先週から3回シリーズでやっていたNHK特集、「シリーズ女と男」を観た。前に書いた「話を聞かない男、地図が読めない女」の内容と近い部分もあったけど、その他にも最新の研究結果とか、いくつかの事実が付け加えられていて興味深かった。
そもそも男と女の恋は長くて4年くらいしか続かないようにできていると。なぜなら恋というメカニズムは、不完全なまま生まれる子供をそこそこ生きていけるまで2人で育てるためにできたもので、そのためにそんなに長続きするようにはできていないと。
だけど、いまの男女関係は子育てのためだけにあるのではない。そこで、男女関係はどうすれば長続きするのかという科学的な探求がさまざま進められていると。そしてアメリカのある科学者は、夫婦の会話を少し聞けば、彼らが何年か以内に離婚することがほぼ確信できるという。
たとえば女は、相手の顔の表情から感情を簡単に読み解くが、男は必死に脳を働かせてもハズす。女が悩みを相談するとき、話を聞いてもらいたいだけなのに、男は解決策を示そうとしてしまう。なので、そういう会話にならないようなトレーニングプログラムまでできているそうで。
これを観たうちのカミさんは、まさに我が家の会話そのものだと言った。そうかなぁ?まぁ全くないとは言わないけど、そんなことない部分も多いような気がするけどなぁ。
たとえば彼女は、ぼくのことを酒飲みだと思っている。これはまったくそういうことはない。週末は確かにけっこう飲んでるかもしれない。でも10年は経ってないかもしれないけど、人間ドックの時に医者に言われて以来、何もない平日はビール1本以外飲まないようにしている。平日はそれほど飲みには行かない。周りの人に比べればそんなに酒のみではない。と思う。
なのにやたら酒の飲み過ぎだという。まぁ彼女自身酒を飲まない人なので、「飲みすぎ」っていう度合がよくわからないのかもしれないし、心配をしてくれてるのはありがたいんだけど、こういう、時にはあからさまな思い違いをする存在が、妻ってもんなんだよねぇ。これが。不思議なことに。どこの家でも多かれ少なかれあると思うんだけど。これってこの男女差理論で言うところに、うまくはまるのかなぁ?それともこれは男女差ではないの?
そして、夫婦と言う社会的関係を作り出した人類の精子は、明らかに弱ってきてるという。チンパンジーのように乱婚だと、発情期に複数のオスと交わるんだけど、その中で最も精子の勢いが強いものが受精するために、活発な精子の遺伝子だけが残って行く、と。なるほどなぁ。
しかもY染色体は、X染色体と違って2本ペアではないため、壊れても修復できる情報がないので、どんどん壊れてきていて、遅くとも4~500万年以内にはなくなってしまうそうで。そうすると、男ってものがいなくなってしまうのだとか。
日本では最近、若い世代がセックスそのものに興味を失ってきているという話も聞く。ただでさえ世界の中ではセックスの回数が少ないと言われるこの国でねぇ。それやこれやが重なって、ホントに子供の数が激減しちゃうんじゃない?
いやいや、近い将来、現在も始まっている人工授精--デンマークではもう14、5人に1人の赤ちゃんが人工授精で生まれているそうだけど--のほうが当たり前になって、夫婦ってのはセックスが前提の関係ではなくなってしまうのかもね。しかも自分の精子ではなくて、冷凍保存された昔の人の精子を選ぶ、みたいな。
最近の人工授精は、Web上で、精子提供者の髪の色、目の色、身長や骨格や、いろんな特性をピックアップして、気に入った精子を選べるシステムになってるそうで。なんだか星新一も想像できなかったような世界が現実になってきてるんだね。
そんな中、うちの愚息は、娘の風邪病原菌を避けて、近所のファミレスで彼女と2人、テスト勉強をしているらしい。昨日も、そして今日ももうすぐ、いったん帰ってきて車で送ってくんだろう。奴は恋愛本能はマトモなようだけど、種族保存能力はマトモなんでしょうかね?
こないだ、子供だけは作らないように気をつけろよ、とは言っておいたんだけど、それって、そういう少子化につながる社会的制約の中に、ぼく自身もしっかり住んでるってことだよね。思えば。う~む。
コメント