エコ、ということに関して、関心がないわけではない。というかむしろあるほうだと思う。自宅の電源を太陽電池化することも検討したし、前に書いたけど電球を蛍光灯あるいはLED化することも検討した。
ただ、前者はあと何年もつかわからない木造のこの家に追加投資するには、経済的に合わなかっただけだし、後者は演色性が悪く肌色や食事の色が気味悪く見えるのがガマンならず、階段とか風呂とか、限定した場所にしか使えなかっただけだ。
乾電池型の蓄電池だって、ずいぶん昔から使っていた。何に使ったのか憶えてないけど、一番最初はまだNiCd(ニッケルカドミウム)電池だったと思う。はっきり憶えてるのは、今のお風呂テレビから2世代前の4インチ液晶アナログテレビが、これがまぁ感心するくらいの電池食いで、1家4人で使うと、大体2,3日で単一電池4本がなくなった。
これはさすがに電池代がかかりすぎるしエコくないので、単三のNiMH(ニッケル水素)蓄電池と、ネットで高速充電器を購入し、これに単一用のアダプターをつけて使うことにした。NiMH電池は当時三洋とPanasonicが作っていて、最初は単三でも確か1,700mAh(ミリアンペア時)くらいの性能だったが、競争によりだんだんと性能が上がって、最後は2,700mAhくらいまで行った。それでもそのお風呂テレビは、毎日交換、充電しないと使えなかった。
その後今のお風呂テレビは専用の内蔵電池に充電する方式になったので、しばらく蓄電池とも遠ざかっていたが、その後発売された三洋のeneloop、これは画期的な蓄電池だ。
前の蓄電池はたぶん大体300回ほど充放電を繰り返すと使えなくなったし、電圧の落ち方も激しく、使える時間も短かった。それにちょっと置いておくとすぐに放電してしまうので、その都度充電しなおさないといけない。
ところがこのeneloop、mAh性能そのものは大したことないんだけど、電圧がなかなか落ちないし、放っておいてもほとんど放電しない。そのため市販品も普通の乾電池のように最初から充電された状態で売っているし、実際、3年くらい放っておいても全く問題なく使える。
三洋は結局Panaに買収されてしまったけど、この蓄電池戦争においては、完全に三洋の勝利だった。Panaが三洋を買収したのは、太陽電池パネルやこの蓄電池など、電池系事業が狙いだったと言うのは有名な話だ。
この電池は音楽業界にも静かなブームを巻き起こしている。ギタリストが主に使うエフェクターの電源は、9Vの006Pという四角いタイプの電池が主流だったけど、エフェクターボードに数台のエフェクターをセットする場合、個別に電池を入れると個別の寿命管理が大変なので、パワーサプライと言う電源装置を使う。昔はこれは、電灯線につないで電源を確保するタイプだった。
このパワーサプライの代わりとなったのが、eneloopシリーズのKBC-9VSという製品だ。三洋が楽器用の電源を発売するなんてちょっと違和感があったのだけど、この製品はかなり画期的な逸品だ。エフェクターってやつはデリケートな代物で、電圧が下がってくると効きが悪くなったり音が歪むようになったりして、なかなか一定の能力を発揮させるのに苦労するのだけど、このKVC-9VSは、電圧がずっと一定なので、とにかく同じ状態で安定して使える。しかも長持ちだ。ウチのバンド「健康」でも、主審もブーランもこの製品を大変重宝して使っている。
さて、我が家に話を戻すとその後、蓄電池を使う機会はあまりなく、eneloopは、バンドの練習を録音するために買ったZOOMのH2とか、限られた用途ではじめて使ってみたんだけど、その性能には感心させられていた。
んでこないだ、これまたロヂャースで、冒頭の写真のようなカラフルなeneloopが売られていて、値段も結構こなれてきていることに気づいてね。普通のアルカリ乾電池のおおむね10倍くらいの値段で、公称1,500回使えるなら、充電に多少の電気代がかかるとしても、コストパフォーマンスは火を見るより明らかだ。ごみの量も減ってエコだしね。
もっとも我が家の3年ちょっと前に買ったeneloopは、まだ1,500回も充放電してないから、実際にそんなに使えるのかどうかはわからないのだけども。ただ少なくとも、この3年間で多分十数回充放電した限りでは、性能的には買った当初と全く変わりませんな。これはeneloop以前の製品ではなし得なかったことだ。どのくらいの期間使えるのか確かめるために、使い始めたと思しき月(=ZOOM H2を買った翌月)を、電池本体に書いておくことにした。
てことで、単三と単四それぞれの、この10本セットを買って、今後我が家の電池はすべてeneloop化することにして、カミさんや娘に、この電池はなくなっても捨てちゃダメだぞ、と宣言した。
しかしPCの内蔵蓄電池とかも、こういう技術を転用できないのだろうか。相当気を使って完全放電→完全充電→電源コードはずして使用、を繰り返しても、どうしてももち時間は、2年もすると半分以下に落ちてしまう。今ノートPC用蓄電池の分野でNo1はPanasonicだと思うけど、三洋の買収が完了したら、さらに進化するのかな。
車用とかも、車検のたびに交換してたら、金がかかってしょうがないじゃん。このへんの蓄電池技術の進化を、切に望みますです。
おひさですーーー。
我が家も電池は基本的に全て蓄電池私用ですが
そうそうそう,高いわりに,すぐに
能力が落ちてしまうのが欠点だと
常々残念に思っていました。
今度,日本に無事(笑)行けたら
絶対このeneloop大量買いしなくっちゃっ!
デザインもきれいですね。
いかにも日本製という感じ。
モバイル系には液体電池の実用化が
せまっているそうですが,
実際に低価格で使い物になるまでには
まだまだ長ーーい間「太陽電池」系
緊急モバイル充電器のお世話になりそうです。
投稿情報: 苗 | 2011/02/08 00:59
おお~、久しぶり。
eneloopはいいよおー。
緊急モバイル充電用のeneloopも出てるみたいだよ。
いろいろ調べといて、日本に来たらまとめ買いだね。
投稿情報: Tacovo | 2011/02/08 13:25