先月後半から今月頭にかけて、サザンオールスターズと上原ひろみがそれぞれニューアルバムの発売&配信を開始した。どちらもよい出来で素晴らしい。
サザンのニューアルバム「Thank You So Much」については、「Eight JAM」で2週に渡ってサザンの特集をし、桑田氏がインタビューに登場していろいろと語っていたことで知ったのだが、10年ぶり16枚目のアルバムで、桑田氏ももう69歳でありながら、ロックからポップス、歌謡曲、ファンクなど幅広い音楽性を持ち、でもそれでも1つのまとまったサザンなんだよね、という作風は全く変わっていない。
サザンについては以前に、高校3年の時に文化祭の後夜祭に向けて、「サザンオールコピーズ」というバンドを組み、校庭に楽器を直置きして、後にも先にもあれだけ盛り上がったことはなかったというライブをやった、って話を書いた。
ところがぼく個人は、デビューから「Tiny Bubbles」までの3枚、特にまさにその後夜祭の時期までに発売された、1枚目の「熱い胸さわぎ」と2枚目の「10ナンバーズ・からっと」の2つのアルバムは、多分誰かに借りて録音させてもらったカセットテープを、それこそ擦り切れるほど聴いたけど、それ以降はほとんどフォローしてなくてね。多分大学に入って、ブラックミュージックに傾倒したから、ってのが大きかったんだと思うけど。
まぁそれでも山下達郎や竹内まりや、大学に入ってから人に聴かされて好きになったユーミンなんかは、アルバムが出る度に必ず買って聴いていたから、そこまで好きっていうグループには自分の中で入れてなかったんだろうね。就職してから人がカラオケで歌う「Bye Bye My Love」を聴いたり、「Count Down TV」なんかで「真夏の果実」とか「TSUNAMI」とかを聴いて、ホントいい曲書くなぁ、とは思っていたけどね。
だから今回のニューアルバムを通して聴いたのは、途中何枚かのアルバムは桑田氏のソロプロジェクトKuwata Bandなんかも含めて拾い聴きはしていたとは思うものの、個人的には多分45年ぶりくらいのことだ。それだけ時が経ってもやってることはほとんど変わってないってのはすごいことだよね。もちろん宇多田ヒカルのように、どんどん変わってくけどどれも彼女にしか創り得ない、ってのもホントにすごいことだと思うけども。
今回、その最初の2枚のアルバムも、サブスクだと簡単に聴けちゃうので、何十年ぶりかで聴いてみたんだけど、やっぱ70年代末の音ってすごいショボかったのね、ってことがよくわかった。これらのアルバムも昨年リマスター版が出ているようだけど。
これらのアルバムを聴いてみたのは、印象に残っている8分の6拍子のロッカーバラードの一節で、「誰でも恋するように 俺もあなたに恋した」というのと「彼氏になりたきゃどう言うの 思い切りその気持ち」というのの2つがあって、これってなんて曲だっけな、ってのが引っ掛かっていたからってのもあってね。
聴いてみてわかったのは、これらは別々の曲で、「誰でも恋するように・・・」の方は「熱い胸さわぎ」の4曲目に入っている「恋はお熱く」、「彼氏になりたきゃ・・・」の方は「10ナンバーズ・からっと」の3曲目「ラチエン通りのシスター」だった。人の記憶ってのはいい加減なもんですな。ただ、この2曲はテンポはほぼ同じ、コード進行も一部似ていたりするのでね。
でもこれら2曲は、シングルカットされたわけでもないのに、サブスク(YouTube Music)のアルバム内の再生回数で言うと、前者が「勝手にシンドバッド」に次ぐ2番目、後者が「いとしのエリー」「思い過ごしも恋のうち」に次ぐ3番目、といういずれも人気曲なのね。後者なんてシングルカットされてそこそこヒットした「気分しだいで責めないで」の3倍くらい再生されている。やっぱ印象に残る曲ってのはみんな似たり寄ったりなのかな。
一方上原ひろみの「Out There」の方は、一昨年組んだ新バンドHiromi’s Sonicwonderをフィーチャリングしての1年半ぶりのアルバムとなったが、いやいや、相変わらスゴいっす。のっけからこんなに緊張感のあるアルバムって、近頃はもう彼女のものしか聴かなくなったなぁ。
学生だった頃は、Fusion系の大御所たちのアルバムは聴いていたし、Gino Vannelliのように歌モノでもバンドがものすごい演奏テクを発揮したものなんかもあったから、こういう緊張感にはもっと多く触れていたように思うけど、世の中からそういう音楽自体が減ってしまったのか、歳取ってそういうものから自然と離れてしまったのか?
他にもラーメンに対する並々ならぬ愛を表明してきた彼女が満を持して制作した「Yes!Ramen!!」とか、Michell Willisという人のボーカルをフィーチャーしたバラードとか、4曲に分け計30分を越える組曲「Out There」とか、聴きどころ満載で、日本が世界に誇る超一流ミュージシャンが、円熟味を増してきたその力量を思い切り発揮した素晴らしい出来栄えだ。新バンドでトランペットが加わったのが、表現力をさらに一段と多彩にしてるね。
ぼくらの同世代のバンドマンたちは、多かれ少なかれ往年のFusion他の演奏テクニックに憧れを持ったもんだと思うけど、そういう皆さんには是非聴いてほしいと思う。いまさらこのテクに追いつこうなんてのは無理としても、当時の思いを想起して、熱くなれること請け合いだと思いまっせ。
こないだの「Eight JAM」の予告では、近々彼女も「Eight JAM」に登場するようなので、それもとても楽しみだ。皆さんも是非観てくださいね。
さて、先週日曜日、オフクロが急に具合が悪くなって病院に救急搬送された。一時は呼吸が苦しくなり危機的かも、という状況に陥ったが、週の後半になって薬が効いてきて、今は回復に向かっているということで一安心。94歳にもなると、どこか悪くなるといろんな症状を引き起こすし、体力のある人になら可能な治療手段もなかなか取れなかったりして大変ですな。明日また顔を見に行ってくる予定です。
てことで近ごろなかなかネタがなくサボりがちなこのブログですが、再来週には今のところ今年予定している中では最大の旅行、五島列島への一人旅に行ってくることができそうなので、いろいろとご報告できると思います。今週はこの旅程の再確認や一部組み直しにだいぶ時間を割きました。来週のブログはまたサボっちゃうかもだけどね。
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