでの名称はそうなっていたが、予想通り行ってみると「民宿 美加登屋」となっていて、いわゆる民宿的なサービス内容だ。だけど部屋が少し狭いのと、布団が薄いのと、セルフでやることが多少多い以外は、食事もまぁまぁだし、温泉は気持ちいいし、それで値段は前日の「かぎや旅館」のほぼ半額だったので、だったらこっちの方がよくない?って感じだったな。
てことで長くなってるので、3日目以降は別途書きますね。
コメント