先週このブログをサボってしまったが、それは「健康」の練習と旅計画に終始する変りばえのない生活をしていたからでね。結局2月は確定申告以外はほぼずっと旅の計画を立てていた。
他にやったことと言えば、下に書いたちょっとした調べものと、固定電話子機のバッテリーや車のキーの電池の交換、あとは勘で合わせただけだったのでやはりノイズが出てきてしまったBSアンテナの方向を、アンテナレベルチェッカーを使ってちゃんと調整したくらいでね。まぁこれは、微妙に東方向に、また少し仰角を上げたことでかなり改善し、前にまともに映らないと書いたBS朝日もきれいに映るようになってよかったんだけどね。
上半期の旅計画完了と書いたのに、なんでまた計画を追加することになったかというと、1つは夏休みで、今年はお盆の時期に、久々に行くある高地のホテルを予約してあったんだけど、どうもこの時期出かけられそうにない事情が起こり、なら代わりに7月の海の日絡みの連休に出かけるか、ってことで、奥飛騨とこれも久々の上高地に行く計画を立てたため。
夏なのでなるべく標高が高いところに泊まりたいってので、奥飛騨温泉郷の中でも過去に2,3度泊ったことがある平湯温泉に宿を取ったが、昔はなかったビジネスホテル風のホテルは、そこの連休だともう残り1室しかなかった。人気スポットはみんな動きが早いね。
もう1つはカミさんが今年度中に代休を消化しなきゃならないので、今月21日を休むからその前後にどこか行く予定を入れて、と言われてね。「いちご狩り」というキーワードがカミさんから出たので、じゃあもう行き尽くしてるけどやっぱ伊豆か、ってことで、伊豆の中でも行ったことがない場所をほじくり起こして計画を立てた。
伊豆の南の方に行く時は定宿にしていた下田の先、碁石が浜の別荘地の中にあった「ベイ・ベリー」さんがコロナで廃業してしまったので、これまで泊ったことがなかった稲取温泉に口コミ評価の高いプチホテルを見つけて、ここを予約した。こちらは直前ということもあり平日絡みの予約なのにやはり残り1部屋。まぁどっちも取れたんでよかったんだけどね。
カミさんと車で周るこの手の旅の場合、いずれも2泊だし、寺やら教会やらを巡る鎌倉とか五島とかと較べると立ち寄り先の数や調査事項はそんなに多くはなく、計画自体は格段に楽に立てられて、先週から今週頭にかけ一応仕上がった。これで一人旅も含めると3月から7月まで毎月旅に出ることになる。あとは夏休みに行くつもりだった旅の計画を、今年無理だったとしてもどうせいずれ行くので、念のため作っておくかどうかだな。
さて、話は全然変わるんだけど、ぼくがこれまで60数年生きてきた中で、一番好きで最も素晴らしいと思うアルバムは、グラミー賞の最優秀アルバム賞も取った1975年Paul Simonの「Still Crazy After All These Years(邦題:時の流れに)」だって話は、このブログの超初期に書いた。初期の記事は恥ずかしいのでリンクは貼りませんけどね。
この評価はぼくの中でいまだに変わっておらず、このアルバムは今でも寝る前とかに時々聴いて、やっぱいいわぁ、精神安定剤、睡眠導入剤としてもサイコー、と聴くたびに感じているのだけど、このアルバムの最初に入っているタイトル曲の歌詞が、何十年来引っ掛かっていたのに調べてなくてね。最近はサブスクで聴いちゃうけど、そもそも日本盤LPを持ってるんだから、歌詞カードを見ればわかることなのにね。
この曲はRhodes(エレピ)のイントロが印象的で、間奏のオーケストレーションやMichael BreckerのSax Soloも素晴らしいのだけど、すごく聴きやすいにも関わらず、実際は曲中で何度も転調していたり、小節数が4の倍数でない場所が多々あったり、変拍子があったり、音楽的には難しいことを随所でしていて、それらがほとんど目立たないというのは、アレンジとしてもとてもハイセンスだということだ。
Paul Simonという人の作る曲は、恐らく本人の性格もそうなのだろうけど、アメリカ人には珍しく--というのは偏見かも知れないけど少なくともトランプとは対極の--、とてもシャイで繊細でシニカルな歌詞が多い。例えば同じアルバムに入っているヒット曲「My Little Town」の、久々にかつての相棒Art Garfunkelと組んだめちゃキャッチーなサビのコーラスの歌詞は、「Nothing but dead and dying back in my little town」(ぼくの故郷の小さな街には、死人と死にかけた人がいるだけだ)という具合だ。
タイトル曲「Still Crazy After All These Years」の歌詞も、昔の恋人に通りでばったり会った、彼女はとても嬉しそうで、僕もちょっと微笑んだ、でもこんなに時が経ってもいまだに君にイカれてるんだ(Still crazy after all these years)、という彼らしい入口から始まり、その後映画のように場面が展開していく。
引っ掛かっていた歌詞というのは、Bメロ、と言うかこの曲は構成も一筋縄ではいかないので、本来なら2コーラス目のAメロに当たる部分での別メロのような大フェイクのところのことなんだけど、ぼくの稚拙な英語力だと「I'm not the kind of man who tells social lie」に聞こえてしまって、socialというのはなんか「決定的な」とか「致命的な」みたいな意味があるのかなぁ?と漠然と思ってたのね。
これが今回調べてみたら実際は「I'm not the kind of man who tends to socialize」、つまり「ぼくは社交的な傾向のあるタイプの人間ではない」って言ってたのね。なるほどね。しかしこれもまたずいぶんと回りくどい(≒シャイな)言い方だよね。「I'm not socialized」って言えば済むことなのにね。その言い方だと意味合いが違っちゃうのかな?
この曲の歌詞はその後、自分の性格にあきれながらも自分の人生の平凡さに開き直り、最後に、「自分が何かしでかしてしまうかもしれないことを恐れているけど、ぼくと同類の輩の陪審員がぼくを裁けるはずがない、ずっと前から狂ってるんだ」と、「Still crazy・・・」をアメリカの陪審員制度を批判する意味で使っている。
この歌詞にはいろんな人がいろんな解釈を加えており、2コーラス目の「Still crazy・・・」は「ぼくは昔から性格が変わってなくて狂っている(変わり者なんだ)」という意味で、最初の「君にイカれてる」と併せてトリプルミーニングを持たせている、というのが、言葉使いに多少の差はあれおおむね定説となっているようだ。
いやいや、深いね。音楽的にも歌詞の内容も大変に深い。彼の書く歌詞は他の曲でもひねくれてて意味深で余韻があるものが多く、ぼくにもうちょっと英語力があったら深掘って研究してみるのになと思う。英語のできる詩心のある方は、ぜひともいろんな曲をじっくりと聴いて味わってみて欲しいものです。
さてさて、先週は初夏の陽気だったのが今週は雪が降り、来週はまた一転して暖かくなるようで、この気温の乱高下に体がついて行かない方もいらっしゃるかと思いますが、なるべく風邪などは引かれないように、ご自愛くださいね。
コメント