先週末はカミさんと久々に福井に行き、帰りの1日は金沢に寄って街歩きをしてきた。
このブログにも、何度か福井に行ったことは書いているが、ここはカミさんの両親の出身地で、カミさんのおじいちゃんやおばあちゃんが住んでおり、結婚してから上記リンクの時(2010年)までは、夏にはほぼ毎年のように、家族で、というかカミさんの両親や兄弟の家族も一緒に遊びに行っていて、ぼくにとっては新しくできた初めての--ウチは両親とも東京なので--「いなか」のような感覚の場所だ。
だが2012年におばあちゃん(カミさんの母方の)が亡くなってからは、親しく付き合いのあった老人たちもみんな亡くなってしまったこともあり、疎遠になっていた。今回は、そのおばちゃんの家が、借地に建てたものなのだが荷物置き場にしていたこともあってそのままになっており、さすがに借地代ももったいないし、13回忌の法要を行うついでに、必要な荷物と廃棄物を選り分けて、必要なものは埼玉新座にある実家に運び、家を空けて、壊して更地にしてしまおうってことでね。
カミさんの両親は10日から行っていたが、カミさんとぼくは11日の朝、初めて乗る北陸新幹線で福井に向かう。過去は電車で行くとなると東海道新幹線で米原に行き、北陸本線特急に乗り換えるしかなく、東京駅まで行くにも時間がかかるし、荷物を運ぶ苦労も考え、車で6,7時間かけて行くのが常だったが、今年敦賀まで繋がった北陸新幹線は、大宮から2時間半で10時過ぎには福井に着いてしまう。速い!オドロキだ。
福井駅前はロータリーがバス用とタクシー用に整備され雨除け屋根がついたり、新しいビルがいくつか建ったり、だいぶ様子が変わっている。そのビルの1つにある、外資系ホテル「コートヤード・バイ・マリオット」に荷物を預ける。北陸は新幹線開通で観光訪問先の目玉になっているのか、連休なんかは宿がまったく取れずに、今年春に新しくできた、28F建てビルの高層階にあるここしか空いてなかった。前日から泊まっていたカミさんの両親の部屋も同じホテルをぼくが予約したのだが、連絡したらまだホテルにいるってことで、一緒にタクシーに乗って、駅から5分ほどのおばあちゃんの家に向かう。
おばあちゃんの家は、築60年の和式モルタルの一戸建てで、以前は福井に来るたびにここに泊まっていたのだが、12年も人が住んでいないと、畳が剥げたり一部に虫が湧いていたり障子や襖のいくつかが開かなくなっていたり玄関先の石灯籠が能登地震で倒れていたり、さすがに今は泊まるには勇気がいる状態だ。
まずは一番広い客間のタンスや押し入れから、入っているものを引っ張り出し、義母にどうする?と確認しながら、実家に運ぶもの、古道具屋さんに観てもらうもの、捨てるものに分けていく。花瓶や大皿、掛け軸、人形、いつも和装だったおばあちゃんの着物や帯の類が大量にしまわれており、しかも几帳面な人だったため、箱入りのものはすべて紐で括ってしまってあるので、1つ1つ空けるのも大変だ。
基本的には汚れたりシミが出たりしているものは全部廃棄、きれいなもの、よさげなもの、これは家に欲しいというものは実家に運び、それ以外は古道具屋さん、という分け方で、廃棄するものは家を壊す業者が一緒に何とかしてくれるそうなので、元に戻していく。お宝が出てこないかと期待していたが、焼き物や掛け軸の類は我々には見る目がないのでわからないけど、直接お金が、とかいうことはなかった。
ただ、おばあちゃんが被保険者で義母が受取人になっている終身保険の証券2つを発見して、これは多分まだ生きていて、数百万は受け取れるんじゃないの?というのはあった(帰ってきてから確認したら既に受け取ってたんだそうだ。なんだ残念)。人がよい人だったので薦められるままにいろんな保険に入ったらしく、保険証券もたくさん出てきたが、他のものは支払われているか有期かで、もう有効ではなかったようだ。
その他、茶の間からは手帳型の1週1ページのダイヤリーが出てきて、これには例えば我々が披露宴をしてそれに出席してくれた時の記録とか、息子が生まれた時の「ひ孫ができた!でかした!」--この時おばあちゃんはまだ69歳だった--などの記録が残っており、これは面白いので持って帰りましょう、ということにした。
頼んでいた引っ越し屋さんが、引き取れる不用品があるか観に来るということだったのだが、1時過ぎに来たこのお兄さんは話がうまく伝わってなかったのか何をしに来たのかわからない状態で、それとは別に主に仏壇を引き取ってもらうために頼んでいた古道具屋のお兄さん社長--柳楽優弥似--に急遽、この日の夕方にも来てもらい、それまでに出しておいたものを観てもらう。ほとんどは売り物にならないようだったが、それでも全部引き取ってくれ、1万円お支払いしますと。いや、十分十分。
途中から義弟の奥さんSちゃんも来てくれて、主に着物類の選り分け作業に加わる。風呂や洗面所がある奥には物置になっている場所があるのだが、ここにはこの家から歩いて2,3分のところにあった義父の実家を、もっと以前に同様に壊したときに持ってきた書籍類が箱のまま置いてあり、これも引っ張り出してきて義父に選り分けてもらう。一方で実家に運ぶものは引っ越し屋さんが持って来てくれたダンボールに詰めていく。
初日の作業はここまでで、駅の近くのそば屋さんに行き、ぼくは福井名物ソースかつ丼とおろしそばのセットを食べて腹いっぱいになった。それからホテルに戻ったが、ここで事件が!ぼくらの部屋の予約を先に入れ、その後に義父母の部屋を追加で取ったのだが、どういうシステムになっているのか先の予約の方が上書きされてしまったらしく、予約が取れていないという。
幸いまだ空いている部屋があったのでそっちを押さえ、料金は正規料金で高いことを言われたが、それは会員料金かなんかで安く取っていた記録が残っていたのでそれでOKにさせる。どうもこの手のトラブルはありがちらしく、先方は対応に慣れているようだった。このホテル、最近は日本にもだいぶあちこちにできているようだが、こういうシステムの不備が残ったまま開業しちゃうところが、いかにも外資系って感じだね。お詫びにとバーで使えるソフトドリンクの無料券をくれたが、結局使わなかった。
もう1つ、このホテルは28階建ての高層ビルで眺めがよいのはよいのだが、最初からわかっていたことだけどバスタブがなくてシャワーブースだけなのよね。この辺もいかにも外資系って感じだね。先週末はずっと好天で暖かかったんでシャワーで大丈夫ではあったものの。部屋は広いしダブルベッドだし、その他の設備はすべて新しくてきれいでよかったんだけども、値段も会員料金でも近所のビジネスホテルと較べれば1人1泊あたり数千円高いし、まぁ他が空いてたらぼくならまず予約はしないな。
2日目は義弟も前日最終の新幹線でやってきて、タクシー2台でおばあちゃんの家に行き、前日の続きの作業をする。この家は2階に外階段で上がれる3間の部屋があり、貸せるように造ってあるのだが、ここに義末弟が長野での一人暮らしを引き上げて実家に戻った時に、実家に持って行ききれなかった荷物が大量に置いてある。義末弟自身は翌日の法要には来るが引っ越し屋さんが来るこの日には来られなかったため、事前にこれらを見に来ていて、箱に印をつけといてくれればいいのにその時にペンがなかったのか、紙に写真を印刷し、運ぶべき箱やモノの指示が書かれているのだけど、これがまぁわかりにくい。
なんとか9割がた選り分け--翌日義末弟が確認して2箱ばかり追加で宅急便で送ったようだが--、さらに物置から出てきた結婚式の引き出物など古道具屋さんに観てもらうものをおばあちゃんの寝室に移し、午後2時ごろには作業を終える。
結局新たにできた箱が16個、2階の義末弟のものが22個、これらに三味線3挺--おばあちゃんは三味線のお師匠さんだったので--、2010年に行った時に買ったTV、大風呂敷に包んだ着物4包み、たんす1棹、椅子2脚などを、夕方来た引っ越し屋さんに持って行ってもらう。1.5トン積のトラックが満杯になり、長距離は危険なのでもう少し大きいトラックに乗せ替えますとのこと。16日にこれらが届いた実家では、使ってなかった部屋1つが丸々、荷物で埋まっているそうだ。
てことでおばあちゃんの家のかたづけは翌日の古道具屋さんによる仏壇その他の引き取りを残して終了。まぁかなりざっとではあったけど、よく2日で終えました。この日は以前もいつも行っていた中華料理屋さん「ピリケン」でまた、エビチリや餃子、小籠包なんかで腹いっぱいになる。以前あった「鶏肉とカシューナッツの炒め」がなくなって、「海鮮とカシューナッツ」になっていたが、これも美味かった。
てことで長くなってるので3日目の法要と4日目の金沢紀行の話は次回書きますね。
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