今回は奈良旅行の最終回。5日目は50数年ぶりの奈良公園を歩き周るプランだ。
・9:00→9:25興福寺(東金堂,五重塔,中金堂,北円堂,南円堂,三重塔,国宝館)
・10:15・・・10:26依水園
・10:56・・・11:05東大寺(南大門,東大寺ミュージアム,大仏殿,八角灯篭,戒壇堂)
・11:55・・・12:01昼食
・12:42・・・12:50東大寺(転害門)
・12:55・・・13:05正倉院正倉
・13:20・・・13:28東大寺(鐘楼,開山堂,二月堂,法華堂)
・14:08・・・14:23春日大社(祓戸神社,着到殿,御本社南門,回廊内(中門・御廊,御本殿他),御間型灯籠,夫婦大国社,酒殿・竃殿,総宮神社,船戸神社,国宝殿)
・15:23・・・15:53駐車場 途中春日大社参道(馬止橋,鹿苑,飛火野,雪消の沢,御旅所,馬出橋,一の鳥居等)
・15:53→16:05ダイワロイネットホテル奈良 ※「→」は車移動、「・・・」は徒歩移動
車で行くつもりだったのだが、1日ずっと停めとくだけだし、駐車場が停まれるか不安だったので、ホテルのフロントのおっさんに聞いて市内循環バスで行くことにした。バス停3つの距離だし、往復500円で駐車場代より安いのでね。実際は行ってみたら興福寺の一般車駐車場はガラガラだったのだけどね。
藤原氏の氏寺興福寺は、五重塔が修復中で観られないことはわかっていたが、この日は同じく国宝の東金堂も閉堂中で、中に収められた貴重な仏像たちは観ることができなかった。それでも中金堂内の仏像や北円堂、三重塔などの国宝・重文を観て周り、最後に国宝館に行く。
ここは幼心にも印象に残っていた阿修羅像を始め国宝の宝庫で、特に阿修羅像を含む八人衆十大弟子は、各々の表情がとても豊かで一般的な仏像との違いが際立っている。阿修羅像は正面の顔も悔恨に満ちた感じだが、右後ろ側の顔は唇を噛んでいることに今回気づいた。出口の売店でカミさんへのお土産に、この阿修羅像のクリアファイルを買った。
依水園は江戸期と明治期に商人が作った庭園で歴史的価値はそれほど高くはなく、興福寺と東大寺がけっこう時間がかかりそうだったのでパスしようかとも思っていたのだが、そこそこ余裕があったので行ってみると、奈良公園全体もきれいだったが、紅葉ランキング上位に入っているだけあって、ここの紅葉は素晴らしかった。この日は晴れてたかと思うと小雨がぱらつくのを3,4回繰り返す変な天気だったのだけど、陽射しが来たら戻って写真を撮るってのを何度かやって、いい写真も撮れた(冒頭の写真ね)。
東大寺はまず南大門から東大寺ミュージアムに入って日光月光菩薩像等を観て、大仏殿に入る。廬舎那仏は変わらずどっしりと堂々としたお姿だったが、ここは国内外含め観光客が多い!有名な「柱の穴くぐり」はかなりの列ができていた。
それから戒壇堂を経て吉野本葛天極堂というお店で、葛うどんと葛餅のセットの昼食。なかなか美味だったが、この時外は雨模様になってしまい、その中を東大寺の転害門を経て正倉院正倉に行く。保管してあった宝物を奈良国立博物館で期間限定展示する「正倉院展」は今回はタイミングが合わなかったのだが、国宝の建物を観ておきたくてね。ここには修学旅行と思しき小学生がたくさん来ていた。
それから東大寺の方に戻り、二月堂や法華堂を観て、そのまま若草山山麓を春日大社の方に向かう。ご存じの通りこの奈良公園はそこかしこに鹿がいるのだが、春日大社の神の使いである彼らは、すっかり人に慣れてしまって、本当の野生に戻ったら多分生きていけないだろうなぁ。
春日大社では、いくつかの末社にお参りしながら、御本社回廊内の特別参拝で、ご本殿や後殿にお参りし、回廊内をぐるぐると歩き回る。燈籠で有名なこの神社には、現存する室町時代以前の燈籠の六割以上があると言われているそうだが、回廊内にも多数ぶら下げられており、特に「藤波之屋」という建物では、内部を真っ暗にして燈籠に火を入れ、年3回行われる「万燈籠神事」を再現していて、大変美しかった。
大神神社で1つしか買わなかった孫用の「子供守り」を追加でもう1つ買って、参道を興福寺の方に戻り、バスでJR奈良駅に帰って来る。ちょっと時間があったので、奈良駅ビルのお土産屋さんに行って、修学旅行の小学生たちの多くがつけていた鹿角のカチューシャを孫たちに、また大仏の両耳が赤と黒の芯を出すスイッチになっているノック式ボールペンを、ボールペン蒐集が趣味のカミさんに、お土産に買った。
最終日の6日目は奈良北部の比較的遠方にあるお寺を3つ周ってから、長駆家に帰るプラン。この日は2日目以来のスカッと晴れた好天になった。
・9:00→9:25秋篠寺(庭園,本堂)
・9:55→10:25浄瑠璃寺(本堂,庭園,三重塔)
・11:05→11:25圓成寺(楼門,本堂,多宝塔,春日堂・白山堂,宇賀神本殿)
・12:05昼食
・12:45→20:00帰宅
光仁天皇の勅願寺で奈良時代建立の最後の官寺となった秋篠寺は小さなお寺で、ホテルをちょっと早く出たら参拝は9:30からってことで少し待たされたが、ランキングにも入っている紅葉もさることながら、苔むした庭というか森の風情が素晴らしかった。
ここは渡辺淳一の不倫小説で主人公と不倫相手が旅行に行く場面があって知っていたのだが、この地の名称「秋篠」が秋篠宮の命名元になったってこともあり、本堂の中の像の1つ伎芸天のお顔が紀子さまに似ていると噂になったそうだが、むしろ本尊の薬師如来が俳優の松尾論にそっくりで笑ってしまった。
聖武天皇が僧行基に建立させたという浄瑠璃寺は、今回唯一県境をちょっと越えて京都府にある。ここをなぜ行く先の候補に挙げたのか自分でも記憶が定かでないのだが(たぶん国宝がある場所から拾ったのかな?)、なんでランキングに入ってないの?っていうくらい紅葉が美しかった。
極楽浄土を模した、真ん中に池を置く平安後期に栄えたという浄土式伽藍が今もそのまま残っている庭園の、その池の周りを色づいた木々と国宝の三重塔が囲む様子に、ちょっと見惚れたな。山の影で池全体には陽が当たらないのが惜しい、って感じ。帰りに参道脇にあった焼き物屋さんで、玄関の飾り棚に置く用に小さな傘地蔵を買った。
最後の圓成寺(えんじょうじ)は、聖武上皇・孝謙天皇の勅願で、鑑真の弟子、唐僧虚滝和尚が開山したそうだが、こんな山奥のお寺にも国宝の像や建物があるのが奈良の歴史の深さだよね。ここは紅葉がランキングの通り、一面という感じではないものの、光の加減も相まってとてもきれいだった。
圓成寺への入口にあったそば屋さんで天ぷらそばを食べ、今回の旅もおしまい。あとはひたすら帰るのみだ。柳生の里から月ヶ瀬湖畔を通って名阪国道に乗り、頂上まで晴れた富士山を横目に、途中厚木から先の東名、首都高が混んでるという情報だったので圏央道と関越を通って、少し渋滞には遭ったが、地元の丸亀製麺でうどんを食べ夜8時すぎに無事家に帰って来た。
車で走った総距離は1,335km、お疲れ様でした。今回のプランは去年の反省を踏まえ、時間に余裕を持たせ過ぎないようにけっこうカツカツに組んだのだが、このくらいの感じでちょうどよかったな。計画上の時間配分の精度がだいぶ進化したのも個人的には嬉しいことでした。写真は全部で524枚も撮ってしまいました。
さて、去年京都、今年奈良と行ったのだが、来年はどうしようかねぇ。これも多分50数年ぶりの伊勢神宮に行っとこうかな?
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