今回は前回に続いて奈良旅行の2回目。63回目の誕生日になった3日目は、吉野と高野山に遠征するプランだ。
・9:00→9:35吉野山下千本・・・金峯山寺(仁王門,蔵王堂,鐘楼,南朝妙法殿,聖仏舎利法殿,役行者銅像)・・・下千本
・10:35→12:00奥の院駐車場・・昼食
・12:40・・・高野山奥の院(参道,水向地蔵,御廟橋,燈籠堂(弘法大師御廟))
・13:25→13:30金剛峰寺前駐車場・・・金剛峰寺(主殿(瀧図,断崖図,大広間,柳の間,蟠⿓庭))
・14:10・・・壇上伽藍(中門,金堂,御影堂,根本大塔,不動堂)・・・14:55金剛峰寺前駐車場
・14:55→16:55グランヴィリオホテル奈良 和蔵 ※「→」は車移動、「・・・」は徒歩移動
この日は悪天候の予報だったが、朝は雲はあるが雨は降っておらず、風は強いものの吉野に行っている間は天気が持った。下千本の駐車場に着いてみると、そこから上の道は下り方向一通の規制がされているはずが、この日は規制は解除されていると言う。ラッキー!ってことで、そのまま車で登って金峯山寺そばの仏具屋さんの駐車場に停める。
金峯山寺は言わずと知れた役小角が開いた修験道の総本山だ。国宝の仁王門は修復中で目隠しパネルに覆われていて観られなかったが、同じく国宝の蔵王堂は、とても大きく荘厳で立派な建物だった。本尊ご開帳をやっていたがそれはパスして、南朝妙法殿や役小角の銅像などを観に行く。ここは紅葉がなかなか美しかったが、いかんせん曇り空で、映え写真は撮れなかった。
それから、桜の時期には山一面のピンク色が観られるという花矢倉展望台に、交通規制されていたら行くのがかなり大変だったので諦めるつもりだったが、規制されてないならと行ってみた。金峯山寺が標高360mに対し花矢倉展望台は600mあり、かなり細いうねうね道を、カーブを曲がり切れず切り返したりしながら登っていく。
着いてみると人はだれもおらず、オンシーズンには1,500円するはずの駐車場代も取られない。ここからの眺めは確かにかなりよいが、この時期上から見ても紅葉はほとんど目立たないので、やっぱ桜の頃に来ないとあんまり価値はない感じだったな。
吉野山を降りて和歌山県に入り、高野山に向かう。途中、遠回りにならないよう橋本市から左に折れ国道371号を行ったが、この道はナビがどうにも通らせたがらないし、行ってみると狭隘路なので九度山側から行きなさいとUターンを勧める看板まで立っている。まぁ行くかとそのまま進んだら、いやいやこれがとんでもない細いうねうね道で、しかも強風で葉っぱだけでなく折れた枝が多数道路に散らばっており、車の下にガンガン当たる。
それでも何とか20kmほどのその道を走破し、高野山奥の院の駐車場に停めて、ラーメン屋さんで昼食にする。そして小雨がぱらつき始めるが傘を差すほどでもない天候の中、まず奥の院に、いろんな企業や武将やなんかの墓や碑が並ぶ道を行き、水向地蔵に水をかけ、弘法大師御廟がある燈籠堂にお参りする。ここはさすがに神妙な雰囲気だ。ここでは「南無大師遍照金剛」と3度唱えてからいつものお祈りをする。
車に戻って少し移動し、今度は金剛峰寺の主殿と、そこから10分弱歩いたところにある壇上伽藍に行く。 主殿は各部屋の襖絵と蟠⿓庭という大きな枯山水の庭が見事。壇上伽藍では金堂や根本大塔、その中のご本尊は荘厳で立派だったが、これらの建物は火災などで何度も焼失再建されて比較的新しく、唯一の国宝である不動堂は修復中で足場に囲まれていた。
高野山は紅葉がかなりきれいだったが、だんだん雨が激しくなって、嵐の様相を呈してきたので、もう1ヶ所、北条政子が創建したという金剛三昧院(国宝もある)にも足を延ばそうかと思ってはいたのだが、そのタイムリミットとしていた14:45分に駐車場には戻れたものの、ちょっとこの天気で歩いて行くのはしんどかったので、今度は九度山側から山を降りて高速に乗り、天理市の「グランヴィリオホテル奈良 和蔵」に向かう。途中高速がまだ未完成の場所では少し渋滞に遭った。
ここは前日の桜井と同じルートイン系のホテルで、桜井は人工温泉だったのが天然温泉で、1泊9,900円とまぁまぁリーズナブル。夜はかなりの降りで、このホテルは中のレストランが週末しかやってないってことで、雨の中近くの「ステーキガスト」に行ったが、ちょっと歩いただけでジーンズの裾が少し濡れてしまった。
4日目は奈良盆地を東西に間切りながら奈良市に近づいていくプラン。
・9:00→9:20法隆寺(南大門,中門,回廊,鐘楼,大講堂,金堂,五重塔,西円堂,三経院・西室,聖霊院,東室,大宝蔵院,綱封蔵,食堂,東大門,夢殿,伝法堂,東院鐘楼)
・11:00→11:20朝護孫子寺(大寅,剱鎧護法堂,三宝堂,虚空蔵堂,本堂,開山堂)
・12:05昼食
・12:45→13:25正暦寺(福寿院,本堂・鐘楼)
・13:55→14:25薬師寺(休が丘八幡宮,西塔,東塔,東院堂,金堂,大講堂,仏足石・歌碑)
・15:10→15:15唐招提寺(南大門,経蔵,宝蔵,新宝蔵,金堂,講堂,鼓楼,礼堂,御影堂)
・16:10→16:25ダイワロイネットホテル奈良
まず法隆寺だが、やっぱここはすごい。日本最古の塔である五重塔をはじめ、飛鳥時代の建物がずらりと並び、西院伽藍の中に入ると、見渡して視界に入るものすべてが国宝という、こんな場所は日本で多分ここしかない。建物にも、大宝蔵院に置かれた有名な玉虫厨子をはじめとする各種の仏像等にも歴史の重みがあり、よく1,400年もの長きに渡って維持してこられたものだと感動する。法隆寺のまわりはかなりきれいに紅葉しており、この日は朝から雲が多めではあったが時折陽が射す天候で、何枚かいい写真も撮れた。
次に信貴山を車で登り、朝護孫子寺に行く。紅葉ランキングにあったここは、聖徳太子が毘沙門天王を感得した場所に命蓮上人が建て、醍醐天皇の重病からの全快に寄与したとのことで朝護孫子寺という勅号を賜ったってことで、それほど広くはない山中に、堂塔がひしめいている。本堂からは奈良盆地の景色が望め、また紅葉は確かにかなり美しい。ただ陽射しとのタイミングがいまいち合わなかったんだけどね。
朝護孫子寺そばのラーメン屋(2日連続になっちゃったがこっちの方が美味かった)で昼食にし、次に向かうのは高速に乗り奈良盆地を横切って東の山中にある正暦(しょうりゃく)寺。 一条天皇の勅命を受けて兼俊僧正が創建したここは、紅葉の鮮やかさから「錦の里」との別名もあり紅葉ランキングにもあったのだが、本尊、薬師如来倚像の特別拝観もさることながら、やはり紅葉がきれいだ。でも残念ながらここでも陽射しとの折り合いは悪かったなぁ。
次に現在の奈良市の西、平城京祉の南にある薬師寺と唐招提寺に続けて行く。680年に天武天皇が皇后鵜野讃良皇女(うののさららのひめみこ=後の持統天皇)の病気平癒を祈って発願した薬師寺は、伽藍内で唯一残った国宝の東塔(とうどう)の、大小6つの屋根が重なる三重塔の姿が実に優美だ。 もう1つの国宝東院堂のそばのトイレの男女の表示が「善男子」「善女人」となっていたのに笑ってしまった。悪い人は入っちゃダメってことね。
759年に鑑真が戒律を学ぶ人たちのため開いた修行道場である唐招提寺も国宝・重文の宝庫だが、ここは堂塔の中には入れてくれないものの、新宝蔵内で宝物を期間限定公開していた。創建当時の金堂の鴟尾(しび(国宝):屋根の棟の両端に設えられる飾り・戦国末期には鯱が置かれるようになった)の展示について他の女性客が質問したら、話好きらしい受付のオジサンが滔々と蘊蓄を語ってくれたのを聞くことができた。まさにこの鴟尾が井上靖の「天平の甍」のモデルになったんだそうだ。
薬師寺も唐招提寺もきれいに紅葉した木があり、この日は午後遅くからは天気が回復したので、やっときれいな写真がいくつか撮れた(冒頭の写真ね)。ただだいぶ日が傾いてきちゃってたんだけどね。
この日の宿はJR奈良駅西口すぐにある「ダイワロイネットホテル奈良」なんだけど、この時期奈良駅そばの宿は高いか、駐車場が少ないか、TVが壁掛けで近ごろの旅のお供の小型HDDレコーダーが接続しにくそうかで、なるべくそれらの折り合いがつくところってので予約したのに、かなりイマイチだったな。2泊で30,184円とルートイン桜井駅前のほぼ倍する上、TVが机置きの写真だったはずなのに高い位置の窪みに壁掛けで、絶対動かせないように固定してあってレコーダーが繋げない。つまりドラマとかはリアルタイムで観るしかない。その他自販機で500ml缶ビールを売ってないとかもろもろ、細かい点でガマンを強いられることが多い。
よくよく調べれば駅そばでも普通のコインパーキングで600円/24hってのもあったし、駐車場少ないとこでもよかったな。予約の時もっと追求しときゃよかった。まぁ一応天然温泉なのはいいんだけどね。ダイワハウス系ホテルは一昨年の中国旅でも大山で泊まっていて(こっちは今は経営が変わったらしいが)、そん時もいろいろ問題あったじゃん。今後はダイワ系はやめとこう。
天気は午後回復したのに夜にはまた雨になり、夕食を食べに出たら調べてあったちょっと距離のあるオムライス屋さんが予定外のお休みで、駅前の大阪王将に行くことになった。翌日も駅中の地元食材の店に行ったらもう材料がなくなったと言われ、向かい側のやよい軒に。なんか奈良駅そばでは夕食も逆縁だったな。
てことでまたまた長くなってるので5日目以降は後日にします。
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